ある程度まとまった句集ないしは句群に目を通すと、その句を採るか採らないかの印を、句の上に書き入れる。採るまでにいたらなくとも、よいと思った句にも印をつける。どのような句集や句群であっても、その採用率(よいと思った句も含む)はおよそ10%前後に落ち着くようである。
山頭火の句集であれば、『草木塔』に集中して、こうしたチェックが入っている。『草木塔』における採用率は、30%程度と極めて高い。しかし山頭火の句全体でみた場合は、採用率はさほど高くない。おそらくは、10%を切る程度となろうか。山頭火の句に惹かれて自由律俳句を詠みはじめた自身にとっては、これは驚くべきことである。
一方で、顕信の『未完成』における採用率は、40%という、群を抜いて高い数値となっている。私の嗜好と顕信の句の傾向が合っていたということだろうか。これには、顕信が残した句数が少ないという事実も関連していよう。すなわち、顕信がもっと多くの句を詠んでいれば、山頭火の例と同様に、全体としてみた場合の採用率は平均値に落ち着く可能性が高い。
このようにして採用率に着目すると、自身が好きな句の傾向が、数値を以ってして見えてくる。一句一句は好きであっても、全体における採用率が低い場合も当然あろう。また逆に、記憶に残る句は少なくとも、全体における採用率が高いことも起こりうる。
ひとつの目安として、各人で句の採用率を確認してみるのも面白いだろう。これまで気付いてはいなかった自身の側面を、発見することができるかもしれない。
勉強に生きている人と向き合うと、そもそも、宿命が各位に用意されているのだなと思わされます。
返信削除一番逃げていることが、その人にとっての宿命なのか。
コトノブさんの宿命は、冗談になるのだろうか。
上記のコメントは、祖啓なりの提示であったのですが、私の予想を上回るコトノブさんの返答をいただき、これは、こっそりと読ませていただく事にいたします。
返信削除うーん、、、、、そっちが心にひっかかったのか。
コメントをどうもありがとうございます。
削除よくわかりませんが、何かありましたらばメールにてお伝えください。
極秘の任務、奮励努力いたします。
削除忍・・・・・・
なるほど、面白い試みですね。やっぱり好みってありますよね。そねださんの北田先生の選についてのお話を思い出しました。私もやってみようかと思います。
返信削除コメントをどうもありがとうございます。
削除ぜひまた、結果をご報告いただければ幸いです。各結社の句誌ごとに採用率を出してみると、なかなかに面白いです。