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2019年2月21日木曜日

第三十六回 鍛錬句会


※2018年9月開催

◇集計結果

(4点)おんぶしたときもされたときもゆうぐれ ○○○○
(4点)月に向かってのばした手をつかまれた ◎◎
(4点)剥き出しの更地の黒に雨突き刺さる ◎○○


(2点)夜を帰る満月赤くなくなった頃 ◎
(2点)君の子に花火買って帰る ○○
(2点)いぬの額に秋の香の立つ ◎
(1点)ヨーイドンの構え、とくと見よ! ○
(1点)風の中なんの声も無く秋 ○
(1点)世のやさしさに触れて救いはどこにもない ○
(1点)姉夫婦の後ろで下向いてる妹 ○
(1点)夜中ふっと秒針動き出さない ○
(1点)台風と同じ名前でかわいい ○
(1点)半分濡れたいやな雨の日 ○
(0点)新記録出た日の帰り道
(0点)秋風ばかり空倉庫
(0点)まっすぐ立ち満員電車待つ小さい兄弟
(0点)廃屋の庭精霊蜻蛉の群れ
(0点)夜風ふんわり小腹を撫でた
(0点)食べかけ食べかけでございます ○●
(0点)被災地の棄民星ばかりきれい
(0点)丸々と肥えたコオロギ死んどる
(0点)血の海にいて父母の果て

(0点)この子のお腹のふにふにと眠る
(0点)胃カメラを撮られてしまってほ乳類
(0点)すれちがった女の薬指のあいとる ○●
(0点)公衆便所に虫の声
(0点)追加注文、追加注文、多いよお

(0点)冷房強くしてなにもかなしいことはない
(0点)尿水銃  ○○●●
(0点)コインランドリーから満月を眺める
(0点)出すの忘れて皺よってく絵葉書
(0点)水をいれる体の朝が遠い
(0点)ねずみの駆ける屋根のもと寝る
(0点)ドーナツの穴の中にもいない
(-1点)一日あかり点けさびしい本を読む


以上40句。
※特選◎(2点)、並選○(1点)、逆選(-1点)として集計。

◇投句者(投句順)

【畠働猫】
君の子に花火買って帰る
血の海にいて父母の果て
世のやさしさに触れて救いはどこにもない
台風と同じ名前でかわいい
被災地の棄民星ばかりきれい

【藤井雪兎】
ドーナツの穴の中にもいない
月に向かってのばした手をつかまれた
新記録出た日の帰り道
姉夫婦の後ろで下向いてる妹
おんぶしたときもされたときもゆうぐれ

【小笠原玉虫】
剥き出しの更地の黒に雨突き刺さる
ねずみの駆ける屋根のもと寝る
いぬの額に秋の香の立つ
出すの忘れて皺よってく絵葉書
半分濡れたいやな雨の日

【天坂寝覚】
夜中ふっと秒針動き出さない
冷房強くしてなにもかなしいことはない
一日あかり点けさびしい本を読む
まっすぐ立ち満員電車待つ小さい兄弟
風の中なんの声も無く秋

【馬場古戸暢】
夜を帰る満月赤くなくなった頃
水をいれる体の朝が遠い
すれちがった女の薬指のあいとる
夜風ふんわり小腹を撫でた
この子のお腹のふにふにと眠る

【中筋祖啓】
ヨーイドンの構え、とくと見よ!
追加注文、追加注文、多いよお
尿水銃
食べかけ食べかけでございます
胃カメラを撮られてしまってほ乳類

【矢野錆助】
廃屋の庭精霊蜻蛉の群れ
秋風ばかり空倉庫
公衆便所に虫の声
丸々と肥えたコオロギ死んどる
コインランドリーから満月を眺める

【】





40 件のコメント:


  1. (4点)おんぶしたときもされたときもゆうぐれ
    ○平松星童っぽい、とは思ったけれどそれで何か損なわれているわけではない。郷愁のようなものを感じた。
    おんぶしたときされたとき以後がわずかでも見えればもっとよかったけれど、これ以上を付け足すと雰囲気をぶち壊してしまうとは思う。(寝覚)
    ○人として正しく代を重ねることの尊さ。かつて背負われて歩いた土手を今は子を負い歩いている。社会は変わろうとも、変わらない人の営みがある。(働猫)
    ○おんぶとゆうぐれってつきすぎのようにも思って悔しいけれど、良句。このおんぶはもちろん親子のことと思います。幼き思い出の中のおんぶも、いまこうして我が子を背負っているこのときも、ゆうぐれだった。してもされてもおんぶはしあわせで、少しだけさみしい。万感胸に迫る光景です。(玉虫)
    ○かわゆい。悠久。(はるる)

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  2. (4点)月に向かってのばした手をつかまれた
    ◎今回の句のなかで、景がもっとも簡単に浮かんだ。(古戸暢)
    ◎絵になる風景。満月のつかみ取りだね。(祖啓)
    △つかんだのは恋人なのであろうが、邪神の信徒かと思えばゴシックホラーにも思える。いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん。(働猫)

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  3. (4点)剥き出しの更地の黒に雨突き刺さる
    ◎そもそも更地は剥き出しになっているものだと思うし、土が露出しているんだからそりゃ黒くもあろうと思うけれど、そういう言わずもがななことでもって更地という言葉を補強しまくる必死さが、突き刺さると言ってしまわなければいけないのだろう切迫感を感じさせる。
    剥き出しの更地の黒に、と声に出して読めば心なしか早口になる気がするのも切迫感の表れのように感じられていい。(寝覚)
    ○時節柄、震災の情景を思う。瓦礫と化した建物が撤去された空虚の黒。雨に攻撃性を読み取るのは傷ついた心の為せることなのだろう。(働猫)
    ○詩人。(はるる)

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  6. (2点)夜を帰る満月赤くなくなった頃
    ◎今回一番好きな句はこちら。そうそう、出始めの低い月しか赤くないんですよね。詠み人は毎日帰りが遅い勤め人なのでしょう。でも何となく、世の人が既に帰ったあとの、人の少ない往来を歩くことを好んでいそう。ムーン・イズ・マイン。月は一人で眺めた方が楽しい。疲れているし、明日も早くから仕事かもしれないけれど、束の間の自由を感じさせる佳句です。(玉虫)
    △時間の経過で色が変わるんであろうか。わからない。明け方の月が白む頃、ということか。(働猫)

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  7. (2点)君の子に花火買って帰る
    ○ぎりぎりで句として成立しているように思う。(古戸暢)
    ○花火を買ってあげて、けれど花火をしているところは見ずに家へ帰る、という像以上に、君や、君の子への作者の心情が垣間見える。修飾的なことをなにもせずにさっと言い終えているからこそ奥行きがある。しれっと特選を2つにしてしまおうかな、と逡巡するくらいには悩んだ。(寝覚)
    △花火買ってく男はたぶんそんなにいいやつじゃない。あくまでこの人の目当ては君こと母親なんでしょう。母親からの点数稼ぎたくて、彼女の子どもに花火買ってくような男ってやだな。でも自分はめっちゃいいことしてると思ってそう!(玉虫)

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  8. (2点)いぬの額に秋の香の立つ
    ◎かわいいから(はるる)
    △犬吸い、猫吸いは飼い主の特権であろう。犬の旬は秋なのであろうか。猫の旬は冬。(働猫)

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  9. (1点)ヨーイドンの構え、とくと見よ! 
    ○走る前に完結している。実に幸せそうでよい。ここには勝ち負けがない。「ただ在ること」を認め合う愛がある。(働猫)
    △走りには自信があるのだろうか。(雪兎)

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  10. (1点)風の中なんの声も無く秋
    ○秋らしい。冗長な感じは否めない。(古戸暢)
    △どの要素も当たり前すぎまいか。(働猫)

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  11. (1点)世のやさしさに触れて救いはどこにもない
    ○具体的な象徴が無いので、採るかどうか迷ったが、内容に非常に共感し、またこのような短歌的な表現もできるのが自由律俳句の面白い所なので、採用に至った。(雪兎)
    △もう一句並選を選べたら取っていた好き句。世の中は想像以上にやさしさに溢れているけれども、だからといってそのやさしさが人を救うとは限らない。
    むしろやさしさなんかには救われないことの方が多いのは、救いは、他人頼みではなく自分自身で見出さなくてはならないから。でもこれは、ペシミズム句ではない気がする。この詠み人は、「だからやさしくすんのやめた」とは思わない人のように思います。救いになろうとならなかろうと、やさしくある。というかやさしくありたい。そのような矜持、高い志を何故かこの句からは感じます。人間が人間であるために、やさしさは不可欠、役に立つ立たないの問題ではない。そんなこともこちらの句を拝見しながら思いました。(玉虫)

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  12. (1点)姉夫婦の後ろで下向いてる妹
    ○しおれてるし、ふてくされてる。そんな君には飴をプレゼント。(祖啓)
    △「まんぷく」でそんなシーンあったね。(働猫)
    △何か気になる句。姉夫婦は、気を遣って妹(何となくだけど、妻の妹って気がしますねぇ)を呼んでくれて、一緒に出かけたんだけど、妹は疎外感未満の軽い場違い感を感じていそう。
    あるあるですね。でも姉夫婦には悪気はないし、妹も迷惑って程でもない。あーあってちょっと、それ程楽しくはないな、って思ってる感じ。友達同士でもある。こういうちょっとした気持ちのズレみたいなものに注目したのが、めっちゃ面白いなと思いました。(玉虫)

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  13. (1点)夜中ふっと秒針動き出さない
    ○初めは時計が壊れているのかと読んだが、それでは面白くない。秒針を見つめているとわかるが、意外とその動きは遅い。特に、動いて欲しい時は。人間の感覚は不確かなので、時に思いがけないものを見せてくれる。(雪兎)
    △時が止まった?(働猫)

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  14. (1点)台風と同じ名前でかわいい
    ○ 名付けている役員の年齢層が知りたいし、むしろ、その役をやってみたい。(祖啓)
    △チャーミーかな?勢力はかわいくなかったけど。(雪兎)

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  15. (1点)半分濡れたいやな雨の日 
    ○たまにあります。(古戸暢)
    △ついこの間まで「半分、青い」という朝ドラがNHKで放送されていた。地震の情報を見るために出勤中車でテレビを流す習慣ができて以来見ていたのだが、たった15分で毎日不快になるすごい作品だった。他者の職業や人生について一切の尊敬がない人間に表現させる仕事をさせると、こんなにも人間の尊厳を徹底的に踏みにじる作品ができるものだろうか。本当にいやな脚本だった。(働猫)

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  16. (0点)新記録出た日の帰り道
    △小さい頃の記憶が甦る。ブランコからの靴とばし、懸垂の数、自転車の乗れる距離。日々が新記録の連続だった。今出せる新記録は、LDLコレステロールの数値とか腹囲の数値くらいのものだ。つらいな。(働猫)
    △記録者のわくわくした気持ちが伝わってきますね。何となくだけど、これは陸上って気がする。しかも、大会本番じゃなくて、学校のマラソン大会の練習日みたいな日のような。本番の成功よりも、本番の成功を思って弾む気持ち。爽やかな秋の風が背中を押して、きっと本番も大丈夫と思います。グッド。(玉虫)

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  17. (0点)秋風ばかり空倉庫
    △「あき」で韻を踏んだものか。不況の景を詠んだものか。逆に配送会社の倉庫は人手不足で溢れかえっているというが。(働猫)
    △いいですね。休日の無人の倉庫街って気がします。私事ですが、バスを乗り間違えると連れて行かれてしまう、実家近くの倉庫街を思い出しました。(玉虫)

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  18. (0点)まっすぐ立ち満員電車待つ小さい兄弟
    △朝の通勤時間には似つかわしくない情景。どこへ向かうのか。ふと発見した詠者もすぐに無関心な人の群れとなり朝の波となり幼い二人を呑みこんでしまったのだろう。(働猫)
    △可愛い。たぶん小学校低学年兄弟なんだけど、もうお受験のために塾とか行ってて、21時位に帰りの電車を待ってるんでしょう。車内は酔客どもの体温と臭い息とでムンムンと暑い。幼いうちから世の中の汚い部分に揉まれて、この兄弟は社会的強者に育ってゆきそうな気がします。(玉虫)

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  19. (0点)廃屋の庭精霊蜻蛉の群れ
    △「廃屋」も「精霊蜻蛉」も寂しさを表現する道具としては目新しさがない。つき過ぎというやつかもしれない。タムリエルならば熊が、連邦ならばフェラルグールが巣食っているロケーションだ。(働猫)

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  20. (0点)夜風ふんわり小腹を撫でた
    △「小腹」とはどこなのか。こういう句を観念的というのではないか。知らんけど。(働猫)
    △めっちゃたくさんお夕飯食べた帰り道って感じがします。食べすぎさんにも夜風はやさしい。(玉虫)

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  21. (0点)食べかけ食べかけでございます
    ○謎の圧力を感じる。食べなければならないような気にさせられてしまう。(雪兎)
    ●いちいち主張するほどに面白みがある事柄とは思えない。(古戸暢)
    △奇人が目に浮かぶ。(働猫)

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  22. (0点)被災地の棄民星ばかりきれい
    △こちら、詠み人が被災者か被災者でないかで印象がちがってくる句ですね。被災者じゃない人が「棄民」って言うのは何かイヤかも。でも被災者自身が「棄民」て言ってたら、胸がズーンとしてしまいますね。気になる句、引っ掛かる句です。(玉虫)

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  23. (0点)丸々と肥えたコオロギ死んどる
    △カマドウマだろ。気持ち悪いよね。(働猫)

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  24. (0点)血の海にいて父母の果て
    △気になる句。親子の業みたいなものを感じます。苦しみの只中にいらっしゃるんだろうなぁ。(玉虫)

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  26. (0点)この子のお腹のふにふにと眠る
    △眠る子のお腹を触りに来る天狗こわい。(働猫)
    △何だろう……子どものおなかがふにふにって、なんかあざとく感じてしまいました。(玉虫)

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  27. (0点)胃カメラを撮られてしまってほ乳類
    △なぜ「ほ乳類」と感じたのだろう。胃カメラの映像を見て?ほ乳類的特徴があった?わからない。(働猫)

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  28. (0点)すれちがった女の薬指のあいとる
    ○目ざとくて笑った。笑わされたら負け。空いていたから何かある、というものではないのは重々分かっているうえでだろうけれど、それでも何かを得たような気分になっている小ささ。
    人の業だな、と思う。こういう句は大事にしたい。(寝覚)
    ●抜き取れ。そして、成田空港へ直行せよ。(祖啓)
    △すぐに指輪を探してしまうのは結婚願望なのかなんなのか。(働猫)
    △いい女だなぁ、お、薬指に指輪ないから未婚だ、やったー! って思ったところでその人とどうかなれる可能性は低いだろうけど、でも何かチェックしちゃう気持ちは分かります(笑)(玉虫)
    △指輪している男はヤリマンだけどね。(はるる)

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  29. (0点)公衆便所に虫の声
    △汚いときれいの対比を狙ったものか。蝦夷の公衆便所はわりときれいなところが多いのであまり効果を感じられない。(働猫)
    △もう一句並選を選べるとしたら取っていた句。二物衝撃で好き。公園の隅の汚そうな公衆トイレの裏の茂みでは、やたらとキレイで大きな声でコオロギが鳴いていますよね。かなり寒くなってからも鳴いているコオロギ。わびしい感じが好きです。(玉虫)
    △安直(はるる)

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  30. (0点)追加注文、追加注文、多いよお
    △奇人が困っている様子が浮かぶ。(働猫)

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  32. (0点)冷房強くしてなにもかなしいことはない
    △「かなしいことはない」と強調するのは、かつてかなしいことがあったからだ。おそらくは、貧しさのゆえに冷房を強くすると叱られる家庭であったのだろう。独立して温度下げ放題になった今でも当時の記憶がふと甦り、かなしい、いや、かなしいことなどない、と独りつぶやいているのだろう。(働猫)
    △何か好きな句ですが、もうちょっと、何だろう、具体的に伝わるものが欲しかった気がします。(玉虫)
    △強がりに聞こえないこともない。(雪兎)

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  33. (0点)尿水銃
    ○笑わされたら負け第二弾。二つの意味でどう読んだらいいのかはわからない。にょうすいじゅうなのか、しすいじゅうなのか。
    句というよりは名詞として扱うべきなんじゃないか。それはそれとして、この銃は生物兵器に該当すると思うので条約で禁止すべき。(寝覚)
    ○これめっちゃ好き。今回一番「俳句らしい句」と」思いました。わたしとしてはめっちゃ高評価。これは俳句ですよ。夜通し飲んで明け方に立ちションした景と想像。そーれ!って勢いよくおしっこをする、解放感と、ちょっと悪い子みたいな気持ちが楽しい。短い句だけど、これはこの短さでしか表現出来ない気持ちなんだと思います。(玉虫)
    ●内容以前に句として成り立っていないと私は思うが、この種の句は、句そのものだけではなく、作者の俳句観と共に良し悪しが判断されるべきである。ジョン・ケージの曲のように。だが、作者が伏せられている句会という場には、残念ながら向いていない句だ。(雪兎)
    ●短ければ、ワードさえあればいいと思ってる(はるる)
    △何かを狙って小便をしている様子であろうが、だからなんだ。(働猫)

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  34. (0点)コインランドリーから満月を眺める
    △深夜のコインランドリーは不思議な空間だ。町の明かりが消えた中に響く機械の回転する音と控えめなテレビかラジオの音。「待つ」という行為は、何もしないをすることだ。そして興味もない空を見てひどく大きな月を発見したのだろう。(働猫)

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  35. (0点)出すの忘れて皺よってく絵葉書
    △「皺よってく」という進行形の表現から、その存在を忘れていたわけではなく、常に意識していることがわかる。したがって「出すの忘れて」は自己欺瞞、いいわけである。出せない理由はほかにある。関係を秘すべき相手なのであろう。皺のよっていく生活や時間のうつりかわりと相手への思慕の不変を対比的に表現している。(働猫)

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  36. (0点)水をいれる体の朝が遠い
    △痛飲した翌朝であろうか。皮膚に薄膜が張っているようで現実にかすかな違和を覚える離人感。(働猫)

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  37. (0点)ねずみの駆ける屋根のもと寝る
    △築地市場の閉鎖に伴い、そこで暮らしていた鼠たちが近隣へ拡散しているそうだ。そのいずれかの一家の引っ越しを聞きながら眠ったものだろうか。(働猫)

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  38. (0点)ドーナツの穴の中にもいない
    △かつてはその穴の中に相手がいたのだ。ドーナツから覗き合った幸福な日々の喪失。そうした喪失をかつて自分は「何を食べても君はいない」と詠んだ。喪失は普遍的な行為である食の場面で強く意識されるものであるようだ。(働猫)

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  39. (-1点)一日あかり点けさびしい本を読む
    ●ちょっと放哉っぽすぎると思いました。「一日物云はず蝶の影さす」をすぐ連想してしまって。(玉虫)
    △薄暗い部屋で一日を過ごしたようだ。「窓から見てる他人の空」と同じ作者だろうか。ムショにでも入っているのだろうか。(働猫)
    △さびしい本を読んでいるうちに、本当にさびしくなってしまいそうだ。あかりを消す時とか。(雪兎)
    △さびしいはいらない。一点の明かりはすでにものかなしい(はるる)

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