2012年5月29日火曜日

打ち鳴らせ!!

打楽器の音ってヤツは、ど~にもこ~にも頗る気持ち良い。

血が沸く。魂が高揚する。

大地の鼓動ってヤツだろうか……コイツばかりは理屈抜きだ。











頭でこねくり作らず、ありのままに心が反応したその刹那を写す。北田隗子はそれを自著『随句の基調』に於いて、「無条件感覚」と呼び、短律に於いて、最も重要なる点とした。


底が抜けた杓で水を呑もうとした  放哉

一人でそば刈ってしまった

吸取紙が字を吸ひとらぬやうになった

あひる放たるる水底見ゆる

昼の蚊たたいて古新聞よんで


うごいてみのむしだったよ  山頭火

病めば梅ぼしのあかさ

ながい毛がしらが

へそが汗ためてゐる

ごろりと草に、ふんどしかわいた


ピンと浮かんで、メモる。メモを句として眺める。語句を削る。語句を足す。定型を捨てた自由律に於いて、最も重要な部分。声に出してリズムや調べを試す。これもまた重要。そうして推敲を重ねるも、結局は最初の形が最も優れているなんて事は多々あることだ。


理屈を超えて、ストンと胸の奥の部分に落ちる。それは共感性なんかより、もっと深い部分。
そこに響くもの。
つべこべ言わず、我が句もそうありたいもんだ。


太鼓ボコボコと地の弾む  風狂子


3 件のコメント:

  1. まだ鳴り続けて朧なる宴のあと 畦道

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  2. 音楽も俳句もいろんなリズムで表現したいですね。

    ドラムの陰に君と隠れた 雪兎

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  3. 言葉をこえたところの表現が素敵ですね。


    雷神のみが知る胸中のドラム  玄齋

    この一叩きの響くところ  玄齋

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