2012年8月19日日曜日

近作七句

鉄塊 渋谷です。


現在、第四回句会の選句期間となっております。

この8月に作った僕の句を、一方的ではありますが、

ここに記したいと思います。





 
   目の前のすべてが煌めいたゲロ吐いた夜

  
  「殺し屋はホンマにおるで。」と床屋の親父

  夕べに魂を売らなくていいところまできた

  この得体の知れない感覚を豚キムチチャーハンに添えて

  またどこかの誰かが死んだ回覧板が回る

  永遠にとれない時計の痕つけてまなつの会社員

  葡萄炭酸 TSUTAYAの前で待ってる



僕の所属する結社『海紅』では7句が基本です。

というわけで近作七句として上げました。

どうぞよろしくお願いいたします。



知宏 拝



13 件のコメント:

  1. 床屋の親父さん、まさか…いやいやそんなはずは…

    どんな味がするのか、豚キムチチャーハン。
    得体の知れない感覚って結構貴重ですよね。
    すぐ忘れてしまいますし。

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    1. 雪兎さん

      こんばんは。
      コメントありがとうございます(^-^)/

      床屋の親父さんは関西ならではの、「胡散臭さ」があって、良いかなと…
      実際そうとも取れるし、この社会もはや何があるかわからないんで。
      得体の知れない感覚ってやつも、自分の日常ではこんな感じで湧いてくるというか、何と言うか(^_^;)


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    2. こんばんは。
      畦道です。
      僭越ながらひとつ、とらせていただくなら。

      ◎目の前のすべてが煌めいたゲロ吐いた夜

      『あしたのジョー2』で、カーロス・リベラ戦以降、相手のテンプルを打てなくなった矢吹ジョーが、光るゲロを吐いていたのを思い出しました。

      奢られた酒ぜんぶ吐く 畦道

      殺し屋とキムチチャーハンも面白かったです。

      近作七句、他の皆さんもぜひ。
      (じゃあお前からやれ、と言われそうですが)

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    3. 畦道さん

      どうも、ありがとうございます。
      目の前の~は、光るゲロですね。
      こういうのって説明するのは難しいのですが、矢吹ジョーが出てくるなんて、何か素敵だと思いました。

      近作シリーズって、皆さんにやって欲しいと思ってまして、それならば先ずは自分からと思いやりました。
      五句でも、三句でも一句でも良いですし、外へのアピールという意味も含めてやってみてはどうでしょうか。
      畦道さんも是非お願いします!

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    4. 渋谷さん

      訂正・カーロスじゃなくて力石戦でしたね。

      そうですね、句会の結果発表までまだ間がありますので、私も何句か出してみます。

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  3. 「またどこかの誰かが死んだ回覧板が回る」
    本当に、只の出来事としての人の死。
    日常が日常であるためにはこういう所を切り捨ててるんだよなあ、などと色々考えてしまいました。

    それと『葡萄炭酸』という言い方が妙にグッと来ました。

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    1. 寝覚さん

      回覧板の訃報は本当に連絡事項みたいな感じで、さらっとスルーしてしまいます。
      でも、それって結構残酷で、訃報が続いたときに、その人の人生を時々考えたりもします。

      葡萄炭酸は、我ながらいい言葉を見つけた気がしてます。
      狙った訳ではないのですが、葡萄の色が、夜を想起させて良いなと勝手にほくそ笑んでいます(笑)

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  4. ◎またどこかの誰かが死んだ回覧板が回る
    実家の回覧板では、「また」というほど人は亡くならなかった気がします。いったい何がこの近所で起こっているのか。

    ?夕べに魂を売らなくていいところまできた
    「夕べに」がかかるのは、「魂を売らなくていいところ」なのか「きた」なのか。ぜひ、解説をお願いいたします。

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    1. 古戸暢さん

      こんばんは。
      回覧板の句は、ほんとの話です。
      虐殺や伝染病などがあった訳ではなく、来る回覧板が全て訃報だった時が有りまして、その気持ちですね。

      魂の句は、はっきり言うと現実から逃げて来たことを意味しています。
      そしてそれは、譲れないところでも有ります。
      ですので、夕べは「夕べ」であって、でも現実から離れた時間でもあるのです。
      納得出来ますか?

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  5. ご解説、ありがとうございます。
    理解が進んだように思います。

    魂を売るとは、命を削る感じですね。
    魂を夕べに売らなくていいところ、まできた、なのか、
    魂を売らなくていいところまで、夕べにきた、のか、
    どちらの解釈がいいのでしょう。

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    1. 古戸暢さん

      その解釈までとなると、正直読み手にお任せなんですが、あくまで僕としては夕べに魂を売らなくていいところまできた」となります。

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    2. ありがとうございました。
      想像力を養うよう、精進いたします。

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