◇集計結果
(5点)あたたかくおじさんになっている(雪兎) ◎◎◎●
(3点)誰かを抱いたような春眠が終わる(古戸信) ◎○
(3点)葉桜がささやく待ち合わせまで二分(タケウマ) ○○○(2点)歩数計に0と表示され桜はおしまい(一音) ◎○● complete!
(2点)高き格子窓より一片の櫻花(タケウマ) ○○
(2点)新作のプリンだってさ朧月(一音) ○○
(1点)子らも跳ねる葉桜(古戸信) ○
(1点)蝶うかれとる春霞(錆助) ○
(-1点)藤の花揺れている猫は欠伸している(錆助) ●
(-2点)チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる(雪兎) ●●
以上、10句。
※特選◎(2点)、並選 ○(1点)、逆選 ●(-1点)として集計。
◇投句
【古戸信】
誰かを抱いたような春眠が終わる
子らも跳ねる葉桜
【藤井雪兎】
チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる
あたたかくおじさんになっている
【吉村一音】
歩数計に0と表示され桜はおしまい
新作のプリンだってさ朧月
【タケウマ】
高き格子窓より一片の櫻花
葉桜がささやく待ち合わせまで二分
【矢野錆助】
藤の花揺れている猫は欠伸している
蝶うかれとる春霞
以上、5名。
※投句順。
◇コメント
(5点)あたたかくおじさんになっている(雪兎)
◎否定したい。(古戸信)
◎おじさんも悪くない(タケウマ)
◎春が来てあたたかくなるように、おじさんになることに抗わない。抗わないことがすでにおじさんになった証拠かもしれない。(一音)
●「おじさん」に笑えた。若くも無く、老いという程でも無いが、「おじさん」になるにも、やはり時の流れは必要なのだ。非常に現代っぽさも感じられて、良い意味で逆選句に相応しい。何なら、今回の句群で最も好き句かもしれない。(錆助)
▼この間プチ花見をしていたら浮かんだ句です。今までの悲しみを全部抱きしめながら生きていきたいです。(雪兎)
△条件反射で「否定したい」と書きましたが、実際には共に生きることもやぶさかではありません。老いもまた捨てきれない荷物の重さまえうしろ。(古戸信)
(3点)誰かを抱いたような春眠が終わる(古戸信)
◎春の日のうたた寝の心地良さ、気怠さを実に上手く表現しているオリジナリティのある比喩に脱帽。(錆助)
○誰?(タケウマ)
△誰かに抱かれたような春眠なら何度も経験してますが、この句のようなのはないですね。嗜好の問題でしょうか。(雪兎)
△気だるくも心地よい、けれどどこかにかすかな罪悪感もある眠り。「終わる」がひっかかった。(一音)
▼誰かわからないままの全体としてもわんとした夢でした。夢でした。(古戸信)
△△夢精で目覚めたのかと(タケウマ)
▼▼違うのです。もっとこう、アンニュイな、純愛な、そういう何かですきっと。(古戸信)
(3点)葉桜がささやく待ち合わせまで二分(タケウマ)
○葉桜の頃の空気は一年で一番清浄なので、いい顔で誰かに会えそうですね。(雪兎)
○わくわくそわそわした気持ちが葉擦れの音に重なる。待っている二分は長いが、今まさにその場所へ急いでいる二分は短い。(一音)
○「二分」と云う微妙な時間のチョイスが良い。(錆助)
△時計をこまめにチェックしている様子がいい。(古戸信)
▼つまらない(タケウマ)
▼▼待ち合わせをなにか違うものにしたかった(タケウマ)
(2点)歩数計に0と表示され桜はおしまい(一音)
◎桜が散ってしまっても人の営みは続きます。あと何歩歩けば来年の桜に辿り着けるのでしょうか。(雪兎)
○「0」は無でもあるが、始まりでもある。葉桜へと移り変わる時間の流れを感じさせられて面白かった。(錆助)
●歩数計を使ったことがないためか、よくわからなかった。リセットボタンを押したということだろうか。(古戸信)
△?(タケウマ)
(2点)高き格子窓より一片の櫻花(タケウマ)
○「高き格子窓」が牢獄を連想させます。この句の嬉しさや悲しさは体験しなければわからないでしょう。といってしたくはありませんけど…。(雪兎)
○刑務所の窓と読んだ。サスペンスドラマのラストのよう。罪を償っていつか晴れて満開の桜を見てください。(一音)
△格子窓がつくる影が結構好きです。(古戸信)
△秀句であるが、もう一つ隠し味が欲しい感じ。(錆助)
▼「高き」はなくていい(タケウマ)
(2点)新作のプリンだってさ朧月(一音)
○朧月もプリンも動くが雰囲気がいい。(古戸信)
○「だってさ」に◯ (タケウマ)
△朧月って中に何か入ってそうですよね。あのぼんやりとした感じが特に。つつくと何か出てくるかも。(雪兎)
△面白い句だが、「プリン」と「月」では、イメージの親和性が高過ぎて、逆に良くない。(錆助)
(1点)子らも跳ねる葉桜(古戸信)
○葉桜の頃になると夢から覚めたようにすっきりするので、子供たちが跳ねるという表現はぴったりですね。(雪兎)
△「も」が効いているかどうか(タケウマ)
△葉桜と跳ねる子供の取り合わせがちょっとしっくりこなかった。(一音)
△軽やかで爽やかな句だが、まとまり過ぎて小粒感は否めない。(錆助)
▼子らが跳ねて遊んでいたのですが、あんなに跳ねて腰を痛めないのか、不安に思ったものでした。(古戸信)
(1点)蝶うかれとる春霞(錆助)
○幻想的な景です。(古戸信)
△大福とか食べながらずっとこの句の光景の中にいたいです。年を重ねる度にそう思います。(雪兎)
△春ですね(タケウマ)
△頭が少しぼんやりするような春のあたたかさ。蝶ほどうかれる気分ではない。(一音)
(-1点)藤の花揺れている猫は欠伸している(錆助)
●好きな光景ではあるのですが句としては少し平凡かもしれません。(雪兎)
△藤の花と猫はよく合う組み合わせのように感じました。(古戸信)
△春ですね(タケウマ)
△藤棚の下に猫と並んでのんびり座っている。リズムがよい。(一音)
(-2点)チェ・ゲバラの柄ごと揉んでいる(雪兎)
●あざとい(タケウマ)
●一読して「ヤダ〜」と思ってしまった。いろいろな読み方をしていいのかもしれないけど、まあ、そういうことですよね。(一音)
△揉まないといけないチェ・ゲバラの柄は何なのか。(古戸信)
△揉んでいるのは何?個人的にはバレ句として読んだのだが、他の人達の解釈を聞きたい。(錆助)
△△最初は特選だった。ゲバラTシャツの娘もいまはおばさんと思い逆選に(タケウマ)
▼「チェ・ゲバラの柄」とはチェ・ゲバラの顔がプリントされたTシャツの柄のことです。そのシャツにはレディース用のもあるのでそれを踏まえてこの句を作りました。もしくは彼氏のシャツとも考えられますね。(雪兎)
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