先日、「ア・ぽろん」のブログ上にて、一周年記念の投句集が掲載された(こちら)。以下では勝手ながら、六句を選んで鑑賞したい。
お題 『一』
花一つ心ほどけて咲く笑顔 37cafe @37asasan
一つだけ咲いた花を見ていると、つい笑顔がこぼれたということか。温かい句だが、少しわかりにくくあった。
窓外に満ちる春一つ珈琲に 林和音 @kazz_hayashi
春一つが何を意味するのかわからないが、いい句だと思う。仮に桜の花びらだとすれば、珈琲に浮かべる必然性はあるのだろうかという疑問は生じた。
お題 『集』
のどかさを持ち寄り午後の集会所 うぐいす @uguisu_asobo08
季節は春だろう。高齢者ばかりが集っているような気がするが、幸せなひとこまだ。
あの人来る部屋の句集隠した りんこ @linco95
共感できる。もとい、何度かやったことがある。自分が好きな文学作品や句集を見られるのは、結構恥ずかしいのである。
『雑詠』
主婦という名の宙ぶらりん 37cafe @37asasan
友人に、同じことを話すひとがいた。彼女は以前は自身の専門を武器にばりばり働いていたのだが、結婚とともに専業主婦となった。本人も納得したうえでの選択であって、不満があるわけでもないのだが、なんとなく宙ぶらりんなのだそうだ。
彗星の巡り来る頃二月尽 さくら @akebonosakura
そういえば二月に彗星がやってきたような気がする。ぎりぎり二月に間に合ったのは、何か彗星的な都合があったのだろうか。
末筆ながら、ア・ぽろんのますますのご発展をお祈りいたします。
古戸暢さん、記事のアップありがとうございます。
返信削除「主婦という名の宙ぶらりん」は思わず膝を打ちました。
主婦ではありませんけど(笑)
『窓外に満ちる春一つ珈琲に』
返信削除こちらを頂きます。花の形の角砂糖かな、と思いました。
窓の外からテーブルの上への視点の移動が自然で、よどみのない言葉運び。
私もこういう句を作りたいです。
もう一句、
『のどかさを持ち寄り午後の集会所』
こちらも良いと思いました。春の季語『のどか』を含む有季定型ですね。
題詠でこういう、肩の力の抜けた句がすっと出てくるのは素晴らしいと思います。
では、ア・ぽろんのますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
畦道拝
・のどかさを持ち寄り午後の集会場
返信削除この句いただきます。
私のイメージでもうしわけありませんが、アぽろんという所はこのような感じの所なんだなと、感じられる句で、一周年という記念の句としても暖かさを感じて良いと思いました。
・あの人来る部屋の句集隠した
こちらの句には、とても共感しました。
少しの恥ずかしさと、少しの可愛さがあります。
『彗星の巡り来る頃二月尽』
返信削除この句をいただきます。
卒業式の日「また近いうちに会おう」などと話し、そして全く問題なくそれが実現するだろうと思っていながら今まで会えずじまいになっている奴を思い出しました。あと数週間で別れの日を迎える頃、離れてもまたいつか巡り会うことを彗星に祈っていた人もいたかもしれません。
ところで、今年の2月頃話題になったパンスターズ彗星ですが、軌道の関係上再び見ることはできないらしいです。