打楽器の音ってヤツは、ど~にもこ~にも頗る気持ち良い。
血が沸く。魂が高揚する。
大地の鼓動ってヤツだろうか……コイツばかりは理屈抜きだ。
頭でこねくり作らず、ありのままに心が反応したその刹那を写す。北田隗子はそれを自著『随句の基調』に於いて、「無条件感覚」と呼び、短律に於いて、最も重要なる点とした。
底が抜けた杓で水を呑もうとした 放哉
一人でそば刈ってしまった
吸取紙が字を吸ひとらぬやうになった
あひる放たるる水底見ゆる
昼の蚊たたいて古新聞よんで
うごいてみのむしだったよ 山頭火
病めば梅ぼしのあかさ
ながい毛がしらが
へそが汗ためてゐる
ごろりと草に、ふんどしかわいた
ピンと浮かんで、メモる。メモを句として眺める。語句を削る。語句を足す。定型を捨てた自由律に於いて、最も重要な部分。声に出してリズムや調べを試す。これもまた重要。そうして推敲を重ねるも、結局は最初の形が最も優れているなんて事は多々あることだ。
理屈を超えて、ストンと胸の奥の部分に落ちる。それは共感性なんかより、もっと深い部分。
そこに響くもの。
つべこべ言わず、我が句もそうありたいもんだ。
太鼓ボコボコと地の弾む 風狂子
まだ鳴り続けて朧なる宴のあと 畦道
返信削除音楽も俳句もいろんなリズムで表現したいですね。
返信削除ドラムの陰に君と隠れた 雪兎
言葉をこえたところの表現が素敵ですね。
返信削除雷神のみが知る胸中のドラム 玄齋
この一叩きの響くところ 玄齋