2012年12月17日月曜日

第二回 VT句会(2012冬)


最高得点句
箸の間蠅のすり抜ける 

最低得点句
雪崩弾丸(なだれだま)かよ

互選集計
(6点)箸の間蠅のすり抜ける ◎○○○○
(5点)都掘れば死者 ◎○○○
(4点)軒先のいづれも丸し冬の蜂 ◎◎
(3点)天高し兵器をつくる大人にも ◎○
(3点)金に狡い叔母は薔薇作りの名人だった ○○○
(3点)薄給の軽石みたいなパンを買う ◎○
(3点)秋刀魚の目の丸さ瞬きもせず ◎○
(3点)ふるさとのぬるま湯につかる ◎○
(2点)同じ日の同じ落葉を踏みたくて ◎
(2点)これこそがお母さんの買わぬ味 ◎
(2点)この丸薬で治るよと五人目のコメント ○○
(2点)川に沿ふ街のあかるさ ○○
(2点)カウンターに多産の女 ◎
(2点)介錯をたとへば紅葉散るごとく ◎○●
(2点)死にたい男ばかり深夜のバー ○○
(2点)枯葉頭に乗せて徐行してください ◎
(2点)飲みすぎた夜が壊れ始めた ◎
(1点)空に触れたい子を肩車する ○
(1点)レンタカーにぐずる子ら乗せていく ○
(1点)冷え床の僅かに白く午前二時 ○
(1点)丸々としていつかの子猫 ○
(1点)暇そうに腕組む店主秋の蠅 ○
(1点)二番目のひとにも慣れる居待月 ○
(1点)地を舐めて丸太 ○
(1点)月も歪んだ糞な夜 ○
(1点)はなうぐひとほくおよげる母ならん ○
(1点)花束が落ちるまでにはケリがつく ○
(1点)約束を思い出せないまま小春 ○
(1点)にょろにょろと出てきた蛇を拝みけり ○
(1点)手足丸めて甲虫も死んどる ○
(1点)立冬を二つの顔で生きている ○
(1点)この弾丸避ければ和尚に当たるだろう ◎●
(1点)三つ編みにメガネとおでこ名は不二子 ○
(1点)うそ寒の舌のかたちへ粉薬 ○
(1点)子連れママチャリの号泣 ○
(1点)正露丸一粒国後島を望む ○
(1点)水瓜のなかも祭り囃子 ○
(0点)弾丸とだけ書いておく年用意 ○●
(0点)Magical Tripper Ferris wheel is the vivid ○●
(0点)似非レンズの眼鏡の試着繰り返し十一月の鏡 ○●
(0点)怖ろしきまり子の母性赤き月 ○●
(0点)丸ついてもう話すことは無い ○●
(-1点)密会の駅や秋刀魚の血したたる ●
(-1点)前奏曲全二十四曲にて終演 ●
(-1点)残酷な心におうて認めたり ●
(-1点)ジョイントを丸めて渡せブリンブリン ●
(-1点)神の肉球くすぐる ●
(-1点)冬の花火をロープウェイが斜めに過る僕のベランダ ●
(-2点)雪崩弾丸(なだれだま)かよ ●●


※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。

作者発表

【青山茂根】
都掘れば死者
川に沿ふ街のあかるさ
介錯をたとへば紅葉散るごとく
時雨ほど死装束は染めやすき
地を舐めて丸太


【丑丸敬史】
神の肉球くすぐる
水瓜のなかも祭り囃子
のねずみをとこよの王となす五月
はなうぐひとほくおよげる母ならん
ひじゆらかな猿丸舞ひをまふところ


【興梠隆】
似非レンズの眼鏡の試着繰り返し十一月の鏡
冬の花火をロープウェイが斜めに過る僕のベランダ
同じ日の同じ落葉を踏みたくて
前奏曲全二十四曲にて終演
雪崩弾丸(なだれだま)かよ


【篠原識別子】
水たまりに立ちつくす鷺宮の異教徒
二度と戻らぬ鳩と知っている
天高し兵器をつくる大人にも
絶望の淵の一葉を拾ふ子よ
軒先のいづれも丸し冬の蜂


【柴田千晶】
カウンターに多産の女
死にたい男ばかり深夜のバー
密会の駅や秋刀魚の血したたる
怖ろしきまり子の母性赤き月
丸呑みにされたし冬のラフレシア


【渋谷知宏】
空に触れたい子を肩車する
青臭いバッタが跳んだ
にょろにょろと出てきた蛇を拝みけり
秋空に下ネタ話すとび職人
秋刀魚の目の丸さ瞬きもせず


【白川玄齋】
この本をインテリアにしたくない
岡目八目と言う君の頬に米粒
待ちわびる落葉の候帰宅の日
短檠の外は雨音菊花咲く
この丸薬で治るよと五人目のコメント


【天坂寝覚】
何羽も鴉来て橋を急ぎ過ぎる
冬になるあらしが来る窓をみんな閉める
二番目のひとにも慣れる居待月
約束を思い出せないまま小春
丸ついてもう話すことは無い


【中筋祖啓】
やっちまったなあパソコン
子連れママチャリの号泣
これこそがお母さんの買わぬ味
残酷な心におうて認めたり
知りません目がまん丸に星になる


【覇王粟野】
蒼天の容赦ない高さ
Magical Tripper Ferris wheel is the vivid
薄給の軽石みたいなパンを買う
手に夕焼け三万三千朝鮮人
ジョイントを丸めて渡せブリンブリン


【馬場古戸暢】
ふるさとのぬるま湯につかる
飲みすぎた夜が壊れ始めた
かさこそやゴキブリ一匹いや二匹
そこここの軒下のそと秋時雨
丸々としていつかの子猫


【藤井雪兎】
箸の間蠅のすり抜ける
カレーのにおい漂う九回裏
花束が落ちるまでにはケリがつく
三つ編みにメガネとおでこ名は不二子
この弾丸避ければ和尚に当たるだろう


【本間鴨芹】
西風つづく校舎前の日章旗
枯葉頭に乗せて徐行してください
とろろ汁程良く冷めた腐れ縁
暇そうに腕組む店主秋の蠅
正露丸一粒国後島を望む


【松田畦道】
レンタカーにぐずる子ら乗せていく
金に狡い叔母は薔薇作りの名人だった
立冬を二つの顔で生きている
うそ寒の舌のかたちへ粉薬
弾丸とだけ書いておく年用意


【矢野錆助】
月も歪んだ糞な夜
小雨の寒い
冷え床の僅かに白く午前二時
晩秋の雨を恨んで野良の鳴く
手足丸めて甲虫も死んどる


以上全15人。

※五十音順。句の並びは、自由律二句、定型二句、題詠一句の順。

111 件のコメント:

  1. 以下、選評。

    ◎……特選
    ○……並選
    ●……逆選
    △……コメントのみ

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  2. 箸の間蠅のすり抜ける(6点)

    ◎「『蠅とんでくるや箪笥の角よけて』(京極杞陽)という句がありますが、こっちの蠅の方がすごいですね。まさにスーパーフライ」
    ○「こういう景に巡り合ったことがない。箸でうまいことつかめば、少しかっこいい」
    ○「達人のようにいかない自分に苛立つ、そんな心情がうかがえそうです」
    ○「俳句における諧謔性」
    ○「まだ未熟なんでしょう」
    △「悪くは無いが、物足りない」

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    1. 作者の藤井です。
      これは宴会での風景をそのまま句にしました。
      ベストキッドのミヤギさんの真似をしていたわけではなく、普通に食事していたのですが、何故かスッと通っちゃったんですよね。
      かなり蠅にナメられているという事でしょうか…

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  3. 都掘れば死者(5点)

    ◎「このバカバカしさ! そして怖さ」
    ○「普段考えもしないことですが、言われてみればなるほどと。頭の中が地下へ地下へと深くもぐっていきます」
    ○「長い動乱の世を潜って来た都なれば、桜の根本にも川の底にも死者が隠れている」
    ○「人の多い場所は、それだけ死者の数も多い場所」
    △「人が死んでいない土地はないという。この都とはどこだったか」

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  4. 軒先のいづれも丸し冬の蜂(4点)

    ◎「蜂の生態はよくわからないが、冬に向けて栄養をたくわえるのだろうか」
    ◎「傑作だと思います。リアルな生命が描かれています」

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  5. 天高し兵器をつくる大人にも(3点)

    ◎「『にも』という表現が意味するものは、何か。この季語に対する取り合わせとしての斬新さは、一方で作為的でもあるという印象を生んでしまうのだが、この場合は、『にも』の働きで、そこに無垢なるものの視点が加わる。大人に対する、子供の視点。ただ空の青さを指差す子供を言外に匂わせて、無常感やせつなさが読み手の中に自然に沸き起こる」
    ○「反戦句かと思いますが、子供の頃の夢を忘れた大人の哀しさを感じました」
    △「我々も兵器をつくる大人側にいる気がする」
    △「悪くないと思いますが、何か浅い」
    △「兵器製造に携わることになった経緯を知りたいですね、個人的に。何がそうさせたのか」

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  6. 金に狡い叔母は薔薇作りの名人だった(3点)

    ○「リアルな設定。どんな人にも取りえはあるし、別の視点から見れば、いい人だったかもしれない」
    ○「句の並びが良いなと思います。もしこの句が『薔薇作りの名人は金に狡い叔母だった』では最悪な句になっていたように思います」
    ○「小説の出だしの文章のよう。物語がある」
    △「親類について記述した文章。えてして性質と職業は関係ない」
    △「作りモノめいてて苦手」

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    1. 作者、畦道です。
      どんな嫌な奴の庭にも、花は咲くんだよなあ……と、よく思います。
      当たり前のことですが。
      文章のよう、というご意見は「俳句ではない」という批判と隣り合わせです。そこを肝に銘じた上で、こういう物語性を含んだ作に、今後も挑んでいきたいと思っています。

      >作りモノめいてて苦手

      どこからどこまでが真実か、ということは作の価値を決定する要素ではないと私は考えますが、苦手、という評価が全てであると受け止めます。

      ご批評ありがとうございました。

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    2. この句、申し訳無いのですが私は取りませんでした。
      何故なら、物語は伝わって来るのですが、あまりにも句の舞台をお膳立てし過ぎているような気がしたのです。
      もちろん、ただごと俳句よりは良い句ですが、この手法はわざとらしさを感じさせずいかに自然に見せるかという所が大事だと思います。

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    3. >雪兎様

      ご意見ありがとうございます。
      本句の場合は少々、物語性、という方向に傾きすぎでした。並選にとって頂いた方に「小説の出だしのよう」とのご意見がありましたが、それはお膳立てのしすぎということと意味は同じですね。
      より自然に、生々しく、さらに言えば少々ブサイクなくらいの方が、こういう句は面白くなるのかもしれません。

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    4. 僕はこの句の物語性が良かったです。
      実景の句ではないと思うのですが、ありそうな設定が良かった。

      実際、お金に狡いおばさんに接したことも仕事柄ありまして、関係の無いところでは意外と良い人だなんてこともありました。

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    5. >渋谷様

      ありがとうございます。
      物語と共感性をどのように結びつけるかが、こういう句の課題だと思いました。
      掴みかけては離れていく、自分の持ち味のようなものでしょうか。
      今後もいろいろと試していきたいです。

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  7. 薄給の軽石みたいなパンを買う(3点)

    ◎「なんか分かるこの不満。軽石のようなパンとは秀逸な表現。状況によっては、好きなパンというより、値段で選ぶこともある」
    ○「侘びしい感じが出ている」
    △「『ああ無情』のような、ヨーロッパの香り漂う貧乏」
    △「日本で軽石のようなパンと言えばなんだろうか」
    △「薄味」

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  8. 秋刀魚の目の丸さ瞬きもせず(3点)

    ◎「一般的に魚類は瞼が無いため瞬きをしないらしい。この句の秋刀魚はおそらく塩焼きか何かにされて食卓に並んでいるのだから、瞬きをしたらしたで大変なことなのだが、あのカッと見開かれた不自然な程に丸い目を覗き込んでいると、異種に対する恐れのようなものが湧き起こって来る」
    ○「瞬きなどするはずもないのだが、それを納得させてしまう説得力ある表現」
    △「瞬きもせずはあまりに蛇足な気がする」
    △「“瞬きもせず”の蛇足感」

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    1. どうも作者の渋谷です。

      簡単な自解を。
      この句の秋刀魚は、スーパーの鮮魚コーナーで売られている秋刀魚でした。
      少しドリップしていて、4.5匹は並んでたでしょうか。
      どれも目が丸かった。
      ただそれだけです。

      蛇足という評が二票。
      ありがとうございます。
      これは、余分であるとのことでしょう。
      しかし、ではどうこの感興を表現したら良いのか、悩みます。

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    2. >渋谷さん

      この句を特選で取らせていただきました。
      いや、全然蛇足じゃないでしょう。
      むしろ「瞬きもせず」がこの句の核だと思います。

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    3. 雪兎さん

      どうもありがとうございます。
      秋刀魚の目が丸い事実、
      瞬きもしないって当たり前。
      そこを「瞬きもせず」と言い切ったとこを読んでいただけたかと思い、嬉しかったです。

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    4. どうもです。私は蛇足だと感じました。
      並ぶ秋刀魚の丸い目玉にだけ焦点を絞った方がイイ気がします。

      個人的な好みの問題かもしれませんが、私は句の贅肉は削ぎたいと思う方なので素直に

      「店先の秋刀魚のどの目も真ん丸」

      とか

      「秋刀魚並んで丸い目ん玉」

      みたくな形の方が良いかと思いました。

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    5. >錆助さん

      いや、それじゃこの句の贅肉を削ぎ落とすどころか骨も断ってしまってますよ。
      「瞬きもせず」と明記されてなければ、「秋刀魚が瞬きしない」という内容で読む人はあまりいないと思いますよ。
      それに私は秋刀魚の目が丸いという内容だけでは句として普通なので取りませんね。

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    6. >錆助さん

      どうもありがとうございます。
      コメント欄の句は、錆助さんらしい句ですね。

      蛇足かどうかは、両方の句を見ても分からないです。
      ただ、句意は変わりますよね。
      僕が得た感興とは違うものだから、一概にどちらがと比べられないですね。

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    7. 渋谷さん、雪兎さん、どもどもです。

      私が選句の時にこの句を見て感じたのは「瞬きもせず」の部分が短歌の下句の様にみえました。そのため俳句としては、どうにも饒舌過ぎる様に感じ、コメントに「蛇足感」と書いたワケです。

      他の方の評を見ても、「瞬きもせず」を良しとするか否かで評価が分かれる様で、その選者の俳句観が出ています。面白いですね。

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    8. >錆助さん

      >「瞬きもせず」の部分が短歌の下句の様にみえました。

      なるほど、そういうことですか。ようやく合点がいきました。
      錆助さんの句は「一瞬」に賭けるところがあるので、逆に「広がり」を重視する私とは句の受け取り方や好みも違って来るのでしょうね。

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    9. >錆助さん

      短歌の下の句。
      饒舌過ぎる。
      結構、この評価好きですね!
      「瞬きもせず」が七文字ってのもあるかもしれませんが、そこまで感じさせたのですから、個人的には満足しています。

      「蛇足感」は俳句感の違い。
      賛成です。

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  9. ふるさとのぬるま湯につかる(3点)

    ◎「ふるさととは正しくこのようなもの。この句を読んで故郷に帰りたくなった」
    ○「たまにはこのような日も必要と思う。ふるさとはぬるま湯でいい」
    △「悪くないと思います。でも類句はきっと多いです」
    △「かなり居心地が良いふるさとなのでしょうね。でも『ぬるま湯』と表現するとあまりいいイメージがしないのは何故でしょう?」

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  10. 同じ日の同じ落葉を踏みたくて(2点)

    ◎「二度と戻らない時を惜しむ気持ちを平易な表現で的確に表現」
    △「詠み手が感傷に浸っているのはわかるが、何を伝えたいのかよくわからない」
    △「個人的に苦手なカンジのロマンチックさがある」

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  11. これこそがお母さんの買わぬ味(2点)

    ◎「母親が自前で用意できる味、そんな風に思いました」
    △「とりたてるような内容を含んではいない。韻に救われている」
    △「買わんのかい!笑ったがそれだけ」
    △「そんなにひどい味なのでしょうか」

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  12. この丸薬で治るよと五人目のコメント(2点)

    ○「『丸薬』はちょっと無理筋かなと思いましたが、『五人目のコメント』と続くと胡散臭さや無責任さが強まっていいですね」
    ○「薬の効果にも個人差があり、他人には効いても自分には効かない場合がある。そのため一人二人の声では説得力に欠けるけれども、五人目ともなると信用して良いような気もする。もっとも、そのコメントが書かれている場の自由度にもよるが」
    △「インターネット上に書かれた、消費者のコメントだろう。この丸薬で治るよという表現に何か違和感を覚えた。詠み手が句になるように、コメントに手を加えている感じがしたのだ」
    △「う~ん……定型で“俳”が生まれるものでも、自由律にしたら、とんでも無い駄句にしかならないってのは無数にある」

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  13. 川に沿ふ街のあかるさ(2点)

    ○「夜の景だろう。川面にも街があかるく在る様が浮かぶ」
    ○「単なる空間的な明るさだけでなく、そこに生活する人々の心理的な描写もされている」
    △「良い句だと思います。惜しくも選外にしました」

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  14. カウンターに多産の女(2点)

    ◎「言われてみれば、人生で何回か、そういう母に出会ったことがある。横綱のように、心技体が全てマッチョに鍛えられていた。万能かつ不死身の女性・・・・、というイメージで、尊敬の対象に」
    △「個人的には好きだが、そのまますぎるためとらない」
    △「何か足りない感」

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  15. 介錯をたとへば紅葉散るごとく(2点)

    ◎「吉村寅次郎の『吉野山風乱るるもみじ葉は我が打つ太刀の血煙りと見よ』という辞世の句を思い出した」
    ○「『介錯』とあっての『紅葉散る』なので、そこから血飛沫を連想しましたがちょっと安直な気もしました。御存知物の時代劇のようで好きは好きですが」
    ●「やや発想が安直に思いました。類句も多そうです」
    △「一読してきょとんとした。何を言っているのかわからなかった」
    △「ド直喩」

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  16. 死にたい男ばかり深夜のバー(2点)

    ○「新宿ゴールデン街あたりのしけた飲み屋で、イイ年をぶら下げた野郎どもが口々に『死にてえなァ』などとくだを巻く。でも、夜が明けても誰ひとり死ぬことなく、ちゃんと生きている。そして次の夜も同じ店で『死にてえなァ』とぼやくのである」
    ○「現代風景を、自由律で描きたい」
    △「もはや営業妨害では」
    △「行きたくないバーだなぁ……」

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  17. 枯葉頭に乗せて徐行してください(2点)

    ◎「多分、路上警備員あたりを詠んだ句だと思いますが、頭に葉っぱが乗っている絵面から狸か狐が変じている可能性を考えてしまいました。流石にそれは考え過ぎだと思いますが、描かれた景色といい響きといい実にのどかな秋だなと思います」
    △「何がしたいのか。何を伝えたいのか」
    △「クスリときますね」

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  18. 飲みすぎた夜が壊れ始めた(2点)

    ◎「壊れたのは自分の身体か人間関係か。酒の怖さを感じます。完了形ではなく『壊れ始めた』としているところが良いです」
    △「顕信風味です」
    △「夜が壊れる感覚は私も何度か味わいました」

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  19. 空に触れたい子を肩車する(1点)

    ○「微笑ましい。空に触れたい子肩車する、のように『を』を除く方が個人的には好き」
    △「微笑ましい親子の姿を過不足なく描いた、姿のよい句」
    △「景を想像できるが、実際に空に触れたいと思う子がいるのか疑問に感じたためとらなかった」
    △「類句の山。俺も作った経験あり」

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    1. 作者の渋谷です。

      どうもありがとうございます。
      「空に触れたい子肩車する」
      良いですね!

      実際に触れたい子が居るか疑問との事。
      確かにそう思われるかも知れません。
      実際には空に触れたそうに見えた、と言うのが正しいです。
      そう思ったのは僕です!

      類句の山。
      まあ人間ですので
      同じ感性だと言う事で、お許し下さい(笑)

      削除
    2. 類句は難しい問題ですね。
      いっそ人間をやめればいいのかな?(笑)

      削除
    3. どうもです。類句の山のコメントは私です。
      コメントに書いてる通り、実際に私も似た様な句を作った経験がありますから。

      別に類句類想が悪いとは思いませんが、どうしても衝撃度は少なくなり、感動も薄くなってしまうのではないかと思いました。

      結局、悪い句ではないですけど、特選・並選にとる程では……といったカンジでしょうか。

      削除
    4. まあみんな同じ人間ですから、おおよそやってることは同じだったりするわけで…
      後は自分の感覚次第でしょうか。

      削除
    5. 錆助さん、雪兎さん

      ま、それほど大した句ではないとの事(笑)
      もっと違う目を持たないといけないですね。
      とはいえ、これからも僕は類句を積み重ねて行くことでしょう(笑)

      削除
    6. 渋谷さん

      俺も類句の山ですw
      「だって人間だもの さびを」

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    7. >渋谷さん

      私も「類句も積もれば名句となる」の心構えで頑張ろうと思います(笑)

      >錆助さん

      「さびを」、いい名前だなあ。わび・さびにもつながるし(笑)

      削除
  20. レンタカーにぐずる子ら乗せていく(1点)

    ○「ショッピングモールの駐車場などでよく見かける光景ですね」
    △「家族サービスの一コマだろうか。親は大変である」
    △「悪くはないかもしれないけど薄味です」

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  21. 冷え床の僅かに白く午前二時(1点)

    ○「午前二時の床って、たしかに、なんだか不思議な魅力がある。ホラー、ミステリーとしての存在感に満ちている様子。第六感がさえる。この時間帯なら、宇宙人にも会えそうだ」
    △「冷え床が白いとはどういうことか、よくわからなかった」
    △「午前二時五十分だったらとっていたかも」

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  22. 丸々としていつかの子猫(1点)

    ○「初対面ではないその子猫は以前は痩せていたのでしょうか。作者の優しい目が感じられます」
    △「最近、猫を飼い始めたので猫の句は選びたくなってしまうのだが、点を差し上げるには至らず残念。うちの猫も生後四ヶ月で早くも丸々している」
    △「私にはピンと来ませんでした」
    △「可愛がってもらえているようで何よりですね」

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  23. 暇そうに腕組む店主秋の蠅(1点)

    ○「秋はこういう季節です。しみじみそう思いました」
    △「秋の蠅のとってつけた感がいい。しかしとってつけた感があるため、とらない」

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  24. 二番目のひとにも慣れる居待月(1点)

    ○「去年の名月の頃は、一番目の人と過ごしていた? そして今年の居待月は、二番目の人と……。そこにどんなドラマがあったのか、興味をそそる。そう言っている自分は相手にとって何番目の人なのだろう……などとも考えた」
    △「景を説明するには、言葉が足らないか」
    △「好き句です。散々悩んで選外に」
    △「いろいろあっても人生は何とかなると思わせてくれる句です」

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  25. 地を舐めて丸太(1点)

    ○「倒木を描いた句としても優れた出来だし、人間を象徴的に描いた句としても優れたものだと思う」
    △「地面フェチで地面を舐めていると、視界に丸太が入ってきたということか。塩の味がしそうである」

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  26. 月も歪んだ糞な夜(1点)

    ○「糞以外の言葉を選ぶと心に落ちやすいと思うが、共感した」
    △「日常生活で『糞』という単語を使わないため、違和感を覚える」
    △「『糞』としか言いようの無い夜もクソありますね」

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  27. はなうぐひとほくおよげる母ならん(1点)

    ○「母への美しき思慕の句」
    △「景が浮かばない」
    △「定型+文語の凄味がありますね」

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  28. 花束が落ちるまでにはケリがつく(1点)

    ○「映像が印象的。ブライアン・デ・パルマや『マトリックス』のワンシーンみたい」
    △「決闘のシーンだろうか」
    △「ブーケトスについて説明した一文」
    △「“ケリがつく”はイイフレーズを見つけましたね」

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    1. 作者の藤井です。

      元々自由律をやる前はこんな句ばかり書いてました。
      これは決闘のシーンですね。
      もちろん実景というわけではありませんが、映画か何かで見た景が頭の片隅に残っていたんでしょう。
      とにかくカッコつけたかったんです。気分的に。

      削除
    2. 決闘だったんですね。

      てっきりプロポーズかと思いました。

      現在、恋愛に関する句は皆無な生活を送っているので、
      みんなに、恋愛句を委任して任せたいという願望から、そっちに解釈してしまったようです。

      削除
    3. >祖啓さん

      恋愛句ではないですね。今は恋愛してませんし(笑)
      ですがその解釈もカッコいいです。
      恋愛句は書いている時は楽しいのですが、
      全てが終わった後で読み返すと死にたくなりますね。
      いろいろ思い出しちゃって。

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  29. 約束を思い出せないまま小春(1点)

    ○「暖かな冬の日に忘れ去ってしまった約束とは、どんなものだったのだろう。『もしきみが死んだら、すぐに後を追うからね』そんな約束をすっかり忘れてぼんやりと生きている、そんな人物を思い浮かべてみた」
    △「相当な期間思い出せないでいるのか。約束相手あるいは誰かに早急に相談すべきである」
    △「悪くないです」

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  30. にょろにょろと出てきた蛇を拝みけり(1点)

    ○「にょうろにょろはどうかな? 出てきた蛇を拝むは面白い」
    △「蛇信仰は、最近の若い世代にもあるのだろうか」
    △「“にょろにょろ”イイですね。でも“拝みけり”はどうかなぁ……」

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    1. どうも作者の渋谷です。

      これ、個人的には好き句でして、残念でした(笑)
      蛇は、関西では巳さんと呼ばれて親しまれてると、僕は思ってます。

      僕自身たまに山に行くので、蛇も見ます。
      拝んだら面白いなと思ったので、こう詠んだ訳です。

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  31. 手足丸めて甲虫も死んどる(1点)

    ○「『も』とあるので作者には特別な感情があったのだろう。しかし伝わってこない」
    △「甲虫の死骸は、なかなかにせつない。『も』とあるが、後はなんだろう」
    △「甲虫という言わば子供達のヒーローが死んでいる姿は本当に切ない」

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  32. 立冬を二つの顔で生きている(1点)

    ○「『二つの顔』はいろいろ想像できますが、立冬ですしクリスマスも近いので不倫の句と読みました。『生きている』とあるので楽しいことばかりではなさそうです」
    △「どんな顔して生きているのか」
    △「何か読みにくい」

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  33. この弾丸避ければ和尚に当たるだろう(1点)

    ◎「いざとなれば和尚の弾避けにならざるを得ない、下っ端の哀しさ。敵の放った弾がまさに自分へ当たる瞬間を詠んでいる。映画『マトリックス』の一シーンのようだ。格好いいような、バカバカしいような、なんとも言えぬ味わい。舌頭千転、読めば読むほど、特選以外考えられなくなった」
    ●「和尚がピンとこない。面白くしてやろうという気持ちが見えてしまう」
    △「景を想像できない。いや、想像はできるが、想像できない。この作者は、結局は避けた気がする」
    △「笑った!!」

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    1. 作者の藤井です。

      >格好いいような、バカバカしいような、なんとも言えぬ味わい

      ありがとうございます。このなんとも言えぬ味わいを追求して行く所存であります。

      >面白くしてやろうという気持ちが見えてしまう

      最初は「和尚」が「親父」だったのですが、それだと面白くないので「和尚」に落ち着きました。なのでこの評は当たっております(笑)

      >この作者は、結局は避けた気がする

      私もそう思います。

      >笑った!!

      なら点をくれ!(笑)

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  34. 三つ編みにメガネとおでこ名は不二子(1点)

    ○「これは良い。ぜひ、漫☆画太郎に描いてもらいたい」
    △「韻律に頼った文章」
    △「定型って気持ちイイですね」

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    1. 作者の藤井です。

      >これは良い。ぜひ、漫☆画太郎に描いてもらいたい

      「ガビーン」とか言ってそうですね(笑)
      で、鼻水垂らして。
      でもあの人ホントは結構かわいい女の子描けるんですよ。

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  35. うそ寒の舌のかたちへ粉薬(1点)

    ○「『うそ』と『舌』の結びつき(閻魔さまの話ではなく)と『舌のかたち』という俳句ではあまり類例のない言葉の斡旋からちょっと妖しい連想へ」
    △「先に水を入れてから粉薬を落とすと、苦くなくてよいです」
    △「“舌のかたちへ”に何か引っ掛かり」

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  36. 子連れママチャリの号泣(1点)

    ○「この句で号泣しているのが子供の方だとするとつまらないが、母親の方だとすると途端に身につまされる。育児の大変さを伝え聞かされているので、こういう事もあるだろう。私の母もあまりの大変さに号泣した事があったかもしれない」
    △「悪くはないがややわかりにくいか」
    △「あまり面白くなかったですね」

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  37. 正露丸一粒国後島を望む(1点)

    ○「個人的には好きだが、どうか。ちなみに我が家は正露丸には反対的だった」
    △「何かバカっぽくて好き句」

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  38. 水瓜のなかも祭り囃子(1点)

    ○「水瓜と祭りは付きすぎでは? 何かの中の祭り囃子はいい」
    △「どのような状況になっていたのだろうか。種盛りだくさんとか」
    △「好き句でしたが、残念ながら今回は選外」

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  39. 弾丸とだけ書いておく年用意(0点)

    ○「『弾丸』とだけ書いておくのだから、それを発射する銃は既に持っていると考えられる。年末年始も関係無く働く猟師か、はたまた殺し屋か。いずれにせよ、現実感があるようで無いような句だが、こちらからは、他人の年末年始の過ごし方は大抵そのように見えたりする」
    ●「これだけ、作者の意図が分からなかった。弾丸が何のことか分からない?専門用語か???」
    △「何を狙って書いておくのだろうか」
    △「あまり面白くなかった」

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  40. Magical Tripper Ferris wheel is the vivid(0点)

    ○「『the vivid』と冠詞が付いてるあたりがポイントのような気がします」
    ●「英語はからっきしなので、本句をそのままエキサイト翻訳にかけてみた。『魔法の旅行者大観覧車は鮮明です。』と出た。この方が面白いではないか。なので本句は英語である必然性に乏しいと判断した。エキサイトに負けてどうする。『薬漬けの空を切りとる観覧車』とでも」
    △「固有名詞がわからない。訳を希望します」
    △「何で英語で書いたの?」

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  41. 似非レンズの眼鏡の試着繰り返し十一月の鏡(0点)

    ○「この場合は長律が効果的」
    ●「長律なのは良いのだが、オチが『十一月の鏡』では弱いのではないか。せっかくの長律なのだから、何かこう意外性のある結末を迎えて欲しかった」
    △「眼鏡は試着するものだったか。いままで意識していなかった」
    △「面白い句なんですけどね」

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  42. 怖ろしきまり子の母性赤き月(0点)

    ○「ホラーチック。恐ろしき母性を持つまり子さんって誰だろうか?今後も句に出てくることを期待します。女性の月の穢の事かとも思う」
    ●「悪い句という訳ではない。ただ恐ろしき母性とはなんぞ?」
    △「我が子のためなら人も殺めかねない女、まり子が不吉な月に照らされる。本句会の怖い俳句部門一位」
    △「『恐ろしき』はちょうど五音ということもあり、とりあえずいれてみればそれらしくなる気がする単語だと思いました」
    △「“赤き月”では、わかり易過ぎ」

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  43. 丸ついてもう話すことは無い(0点)

    ○「何らかの案が浮かび、決断をくだしたに違いあるまい。この瞬間は、良い。きっと、筆の乗りがよさそう」
    ●「コレ、やっつけ仕事でしょ?かなり頑張って捻り出したのなら、題詠のセンスが無さ過ぎだと思います」
    △「丸ついてがわからなかった」

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  44. 密会の駅や秋刀魚の血したたる(-1点)

    ●「こんな密会は嫌だ!ですね(笑)」
    △「密会の駅のどこでなにをしているのか、実景が見えてこない」
    △「良い句だと思う。ほのかにエロス」

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  45. 前奏曲全二十四曲にて終演(-1点)

    ●「ツッコミ待ちってやつなんでしょうかこれは」
    △「音楽会にいった感想文だろうか。前奏曲全二十四曲が、音楽に疎い私には、何なのか不明であった」
    △「定型のマジックだよなぁ……」
    △「前奏だけで終わってしまいましたね」

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  46. 残酷な心におうて認めたり(-1点)

    ●「読者不在」
    △「何か漠としててピンとこない」

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  47. ジョイントを丸めて渡せブリンブリン(-1点)

    ●「ネットで調べて、大麻を吸うラッパーのことかと結論づけたのですが、あってますか??」
    △「専門用語だろうか。意味がわからない」
    △「これならダンスホールレゲエ聞いてた方がイイよ~」

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  48. 神の肉球くすぐる(-1点)

    ●「それを神と呼ぶのかどうか」
    △「何がしたいのか。何を伝えたいのか」
    △「悪くないですが、“神の肉球”は正直、微妙な出来」

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  49. 冬の花火をロープウェイが斜めに過る僕のベランダ(-1点)

    ●「残念なことに、景が頭に描けない」
    △「ロープウェイ側に住んだことがないためか、想像できなかった」
    △「残念ながらピンと来なかったんで、長いという印象だけです」

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  50. 雪崩弾丸(なだれだま)かよ(-2点)

    ●「句意を読み取ることができませんでした。解れば面白そうだとは思うのですが」
    ●「雪崩弾丸がわからなかった。そしてルビを使うには安易であると思う。ルビに対する皆様の意見が聞きたい」
    △「何を読み手へ伝えたいのか」
    △「造語ですか。残念ながらピンと来ませんでした」

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  51. 何羽も鴉来て橋を急ぎ過ぎる(無点)

    △「こういう景とあうと、自然災害が起こるのではないかと不安になる」
    △「良い句だと思うが“急ぎ”と“過ぎる”の連なりが音と数の押韻的に失敗している」

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  52. とろろ汁程良く冷めた腐れ縁(無点)

    △「とろろ汁を食さないためか、感覚を共有できない。食べたい」
    △「とろろ汁じゃなくても良くね?」
    △「長年連れ添った老夫婦といった趣が良い」

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  53. 蒼天の容赦ない高さ(無点)

    △「単に『天高く』の一言で終わる内容」
    △「良い句だと思います。個人的には惜しくも選外となってしまった不幸句です」

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  54. かさこそやゴキブリ一匹いや二匹(無点)

    △「この句の切れ字は必要なの?」
    △「そして三匹、四匹…」

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  55. ひじゆらかな猿丸舞ひをまふところ(無点)

    △「『ひじ・・・』がよくわからなかった。ご教示願います」
    △「良い句だと思う」

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  56. 水たまりに立ちつくす鷺宮の異教徒(無点)

    △「鷺宮の異教徒の姿が浮かんでこなかった。異教徒とは幅が広すぎるか」
    △「う~ん……。頭の部分で止まってしまい、胸にまで落ちてこない」

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  57. 青臭いバッタが跳んだ(無点)

    △「まさか嗅いだのだろうか」
    △「好きな句。最後まで悩んで選外に」

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    1. どうも渋谷です。

      この句もお気に入り(笑)
      なぜ臭いのか?
      草叢なんで…
      草の匂いです。

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  58. この本をインテリアにしたくない(無点)

    △「家族へ向かって言った方がいいかと」
    △「口語である事が句に緩さを生んでいる」

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  59. 晩秋の雨を恨んで野良の鳴く(無点)

    △「猫は恨むときくが、果たして雨が恨む対象にはいるのか」
    △「誰か拾ってあげてください」

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  60. 冬になるあらしが来る窓をみんな閉める(無点)

    △「寒風の勢いはすさまじい。そういえば私の地元では、あらしという単語をきいたことがない」
    △「悪くは無いけど、何か冗長なカンジがする」

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  61. のねずみをとこよの王となす五月(無点)

    △「作者は、のねずみを飼っているのだろうか」
    △「好みの句ですが“五月”に引っ掛かりました」

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  62. カレーのにおい漂う九回裏(無点)

    △「テレビで中継をみていると、ちょうど夕飯の準備ができたのだろう。野球場での景としても、面白い」
    △「映画『三丁目の夕日』だ」

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  63. 丸呑みにされたし冬のラフレシア(無点)

    △「ラフレシアを丸呑みにするのは一体何か。植物に疎いため、よくわからなかった」
    △「悩んだすえ選外にした好き句」

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  64. やっちまったなあパソコン(無点)

    △「読者不在」
    △「笑えたけどね。それだけ」
    △「私のパソコンも多くの失敗で満ち溢れています」

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    1. この場合やっちまったのはパソコンを操作している人間ですけどね(笑)
      笑えたことは笑えました。

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    2. 祖啓!
      全然反省してないやん。

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    3. 失礼致しました・・・。

      色々と、やり直してみます。

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    4. 再再考です。

      ・ネット上 迷宮に、入り浸る

      こんな感じかなあ?

      「やっちまったなあパソコン」がボケ目線だとすると、
      再考のほうは、ツッコミ目線ですね。

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    5. 単純に逃げただけちゃう?
      よく分からんわ…
      もっと攻めな。
      ただし、シチュー以外で(笑)
      頑張れ〜。

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  65. そこここの軒下のそと秋時雨(無点)

    △「コロコロ舌の上を転がる韻律の気持ち良さはありますね」
    △「『そこここ』の音が気持ち良いです」

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  66. 岡目八目と言う君の頬に米粒(無点)

    △「できすぎている景に思う。当然君の頬の米粒は、舌でなめとったことだろう」
    △「ちょっと笑った。微笑ましい」

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  67. 西風つづく校舎前の日章旗(無点)

    △「個人的には好きです」
    △「悪くないです」

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  68. 絶望の淵の一葉を拾ふ子よ(無点)

    △「絶望の淵というラベルを、当事者不在のまま、詠み手が一方的に貼っている感じがする」
    △「好き句でしたが、泣く泣く選外」

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  69. 待ちわびる落葉の候帰宅の日(無点)

    △「単身赴任先から戻る日だろうか。楽しい帰宅である」
    △「単身赴任中かな?」

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  70. 知りません目がまん丸に星になる(無点)

    △「誰の目が」
    △「マンガですよね」

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  71. 小雨の寒い(無点)

    △「確かに」
    △「もうちょっと何か加えてくれませんか。待ってますのでお願いします」

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  72. 時雨ほど死装束は染めやすき(無点)

    △「死装束を染める?には、時雨の時がいいということか」
    △「山頭火の『うしろすがたの~』と比べてしまった」

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  73. 秋空に下ネタ話すとび職人(無点)

    △「声が響きそうである」
    △「好き句です。自分の周辺に転がりまくっている風景です」
    △「このリアリティがどこか清々しい句です」

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  74. 二度と戻らぬ鳩と知っている(無点)

    △「鳩も場所を移動するのか。作者は、どうして知っているのだろうか」
    △「悪くないですね。でも、ちょっと笑ってしまいました」

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  75. 手に夕焼け三万三千朝鮮人(無点)

    △「二物がうまいこと合っていない感じが」
    △「何で“三万三千”??」

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  76. 短檠の外は雨音菊花咲く(無点)

    △「写実的。私は好きだが、はたしてとられるか」
    △「渋い!!カッコいいんですけどね……残念ながら今回は選外で」

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  77. 選評は以上です。
    コメント等ございましたらご自由にお書きください。
    参加者の皆様、誠にありがとうございました。

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