2014年1月25日土曜日

第二十回 研鑽句会

◆最高得点句
弟を裏切る兄それが私である師走  碧梧桐

◆コンプリート句
弟を裏切る兄それが私である師走  碧梧桐
正月の日記どうしても五行で足りるのであって  碧梧桐
霙れるそのうなぢへメスを刺させい  一碧楼

◆互選集計
(7点) 弟を裏切る兄それが私である師走 ◎◎○○○○●△△(コンプリート!)
(5点) 冬夜の一室の醜き女らよ許す ◎○○○△△
(4点) 闇から来る人来る人この火鉢にて煙草をすひけり ◎○○△
(3点) 正月の日記どうしても五行で足りるのであって ◎○○●△△△△(コンプリート!)
(3点) 火燵の上の履歴書の四五通 ◎○△△
(3点) 夜行列車一人の口のみかん汁垂れたり ○○○△△△
(3点) 冬の日のお前が泣くそのやうに低い窓 ○○○△△
(3点) 最後の話になる兄よ弟よこの火鉢 ○○○
(2点) 霙れるそのうなぢへメスを刺させい ◎◎○●●●△(コンプリート!)
(2点) ふくろうよ妻が一日寝てをり ◎△
(1点) 障子あけて雪を見る女真顔よ ○△△△△
(1点) お前の正直な日がくれて夏座布団 ○△△△△
(1点) 百合のゆうぐれが来るいつまで拗ねる ○△△△
(1点) さるすべり咲きひるなか電燈ともり ○△△
(0点) 反抗期で時にはなぐりたくもなるそのまなざし ○●△
( 1点) 炭の立ち消え妻を呼びたる ●△△△
( 1点) 靴磨き梅雨は仕事にならず墓参りにこの寡婦 ●△△
( 1点) 女の児真白いマント着て近より来る ●△
(無点) 砂山に日を浴びて師走の君と △△△
(無点) 畳に河鹿をはなしほうほうと言ふて君ら △△△
(無点) 冬の夜の我が持ちて人形の眼の動く △△△
(無点) 強い文句が書けて我なれば師走 △△
(無点) みなは寝し仏壇とぢてひと夜の蒲団に入る △△
(無点) 庭に下りて手を出して子野羊の頭を押すや △△
(無点)子ら迎へ火おもしろく彼の家この家 △△
(無点) 真赤なフランネルのきもので四つの女の児 △△
(無点) お前の歩むさくらの樹には桜の実 △△
(無点) 十三夜の酔ってゐる我は雨をついて出でけり △△
(無点) 庭師二日来て庭明るしかたばみ水霜の雫 △
(無点) 人のけはい暮方の降りて消ゆる雪 △
※以上全30句。特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。△は無点。

◆作者紹介
【河東碧梧桐】
障子あけて雪を見る女真顔よ
火燵の上の履歴書の四五通
強い文句が書けて我なれば師走
最後の話になる兄よ弟よこの火鉢
弟を裏切る兄それが私である師走
正月の日記どうしても五行で足りるのであって

1873-1937 愛媛県生まれ。本名、秉五郎(へいごろう)。正岡子規門の高弟。高浜虚子と対立、定型・季語を離れた新傾向俳句を提唱。全国行脚して「三千里」「続三千里」をまとめた。のち自由律、ルビつき句など句風は変遷した。

【喜谷六花】
子ら迎へ火おもしろく彼の家この家
畳に河鹿をはなしほうほうと言ふて君ら
みなは寝し仏壇とぢてひと夜の蒲団に入る
庭師二日来てt庭明るしかたばみ水霜の雫
反抗期で時にはなぐりたくもなるそのまなざし
靴磨き梅雨は仕事にならず墓参りにこの寡婦

1877-1968 明治~昭和時代の俳人。明治10年7月12日生まれ。東京下谷の曹洞宗梅林寺住職。河東碧梧桐に師事。俳誌「海紅」に属し、自由律の革新派として活躍。

【小沢碧童】
砂山に日を浴びて師走の君と
さるすべり咲きひるなか電燈ともり
炭の立ち消え妻を呼びたる
百合のゆうぐれが来るいつまで拗ねる
ふくろうよ妻が一日寝てをり
十三夜の酔ってゐる我は雨をついて出でけり

1881-1941 明治-昭和時代前期の俳人。明治14年11月14日生まれ。河東碧梧桐に師事し、東京上根岸の自宅を骨立舎と命名して俳道場とした。「日本俳句」「海紅」で活躍。

【瀧井孝作(折柴)】
人のけはい暮方の降りて消ゆる雪
お前の正直な日がくれて夏座布団
庭に下りて手を出して子野羊の頭を押すや
真赤なフランネルのきもので四つの女の児
お前の歩むさくらの樹には桜の実
夜行列車一人の口のみかん汁垂れたり

1894年-1984年 日本の俳人、私小説作家。俳句を河東碧梧桐に師事し、小説を芥川龍之介、志賀直哉に兄事した。文化功労者。

【中塚一碧楼】
霙れるそのうなぢへメスを刺させい
冬の日のお前が泣くそのやうに低い窓
冬の夜の我が持ちて人形の眼の動く
闇から来る人来る人この火鉢にて煙草をすひけり
女の児真白いマント着て近より来る
冬夜の一室の醜き女らよ許す

1887-1946 明治-昭和時代前期の俳人。明治20年9月24日生まれ。新傾向自由律俳句をつくり、明治44年「試作」を刊行。大正4年河東碧梧桐とともに「海紅(かいこう)」を創刊、のち主宰。

以上、五名。

2014年1月22日水曜日

第二十回 鍛錬句会

最高得点句
草が立つようにして負ける  祖啓

コンプリート句
懐かしくなるまで空き地見ている  獄美
ナウシカを見て急に立ち上がった姉  雪兎

互選集計
(5点) 草が立つようにして負ける ◎◎○△
(4点) いつまでもむかしのニベアの蓋よ母よ ◎○○△△
(4点) 可哀想におれの尻しか知らぬ椅子 ○○○○△△△
(3点) かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと ◎○△△△△
(3点) 懐かしくなるまで空き地見ている ◎○○●△(コンプリート!)
(3点) 老いた父の茶色い背中に初春のひかり ◎○△△
(3点) お前の名前で乾いた唇切れた ○○○
(2点) ナウシカを見て急に立ち上がった姉 ◎○●△△△△△(コンプリート!)
(2点) 明けても暮れても頓着ない犬の舌桃色 ◎△
(2点) ふるえる手が描く辛うじてドラえもん ○○△△△
(2点) カーテン開けて今日の窓はこれぐらい ○○△△△
(2点) 入ってくる客入ってくる客雪化粧 ○○△△
(2点) 深夜の階下が起き出した音だ ○○△△
(1点) 上手に元恋人の口ぶりをまねた無人駅は三日月 ◎●△△
(1点) 爪切り見当たらない日々の爪のびる ○△△△
(1点) マフラー外す貴女の頬が紅い ○△△
(1点) 一生分泣くことはできない小さなからだ ○△△
(0点) 死んだ花のびる母ねむる ○●△△△
(-1点) でもしまむらで買ったんですという謙遜 ●△△
(-1点) 死にたいと笑う人に寄り添えぬ朝なり ●△
(-3点) 泣いてもくっつかない夕焼けのような怪獣のしっぽ ●●●△
(無点) タコをマネすれば治まる △△△△△△
(無点) 明日は帰省のトランクス四着 △△△△
(無点) 肺も見ていた初夢だった △△△
(無点) タピオカ喉に詰まらせるこれが俺の正月 △△
(無点) 一回両手で受け止めて、また捧げる △
(無点) つくられた関係を甘噛む雪はなにも見てない

※以上全27句。特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。△は無点。


◆ゲスト紹介

本間鴨芹・・・自由律俳句結社「海紅」同人。元・鉄塊衆。
再び闘いのリングへ降り立った男。私(風呂山)とは同門の同志である。


◆作者発表(ゲスト以下、アイウエオ順)

【本間鴨芹】
ふるえる手が描く辛うじてドラえもん
でもしまむらで買ったんですという謙遜
タピオカ喉に詰まらせるこれが俺の正月

【小笠原玉虫】
老いた父の茶色い背中に初春のひかり
明けても暮れても頓着ない犬の舌桃色
死にたいと笑う人に寄り添えぬ朝なり

【地野獄美】
懐かしくなるまで空き地見ている
いつまでもむかしのニベアの蓋よ母よ
可哀想におれの尻しか知らぬ椅子

【十月水名】
肺も見ていた初夢だった
泣いてもくっつかない夕焼けのような怪獣のしっぽ
上手に元恋人の口ぶりをまねた無人駅は三日月

【中筋祖啓】
タコをマネすれば治まる
草が立つようにして負ける
一回両手で受け止めて、また捧げる

【畠 働猫】
死んだ花のびる母ねむる
つくられた関係を甘噛む雪はなにも見てない
一生分泣くことはできない小さなからだ

【馬場古戸暢】
明日は帰省のトランクス四着
爪切り見当たらない日々の爪のびる
深夜の階下が起き出した音だ

【藤井雪兎】
かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと
ナウシカを見て急に立ち上がった姉
カーテン開けて今日の窓はこれぐらい

【風呂山洋三】
入ってくる客入ってくる客雪化粧
マフラー外す貴女の頬が紅い
お前の名前で乾いた唇切れた

以上9名


2014年1月4日土曜日

新年詠2014

あけましておめでとうございます。
今年も鉄塊をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

以下、鉄塊衆による新年詠2014をもちまして、年始の挨拶に代えさせていただきます。