2013年2月2日土曜日

第九回 研鑽句会


最高得点句

逝った子が父ちゃんとよぶ冬夜の浅い夢


最低得点句

木枯らしよ吹けば飛ぶよな背を押すな

こおろぎが近寄るぼくも話したいことあり

シベリアがある日本海がある木枯しがある


互選集計

(5点) 逝った子が父ちゃんとよぶ冬夜の浅い夢 ◎◎○
(4点) つまり酒飲んでまんまるく夜は寝る ◎○○○●
(3点) 善良なるハゼは夏空見上げ釣られてしまった ○○○
(3点) 安物喜ぶ母がいてきょうは母の日 ○○○
(3点) 鼻にチューブ差し込んだ幼児が指さす冬 ◎○
(3点) 訥とつとシベリア抑留の話寒い話長かった話 ◎○
(2点) カマキリ重なっていてやがて食われるんだろう ◎
(2点) 赤い月は刺客生きているだけで暑い暑い ○○
(2点) 俺のまわり虫鳴かないの俺の難聴か ○○○●
(2点) とんがり山のすそ長くこんがり焼けた雲ひとつ ○○
(2点) 残らず食べてしまった独り夜の灯りに ◎
(2点) 魚が釣れた親子の喜劇のはじまりはじまり ○○
(1点) 娼婦に呼ばれ足もとのぬかるみをなんとするか ○
(1点) スライサーお酒で清め四十年の電源を抜く ○
(1点) マドンナの日傘は廻すためにあり ◎●
(1点) もう少し冬帽でいる僕の歩幅でいる ○
(1点) 消しゴムがひねり出す屑夜長と云う ○
(1点) 病窓から望む白い峰二人遭難の日も輝く ○
(0点) 風吹く夜ほろ酔いでお前の事など ○●
(-1点) 木枯らしよ吹けば飛ぶよな背を押すな ●
(-1点) こおろぎが近寄るぼくも話したいことあり ●
(-1点) シベリアがある日本海がある木枯しがある ◎●●●
(無点) 領土ひろびろひょっこりお目ざめの青蛙
(無点) 上限の月あり大寒の硝子窓へ吐く息
(無点) 天変地異ってトマト一個三百円
(無点) 妻が残した毛糸玉私を黙らせる
(無点) 行進曲音上げてただ落ちるだけの春の雨
(無点) 青田風女おくれ毛がうつくしい
(無点) 酒飲めぬ君が霜月のバナナ一房を買い
(無点) もっと燃えていた筈八月十五日の百日紅

特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。

今回の出句は、自由律俳句結社「海紅」の平成22年1月号~12月号の中より選句したもの。

◆作者発表 ※五十音順

【渥美ゆかり】
残らず食べてしまった独り夜の灯りに

【河合謙】
カマキリ重なっていてやがて食われるんだろうか
病窓から望む白い峰二人遭難の日も輝く
とんがり山のすそ長くこんがり焼けた雲ひとつ

【小山智庸】
領土ひろびろひょっこりお目ざめの青蛙

【紺良造】
消しゴムがひねり出す屑夜長と云う
マドンナの日傘は廻すためにあり
木枯らしよ吹けば飛ぶよな背を押すな

【塩野谷西呂】
俺のまわり虫鳴かないの俺の難聴か
青田風女おくれ毛がうつくしい
シベリアがある日本海がある木枯しがある

【高橋登紀夫】
もう少し冬帽でいる僕の歩幅でいる
つまり酒飲んでまんまるく夜は寝る
酒飲めぬ君が霜月のバナナ一房を買い

【田中耕司】
鼻にチューブ差し込んだ幼児が指さす冬

【田中穂】
逝った子が父ちゃんとよぶ冬夜の浅い夢
妻が残した毛玉私を黙らせる
風吹く夜ほろ酔いでお前の事など

【都丸ゆきお】
訥とつとシベリア抑留の話寒い話長かった話
スライサーお酒で清め四十年の電源を抜く
もっと燃えていた筈八月十五日の百日紅

【中塚唯人】
天変地異ってトマト一個三百円
魚が釣れた親子の喜劇のはじまりはじまり
善良なるハゼは夏空見上げ釣られてしまった

【中塚壇】
娼婦に呼ばれ足もとのぬかるみをなんとするか
こおろぎ近寄るぼくも話したいことあり
上限の月あり大寒の硝子窓へ吐く息

【森命】
行進曲音上げてただ落ちるだけの春の雨
赤い月は刺客生きているだけで暑い暑い

【湯原幸三】
安物喜ぶ母がいてきょうは母の日

77 件のコメント:

  1. 逝った子が父ちゃんとよぶ冬夜の浅い夢(5点)

    ◎「読む人にとってはお涙頂戴と受け取るかもしれないが、問答無用で心を打つ句である。そして『冬夜の浅い夢』はただの『夢』であってはならない。『冬夜の浅い夢』だからこそ逝った子が父ちゃんと呼んでくれたのだ。内容と季節が無理なく合致しているお手本のような句である。」
    ◎「句材からして感傷的すぎると思う。逆選にしようかと考えたくらいだ。しかし、目頭が熱くなった以上、私の心を揺さぶったことは事実。特選とする。」
    ○「前回の句会で、俳句に虚構をどの程度取り入れるか、ということが話題になった。本句の場合、身も蓋もないが『逝った子が父ちゃんとよぶ』のは虚構である。しかし作者が子どもを喪ったという点に、虚構はあるべきでないと思う。句の根幹を成す部分が真実でなくてはこういう句は作れないし、読みようがない。」

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    1. 上から二つ目の評が私です。私は勝手に、今回の研鑽句会の句は一昔前に詠まれたものだと考えていました。しかし実際は、平成22年に発表されたものであるということ。とすると、作者はおそらくご存命で、私たちと同じ時間を生きていることとなります。そう考えると、またこの句に対する思いが変わります。

      作者は今なお夢の中で、吾子より父ちゃんとよばれ続けているのでしょうか。そして、その夢から覚めることを繰り返しているのでしょうか。改めて、特選として選ばせていただくとともに、ご冥福をお祈りいたします。

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    2. この句は平成22年新年号の中の句です。作者の穂さんはこの年の9月にお亡くなりになりました。

      海紅に載っていた穂さんの句です。

      もの買う財布をあけた梅雨空
      妻の新盆黙っているたばこ
      素足でサンダル蛙だって鳴くさ

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    3. どうもありがとうございます。
      挙げられた句、いずれもよい句です。

      父ちゃんとその子が、笑顔でありますよう。

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  2. つまり酒飲んでまんまるく夜は寝る(4点)

    ◎「単なる日常を表現してるだけなのに、何て素敵な句なんだろう。強烈な自己肯定。」
    ○「幸せな光景だ」
    ○「酒を飲むのも夜は寝るのも当たり前である。しかし、その当たり前を、『つまり』『まんまるく』で句に仕立て上げた、見事な手さばき。真っ正直な、いわば棒ダマが、すっと手元で変化したような。月並みを一重でかわす、というひとつの理想とも言える作例だと思った。」
    ○「『つまり』という前置きが誰かに対する言い訳のようで非常に共感できる。そして『まんまるく』寝るというのが、酔っ払い特有の自己愛のようでこれまた共感できる。こうでもしないと、私は私を愛せないんですよ。そんな自嘲さえ聞こえてきそうだ。」
    ●「『つまり』で何かの背景を語りたかったようだが、読者へ伝わるには至っていないと思う。」

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    1. 逆選でいただきました。「つまり」が意外と伝わっていることに驚くとともに、過去に何度かあった、私だけ選が真逆となった経験を思い出しました。

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    2. >kotoさん

      僕も似たような経験があります。
      自分だけ酷評みたいなw
      僕は特選で取りました。
      こんな気持ちで生きていきたいですね。

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    3. 私はいつもこの句のような感じなので…(笑)
      ちなみに上から四番目の評が私です。

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  3. 善良なるハゼは夏空見上げ釣られてしまった(3点)

    ○「釣られたハゼが悪魚であった可能性を捨て、善良と言い切る強さ。面白い。」
    ○「ハゼが善良なら釣り人は悪人である。面白い構図だがその裏には罪悪感を感じている作者がいる。人の業を感じる。」
    ○「ポカンのした美しい情景の中に、一瞬で生死を分かつ瞬間がある。ハゼには何の咎もなく、ただ釣り人の遊興の中で命を奪われる。一瞬のストップモーションの中で、釣り人の喜びではなく、ハゼの運命に焦点を当てる感覚がうまいなぁと思う。」

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    1. こんにちは。

      この句は研鑚句会の別の句の「カマキリ~」とかぶっているように感じましたので取りませんでした。「善良」とは何だろうと頭を抱えていました。

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    2. 並選 「ポカンのした~」の評。
      釣りには興味がないのですが、そこに存在する悪意に着目しているところがいいなと思います。

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    3. あ、「ぽかんとした」と送信したのですが、ひょっとして編集の際、打ちなおしてくださったのでしょうか。今後はもっと短くまとめます。ご迷惑をおかけしました。

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  4. 安物喜ぶ母がいてきょうは母の日(3点)

    ○「母親とはえてしてそういうものである。」
    ○「貧しくとも幸福な母と子の情景。贈り物は心を贈るものだということをうまく表現している。」
    ○「人生の機微が窺える一句ですね。プレゼントを受け取る方も気を遣うものですね。」


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    1. 僕は母とは疎遠でして、このような話を普通に羨ましく感じました。
      お気に入りの句です。
      今回、取っては居ないのですが…

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    2. 並選 「貧しくとも~」の評。
      貧しい幼少期を過ごし、現在老母を介護しているため共感してしまいました。

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  5. 鼻にチューブ差し込んだ幼児が指さす冬(3点)

    ◎「悲しすぎる。幼児は我が子だろう。病室からわずかに見える季節は冬。幼児は冬を越せるのだろうか。恐らく越せまい。こんな悲しみを句に昇華する人間がかかえているのはどのような業だろう。表現するということが自らの救いになるのかどうか。我が子を苦しみの果てに失ってなお表現に向かう心とは。詩人はやはり修羅なのだ。」
    ○「病室の窓の外には、いつのまにか冬がやって来ていたのだった。」

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    1. 特選。
      悲しみを表現してしまうということを自分自身も行ないながらひどく違和感や罪悪感を感じてしまいます。救いを求めて表現しているのかもしれない。しかし表現することでさらに苦しみが深まる。これはやはり業としか思えない。

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  6. 訥とつとシベリア抑留の話寒い話長かった話(3点)

    ◎「これは聞き手の詠んだ句だろう。目の前で語られる過酷な体験を『寒い話長かった話』と纏めてしまう、冷淡ともいえる距離感がいい。辛い生い立ち、悲惨な経験、全てに共感し涙を流せるほど人間は新設ではないのだ。その心理を、不謹慎と非難される一歩手前で抉り出す。そこにもすぐれた距離感がある。」
    ○「亡くなった方の思い出だろう。「長かった話」は一件面白い表現だが、万感の思いであっただろう。」

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    1. この句は特選と迷った句です。
      端的に話の内容とその感想を述べてますが、この句は海紅の先達の訃報に寄せて作られた弔句です。最後の長かった話に思いが込められてると感じました。

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    2. X新設 ○親切 
      特選に頂きました。追悼句だったのですね。
      やはり『長かった話』というまとめ方が秀逸な句だと思います。

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    3. 訂正ありがとうございます!
      私も特選と迷ってました。おっしゃるようにまとめが流石と言わざるを得ない。
      いい句ですよね。

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  7. カマキリ重なっていてやがて食われるのだろう(2点)

    ◎「越王の勾践の参謀であった范蠡の言葉、「蜚鳥尽きて良弓蔵され、狡兎死して走狗烹らる」を思い出しました。交尾の後の役に立たなくなったオスの悲しみが浮かびます。」

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    1. 小学生の時にカマキリのこの習性を知り、たいそう衝撃を受けました。以来カマキリの交尾をみると、目を背けてしまいます。

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  8. 赤い月は刺客生きているだけで暑い暑い(2点)

    ○「他の惑星に住んでいるかのような感覚。暑そうだ。」
    ○「夏の月は熱気で紅くなる現象がありますね。とても暑そうです。飯田蛇笏の「三伏の月の穢に鳴く荒鵜かな」の「月の穢」のことですね。」

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  9. 俺のまわり虫鳴かないの俺の難聴か(2点)

    ○「自分がこうなったらと思うと、とてもじゃないがこういう句は作れない。」
    ○「好きな句。お祖父ちゃんの可愛らしさが出ている。本人は哀しいのだと思うが、キャラクターがほんとよい。」
    ○「『難聴か』が口癖な知人が居るのでとりました。たしかに、なんでも難聴の話にもっていく人って居る。」
    ●「『俺の』を二度繰り返すのは狙いなのだろうが、くどい。」

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  10. とんがり山のすそ長くこんがり焼けた雲ひとつ(2点)

    ○「リズムの良さで取った。田舎の子が学校から帰り道で歌っている情景を思い浮かべた。晴れて山すそもくっきりと見え、夕焼けに雲は赤く燃えている。帰れば母親がサツマイモでも蒸かしてくれるだろう。そんな昭和の優しい夕方を思った。」
    ○「7,5,7,5で韻を踏んでいて、童謡詩としてよく出来ている。俳句としてはどうなのだろう。」

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    1. とりませんでしたが、好きな句です。思い出の景と読めば哀愁が漂いますので、最近の実景として読みたいところです。

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    2. 僕も最後まで悩んだ句の一つ。
      韻をふんでるのは意図的だと思います。
      ほんと童謡みたいです。

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    3. 並選 「リズムの良さで~」
      生まれた町での下校を思い出しました。セメント工場に夕陽が沈む。そこからが我々小学生の本当の一日の始まりでした。

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  11. 残らず食べてしまった独り夜の灯りに(2点)

    ◎「残らず食べてしまっても、尚満たされない何か。夜の灯りを消せないのは、その何かがあるからなのだろう。」

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    1. これはよくあります。昨晩も今日用にとっていたパンを食べつくしてしまいました。寝られない夜は食べるほかありません。

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  12. 魚が釣れた親子の喜劇のはじまりはじまり(2点)

    ○「喜劇といいつつ当人にとっては面白くない出来事のような気がする。しかも毎度の出来事のような雰囲気。」
    ○「あえて具体的な内容は書かずに、この後の展開を読み手に想像させる心地良い無理やりさ。このような方法もあったのかと驚いた。」

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    1. 迷った末、とりませんでした。
      『親子の喜劇』の月並さに、作者自身が倦んでいるような雰囲気が面白かったです。

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    2. 僕も取らなかったのですが、作者は釣りがお好きでして、これらの句はお手の物かと(笑)
      若い親子を横でみていたのではないかなと勝手に想像してます。

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    3. 並選で取りました。二番目の評が私です。
      これかなり好きなんですよ。
      敢えて戯画化しているというか。
      でも畦道さんの読み方も面白いと思います。

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  13. 娼婦に呼ばれ足もとのぬかるみをなんとするか(1点)

    ○「何だか地獄でこんな光景がありそうだ。ぬかるみに足を取られている内に、どんどん身体が沈んでいき、やがて次の地獄へと...」

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    1. 娼婦のもとへ行くには、足もとのぬかるみを越える必要があるのでしょう。作者の未来は如何に。

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    2. >kotoさん

      なんか観念的な句でもあるのですが、この先に対する何かがある句だと感じました。句のシチュエーションも考えさせられるものがある気がします。

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    3. 並選で取りました。
      なかなか示唆に富んだ句でありながら、人間臭さもあっていいですね。

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  14. スライサーお酒で清め四十年の電源を抜く(1点)

    ○「機械を入れ替えることになったのか、あるいは商売を止めることになったのか。感謝の気持ちと寂しさが伝わる。」

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    1. この句も好きです。
      ただ自分はこのように仕事を句にできるか自信がありません。仕事に愛情を持つこと。大事だと思わされた句です。
      取ってはないんですけど…

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  15. マドンナの日傘は廻すためにあり(1点)

    ◎「今回の研鑽句会は、どうもタイプ的に自分の感性と波長が合わなかったのでどれにしようか悩みましたが、とりあえずこれで。」
    ●「一言、月並。廻すためにある日傘を、無理やりにでもマドンナではない誰かに持たせ、何か特別なことに使ってみせるのが優れた俳句だと思う。作者ならではの発見がどこにも見当たらない。」

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    1. 今回の研鑽句会は、私はかなり波長が合って困りました。実は前回の研鑽句会の句がどうも苦手でいけませんでした。自分にとっての句を再認識させられる面白い機会だと、改めて思います。

      この句は日傘ではなく、マドンナに焦点があるように感じました。

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  16. もう少し冬帽でいる僕の歩幅でいる(1点)

    ○「J-POPのバラード辺りに歌詞として出てきそうだけれど、こういう感じは嫌いじゃない。」

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    1. とるにはいたりませんでしたが、好きです。

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    2. 僕も「僕」と句で使いますが、海紅に入ってからだと思います。影響を受けてますね。作者は若者ではないのですが、若者と思われるかも知れませんよね。

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    3. 最初取ったのですが、句評が思い付かなかったので今回は残念ながら…となりました。
      でも雰囲気は好きですね。「僕」という人称はこの感じにぴったりだと思います。

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    4. 海紅の「僕」は、一碧楼の頃からありますよね。この句もその見事な例句になります。

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  17. 消しゴムがひねり出す屑夜長と云う(1点)

    ○「夜に宿題を急いでやっている小学生の姿が浮かびました。」


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  18. 病窓から望む白い峰二人遭難の日も輝く(1点)

    ○「遭難事故、雪山、そして病室という多重構造が面白い。その句を読み評を書く私、それを読む誰かといった具合に『ひとごと』が折り重なってこの世は成り立っているのである。遭難した二人に対しても、山を眺める作者の病に対しても、道場の入り込む隙がない。その冷酷さが、本句を厳かに際立たせる。」

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    1. 若干冗長な感じもしますし、また漢字が並んで重く感じもします。しかしそれらがまたいいです。あくまでひとごとはひとごと。

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    2. X道場 ○同情
      並選に頂きました。
      もっと点が入るかと思いました。

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    3. 僕も入るかと思いました、
      僕自身いれてないので、何とも言えませんが、この句もそれぞれの関係性が複雑に絡んで、なおかつ病室の中で完結してる。手法が凝りすぎてるのが、難しかったのかな?

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  19. 風吹く夜ほろ酔いでお前の事など(0点)

    ○「特選にするか迷ったけど並選。ある意味普遍的な男の女々しさを丁寧に拾い上げていると思う。”など”が特にいい。」
    ●「何かしら工夫やキレがあるほかの句に比べて、この句は平凡だった。平凡なのは悪くないが、平凡の中に非凡を見出すのが句作だと思う。」


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  20. 木枯しよ吹けば飛ぶよな背を押すな(-1点)

    ●「川柳を探せばもっといいものがあると思った。」

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    1. 川柳っぽいなとは思いました。自由律俳句と自由律川柳の違いにたまに悩みます。

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    2. 私も悩んでますね。
      そのあたり、過去に問題になったことはないのでしょうか。
      俳句(というより俳偕)から川柳が分かれた理由がわからないとこの問題は解決できないでしょうね。

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  21. こおろぎが近寄るぼくも話したいことあり(-1点)

    ●「カマドウマを思い浮かべてしまった。ふと目覚めたとき、顔の横にいてにじり寄って来たら......。「オレのそばに近寄るなああーーーッ」おぞましい想像をしてしまい共感できなかった。」


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    1. 揚句と評のテンションの違いが面白い。合わせて鑑賞するとまた愉しい。

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    2. 僕もこの評が面白い!と感じました。

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    3. 逆選。
      5部派なので、ディアボロの最後のセリフで評を書きました。しかし、こおろぎが美しいのは声だけであり、実際に近づいてきたらこの句のようには詠めないのでは、と思います。

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  22. シベリアがある日本海がある木枯しがある(-1点)

    ◎「天気予報で「冬型の気圧配置」という表現があるが、冬に雪が降る仕組みを端的に言ってしまったのがこの句だ。もっともこの句の「シベリア」は抑留されていた地という意味かもしれない。」
    ●「残念ながら一句単体でみると伝わりづらい。」
    ●「うーん、何か、今ひとつ足りない気がします。インパクトが薄いことが問題か?」
    ●「「だから何?」と思ってしまいました。」

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    1. 特選で取りました。
      逆選の評を拝読してもっともだと思いつつ、それでもこの句にはグッとつかまれる感覚を覚えます。
      今まさに、この句のど真ん中に自分が居るからなのかもしれません。
      もっとも、太平洋側に住んでいるわけではないので木枯しはないのですが。
      北西の風に吹かれるそれが冬

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    2. この句もまさに実感だからこそ、読み手を限定してしまったのかも知れませんね。逆選の一番目が僕の評です。
      作者は秋田の海紅人。だからこその句だと思います。

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    3. 私は取りませんでしたが、寒々とした思いは伝わってきました。
      秋田県に海紅の句会は確か三つありましたね。
      そうなった経緯も知りたいですね。

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  23. 領土ひろびろひょっこりお目ざめの青蛙(無点)


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  24. 上限の月あり大寒の硝子窓へ吐く息(無点)


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    1. 漢字は上弦でなく上限で合っているのでしょうか。

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    2. 古戸さん

      上限ではなく上弦でした。
      改めて訂正します。
      ありがとうございました!

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  25. 天変地異ってトマト一個三百円(無点)


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  26. 妻が残した毛糸玉私を黙らせる(無点)


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  27. 行進曲音上げてただ落ちるだけの春の雨(無点)


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  28. 酒飲めぬ君が霜月のバナナ一房を買い(無点)


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  29. 青田風女おくれ毛がうつくしい(無点)


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  30. もっと燃えていた筈八月十五日の百日紅(無点)


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    1. 筈が少し気になりますが、いい句です。作者は戦後生まれでしょう。

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  31. 今回の研鑽句会は、私が所属しております結社「海紅」の平成22年1月号~12月号までの誌上に掲載された句から、独断で選句したものです。
    現在進行形の自由律の先達の句となります。

    作者に関しても極力纏めるように努めましたが、一句のみとなった方もいます。これは特に意図的にしたものではございません。
    そして1名、現社主のお父様、中塚壇師の句も特別参加で3句入れております。
    楽しんでいただければ幸いでございます。
    どうもありがとうございました。

    (渋谷知宏拝)

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