2012年5月12日土曜日

どうもはじめまして。



大阪におります渋谷と申すものです。



この鉄塊ブログに何か記そうと思いまして、


ここに文を記したいと思います。


各メンバー自身の記事や、それぞれの交流も今後活発化できれば嬉しいと思います。


しかし何分、僕は文才は持ち合わせておりませんので、


書く記事が面白くも何とも無いかと思いますが、その辺はご容赦ください。



では今回は、『牛』 ということで書いていきます。


僕は、これまでの人生で、ほとんど牛を見るという機会がありませんでした。


映像や写真では何度でもありますが、生で牛を見る。


そのような機会は子供の頃に多少はあったものの、


今ではほとんど失せてます。


ただ、僕は十二支でいうと丑年の生まれでして、


そういう意味では牛を親しく思ってはいます。



そんな牛はウシ科の哺乳類。


新石器時代(紀元前8500年頃~)には西アジアで家畜化されたそうだ。


農耕の貴重な労働力、またはその肉、その乳、その革などが、


さまざまな形で僕らの役に立ってきている。


民俗的に見ても、この牛は古くから人類の伝説に登場してきている。


ギリシャのミノタウロスや中国は漢民族の祖である黄帝と戦った蚩尤(しゆう)など


牛頭の怪物がそれだ。


京都八坂の祇園神社の祭神も牛頭天王というし、


この牛という生き物は古くから神聖でもあり、そして身近な存在だったことが分かる。


ちなみに 蚩尤は黄帝と戦い破れ、捕らえられ、手枷足枷はめられて殺されたが、


その血がついた手枷足枷はのちに楓の木になり、


秋になればその葉が真っ赤に染まるのだという。





僕は自由律俳句結社『海紅』に所属しています。


中塚一碧楼を師系としているのですが、


そんな一碧楼の句にも牛の句が何句かあり、面白いんですよね。


主に労働力、食用などの牛の句なんですが以下に記します。



一碧楼 「牛」の句


1、小牛は何もなき冬田を眺めハタと走り止めたる

2、牛を屠る朝々の庭の露見たり

3、桔梗咲けば牛のからだに触るる

4、柘榴酸っぱく私の前の牛が動く

5、露の朝の牛の頭を見い老爺も見い

6、となりの男牛となりの青柿の渋柿

7、牛の角がぐつと曲がつていて麦が熟れ過ぎた

8、牛の大きく牛小屋の春の山べ

9、櫻の幹太く牛の角の曲がり

10、牛や牧者や生き汚れ残雪

11、草青々牛は去り

12、牛は足が四本で野菊の花咲いた

13、牛を追ひ冬の日に林に入り

14、青い木が木が立つて牛が腹がだぶんだぶん

15、牛は軽いたばこ葉の荷車をひき夕陽遠く落ちる


僕自身好きな句は、1、7、11、14、15の句。


1から順番に年代の古い順となります。


というわけで僕にも、過去に牛を詠んだ句があります。


牛はみな同じ顔に見えトラックの向こう西日  渋谷


車で信号待ちしたところ、牛を乗せた車が前に居た。


横だったっけかな!?


でもただそれだけの句。


しかし、牛を詠むって難しい。


牛肉の句なら色々考えられるかも...




ではまた。


今後ともよろしくお願いします。




7 件のコメント:

  1. 渋谷さん今晩は。藤井です。
    確かに牛を詠むのは難しいですね。
    私は詠んだ事がありません。
    生きている牛とのふれあいがほとんどありませんので…
    最後に牛を見た日すら思い出せません(´・ω・`)

    14番の句いいですね。臨場感たっぷりです。

    返信削除
    返信
    1. 雪兎さん
      おはようございます。

      牛ってもう無いですよね。
      住んでいる地域や、働いている業種によってはまだ詠めるとは思いますが、難しいですよね。
      僕らは、今の住んでいる環境や、その時の状況に即して作句すれば良いのでしょうけど、失われていくものもあるのだなと思います。
      今後は、やっぱり牛肉ですね^^;
       ・ニンニクと肉の匂いまき散らし帰りの電車
       ・隣の席が空いている
      考えてみました。
      しかし、我ながらもうちょっと明るく詠めないものか...

      14の句は仰るとおり臨場感が抜群ですね。
      木と牛の生命力を感じるので、僕も気に入ってます。

      削除
  2. 1番と7番の句がすこぶる良いですね~。
    そういえば、碧梧桐にも「曳かれる牛が辻でずつと見廻した秋空だ」みたいな名句がありましたね。

    牛って、実に味がある存在ですね。

    返信削除
    返信
    1. 風狂子さん
      おはようございます。

      1は切ないですよね。
      小牛は子牛かどうか分かりませんが、未来に対する儚さを感じてしまいます。
      7は逆に牛の強さ。
      麦が熟れすぎるほどの夏のパワーを見事に表現しています。

      碧梧桐の句も名句ですよね。
      しかし、過去の海紅の句で気なる句として、牛の句がなんか多いんですよ。
      当時は牛がほんとに街中に普通に多かったのだとは思います。
      後は職業など社会の身分に対する思いとか、深読みすれば色々想像出来てしまいます。

      でも牛は何かいいですよね。
      犬・猫・鳥は今でも詠めますが、詠めなくなる動物が居るのは残念ではありますね。

      削除
  3. 初めまして。
    畦道と申します。

    牛に関する御文、拝読しました。
    小学校一年の、初めての遠足が「牛を見に行く」だったのを、懐かしく思い出しました。
    動物園とかではなく、ただその辺に飼われている牛を、歩いて見に行ったのです。
    いま思うと、実に地味な遠足でした。牛は可愛かったですが。

    俳句では『牛冷す』というのが、夏の季語ですね。
    手元の季寄せには、こんな句がありました。

    冷されて牛の貫禄しづかなり 秋元不死男

    一碧楼の牛の句も、たいへん魅力的です。

    ひとつ選ばせて頂くなら、6、でしょうか。
    食べてすぐ寝ると牛になる、という戒めを思い出しました。
    ちょっとした気味の悪さが、「青柿の渋柿」という呪文めいた言葉の連なりで、さらに際立つかと。

    よい句をご紹介頂き、ありがとうございます。
    今後とも宜しくお願い致します。

    畦道拝

    返信削除
  4. 渋谷様 

    初めまして。
    畦道と申します。

    牛に関する御文、拝読しました。
    小学校一年の、初めての遠足が「牛を見に行く」だったのを、懐かしく思い出しました。
    動物園とかではなく、ただその辺に飼われている牛を、歩いて見に行ったのです。
    いま思うと、実に地味な遠足でした。牛は可愛かったですが。

    俳句では『牛冷す』というのが、夏の季語ですね。
    手元の季寄せには、こんな句がありました。

    冷されて牛の貫禄しづかなり 秋元不死男

    一碧楼の牛の句も、たいへん魅力的です。

    ひとつ選ばせて頂くなら、6、でしょうか。
    食べてすぐ寝ると牛になる、という戒めを思い出しました。
    ちょっとした気味の悪さが、「青柿の渋柿」という呪文めいた言葉の連なりで、さらに際立つかと。

    よい句をご紹介頂き、ありがとうございます。
    今後とも宜しくお願い致します。

    畦道拝

    (一度、同じコメントを書き込んだのですが、消えてしまったようです。なので再び、書き込みました)

    返信削除
  5. 畦道様

    こんにちは。
    はじめまして、今後ともよろしくお願いします。

    「牛を見に行く」と言う遠足のお話、地味かもしれませんが、ほのぼのとしていて良いなと思いました。

    「牛冷やす」
    僕も歳時記を見てみました。
    ありました。
    秋元不死男の句も、重厚ですね。

    6の句評も面白く拝見しました。
    「男牛」は動かぬ牛であり、隣の誰かかもしれませんね。
    一碧楼は言葉を見つけたなと感じたしだいです。

    畦道さん、又よろしくお願いいたします。
    句会が待ち遠しいですね。

    返信削除