最高得点句(二句)
その手紙を焼く飛んで蜘蛛の巣を焼く
ラヂオにお寝みなさいと云はれてからが永い夜で
最低得点句(二句)
夕月、体温表の山はなだらか
獨りゐるエープリルフール雨がふる
(四点) その手紙を焼く飛んで蜘蛛の巣を焼く ◎○○
(四点) ラヂオにお寝みなさいと云はれてからが永い夜で ◎○○
(三点) 遠くに或は心にないてかっこう ◎○
(三点) 私を孤独にした遠い耳を空にむけてゐる ○○○
(三点) 赤鉛筆のなつかしい色熱を記したあの ○○○
(二点) かげのない日の柿をもいでしまふ ○○
(二点) とんぼにとまられてゐる私で足りてゐる ◎
(二点) 呼べばだいどこからいつも濡れてゐる母の手 ○○
(二点) 四五羽の雀の顔おぼえて病んでゐる ◎
(一点) ごみ箱が林檎の皮たらしてゐる日も寒い ○○●
(一点) ラヂオの野球がすめば薬のある枕元 ○
(一点) わたしをおぼえてゐさうなつくしんぼで ○
(一点) 或日と云ひたいやうな今日のチウリップと夏蜜柑 ○
(一点) 乾く石と乾かぬ石と蟻が働いてゐる ○
(一点) 掃くにはや土にならうとする落葉もある ○
(一点) 土に影おけば癒えてゐるやうな ◎●
(一点) 日に日に薬の紙を手にして三羽の鶴 ○
(一点) 父のない子でよくない言葉覚えて霰のなか ◎●
(零点) 盗人も巡査も白い息をして行く ◎○●●●
(マイナス一点) 夕月、体温表の山はなだらか ●
(マイナス一点) 獨りゐるエープリルフール雨がふる ●
(無点) おとろへ夕立の力を見てゐる
(無点) すがられた蔓にすがつて倒れないのだ
(無点) その葉のかたちになつてくるそれに雨
(無点) だまつてついてゐるうめもどきのみかな
(無点) また体温器と年を迎へ
(無点) 黒い塀におもひ出のやうな蝶がきた
(無点) 雀の胸に呼吸のみえてゐる元日です
(無点) 蜂の巣は葉の裏雨がふる
(無点) 枕べ月と夏みかんはいつも一つおかれる
特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。
◎作者紹介
海藤抱壺(かいどうほうこ・本名 寛)
略歴
1901年(明治35年)、5月13日宮城県仙台市に生れる。
少年期を熊本、島根県日原で過ごしたのち仙台市に移り、
1914年県立仙台二中に入学、17、8才の頃より聖書に親しむ。
肺結核のため1920年退学。1940年(昭和15年)9月18日の死まで自宅で療養生活をおくる。
1925年から荻原井泉水に師事、「層雲」に投句をつづけた。句集『三羽の鶴』(1934年)がある。
○句集『三羽の鶴』の抱壺本人によるあとがきより
<十七八の頃より聖書に親しんできたその信仰は、求めて徹し得ざる悩みに終始した――俳句に拠つて神に到らう――
私は独りさう思ふやうになつた。句作に研ぎ澄した詩。魂の極みに、かの預言者エリヤの聴いた「静かなる細微(ホソ)き声)」は
響いて来ないであらうか……。とまれ、私はこの儘の姿で、句を作る心境に於て救はれるのでなければ救はれないに違ひない。>
○山頭火が抱壺を訪問した折の山頭火日記より
<私は遂に自己を失つた。さうらうとしてどこへ行く。――/抱壺君にだけは是非逢ひたい、(略)/
青い山、青い野、私は慰まない、ああこの憂鬱、この苦悩、――くづれゆく身心。
六時すぎて仙台着、抱壺君としんみり話す、予期したよりも元気がよいのがうれしい、どちらが果して病人か!/
歩々生死、刻々去来。/あたたかな家庭に落ちついて、病みながらも平安を楽しみつつある抱壺君、生きてゐられるかぎり生きてゐたまへ。>
○荻原井泉水の抱壺評
<彼の句は、彼が病気から逃避する手段ではなくて、病気を克服する為の一種の精神力だつたといふことも
考へなくてはならない。彼の句に逞しい力があるのは、其為である。>
なお、『草原』のページにも彼の解説がありますので、ご参照下さい。
海藤抱壺のページ
●編集より一言
病気の中で学問を進める、そんな例として儒学では孔子の弟子の顔回がおり、
そして自由律の俳人としては彼である、そう思います。
彼の名前の「抱壺(ほうこ)」というのはおそらく、唐の詩人の王昌齢(おうしょうれい)の、
「芙蓉楼(ふようろう)にて 辛漸(しんぜん)を送る」の
最後の二句が関連していると思います。
「洛陽親友如相問、 一片冰心在玉壺。」
「洛陽(らくよう)の親友 如(も)し相問わば、
一片の氷心(ひょうしん)玉壺(ぎょくこ)に在り。」
(訳)もし洛陽の都の親友たちが、私がどのような状況かを尋ねてきたら、
一つの氷のような澄み切った心を、壺の中に入れるように
大切に取り守っているところだと言っておいて下さい。
「抱樸(ほうぼく)」、つまり生の木のような生まれ持った純粋な性質を
取り守って変わることがない、という言葉にもあるように、
「壺」の中に入れるように自分の清らかな心を大切にしよう、
そんな心情が窺えます。その清らかなものはキリストへの信仰も
その一つだと、そんな風に思います。
(四点)
返信削除その手紙を焼く飛んで蜘蛛の巣を焼く
◎蜘蛛にとってはとんだとばっちりだ。失恋だかなんだか知らないけど。
○もう縁遠くなってしまった人からの手紙を焼いているらしい。そこから上がった火の粉が、軒下の蜘蛛の巣をも焼いてしまう。ただでさえ細かった縁の糸が、今度こそほんとうに切れてしまったようで寂しい。しかし、『焼く』という言葉を繰り返して使う作者の、別れの意志は確固たるものなのだろう。
○手紙を焼くのは愉快な事ではあるまい。何かに区切りを付けるという意味もあるかもしれないが、その根底には悲しみが流れている筈だ。蜘蛛の巣も巻き込まれ、焼けてしまった。悲しみの連鎖だ
とらなかったのですが、改めて読むといいですね。蜘蛛の悲哀が密かに描かれています。
削除並選に頂きました。
削除二番目の評です。
kotoさんコメントにある、『蜘蛛の悲哀』には思い至りませんでした。
なるほど、それを含めてみると、さらに輝きを増す句ですね。
特選で頂きました。
削除蜘蛛は巣を壊されてもまた諦めずに作るわけで、そう考えるとこの句は実は前向きな気持ちで作られているのではと感じました。
(四点)
返信削除ラヂオにお寝みなさいと云はれてからが永い夜で
◎お寝みなさい」は、「おやすみなさい」と読みました。これは、僕には中学生の頃よくあった光景です。朝まで寝れない。雑音しか聞こえなかったりして…懐かしさと共に、何か感じる苦しさがあり、選ばざるを得ませんでした。
○これはもっとも共感できた句。眠れぬ夜の孤独。あるいは病に侵された体を夜気が責め苛むのか。自分も喘息持ちなのでこの恐怖を何度も味わう。
○病気の時よりも心の中の悩みが大きい時にこんな情景に出くわすように思います。ラジオの大きな音がやんでもまだ心の中の声が大きくなってしまう、悩み多い夜長ですね。
とりませんでした。ラヂオをきく習慣があればまた違ったかもしれません。
削除並選 「これはもっとも共感できた句。」の評。
削除「永い」の表記に不安や苦しみが表れていると感じた。
昭和の頃は月曜深夜にすべてのラジオ局が放送を停止する時間帯がありました。眠れなくてなんとなく聴いていたラジオが終わってしまって、人の声が聴きたいけど聴くことが出来ない、世界から取り残されたような気分になっていた中学生の頃を思い出しました。
削除まして病床にあっては、それは絶望的な寂しさだったかもしれません。
特選です。
削除自分の子供の頃思い出しましたね。母親を待ちながら深夜ラジオを聞いてました。この句のような夜でした。今のラジオも、24hよりも終了する方が味があって良いかもしれませんね。
ギリギリまで悩んで結局取りませんでした。
削除ただ、一番実感が伝わってくる句ではありました。
音楽より肉声が聞きたい時は確かにあります。
(三点)
返信削除遠くに或は心にないてかっこう
◎遠くの郭公の鳴き声を忘れまいと何度も反芻しているのだろう。そもそも鳴き声自体が珍しいのかもしれない。作者は反芻をやめないだろう…郭公が心の中で自由に歌う日が来るまで。
○かっこうって、たしかに、やたらと遠い存在のような気がする。
心に郭公とはえらい近いなと思いました。
削除特選にていただきました。抱壺は大好きな俳人です。後期の句を読んでいると自然と涙が浮かんできます。
削除郭公の声は抱壺にとってどう聞こえたかと想像するのは、哲学そのものだと思います。
(三点)
返信削除私を孤独にした遠い耳を空にむけてゐる
○耳が遠くなり、人と話すことが億劫になってしまった作者の句だろうか。ふと耳を空へ向けたのは、すでにこの世にいない誰かからの言葉が降りてく るのを待つためか。『私を孤独にした遠い耳』、というひとごとめいた言い方が、自分の体が自分のものでなくなったような寂しさをよく表している。
○耳がとおいから孤独を感じているというより、孤独であることを耳のせいにしているような感じを受ける。その耳を空に向けたところで孤独なことには変わりない。
○これは耳の不自由な親の前で、こちらから声をかけることもなくなった息子 or 娘のことをどう思っているのだろうと思いながら、空の方を向いた親の顔をじっと見つめる、そんな風景かなと思いました。
感傷に浸りすぎているように思えて、とりませんでした。悪くないと思います。
削除並選に頂きました。
削除一番上の評です。
なんの解決にもならないことをあえてやってみて深まる孤独、という句だと思いました。
こういう諦めめいた句はわりと好きなんです。
(三点)
返信削除赤鉛筆のなつかしい
○赤鉛筆ってたしかに、懐かしいです。
○「あの」が如何にもな感じはするが、想い出とは少しのきっかけで色も温度もよみがえるものだ。
○このような句の終わり方好きですね。また頭に戻るんだと思います。循環している感じ。
正しくは、
削除赤鉛筆のなつかしい色熱を記したあの
ですね。
あのの如何にも感がちょっと苦手でした。
koto 様、ありがとうございます。
削除昨夜に本文を訂正いたしました。
よろしくお願いいたします。
取りませんでしたが、この心の整理が出来ていない不安定な感じは好きですね。
削除(二点)
返信削除かげのない日の柿をもいでしまふ
○「かげのない日」とはどういうことだろう?曇り空ですべてが大きな影の中なのか。それとも太陽が真上に来る特別な日なのか。現実ではない、夢や幻の情景なのか。影が無いのは死者であろう。死者が柿をもぐのか。生命なのか季節なのか夢なのか思い出なのかとにかく何かが終わってしまったのだ。
○明るい日に柿を収穫する、そんな嬉しいはずの情景を「しまふ」としめくくるのはなぜなのか、光の中ですくい取るべき闇を見失ってしまう、そんな象徴なのかなと思いました。
並選 「『かげのない日』とは~」の評。
削除結局どういうことなんでしょうね?
働猫さん
削除何もかもなくなってしまう事かと…
(二点)
返信削除とんぼにとまられてゐる私で足りてゐる
◎人は宇宙を思い浮かべてその大きさと日々の嫌なことをたいしたことがないと考えて安心する一方で、トンボからすればそんな自分でも十分に大きな存在である、という自信を身につける、自然がこの俳人自身を慰めている情景を想像しました。
句評がよいですね。こう評されると、途端にとらなかったことをもったいなく感じだします。
削除おはようございます。この句を特選で頂きました。
削除「私で足りてゐる」に衝撃を受けました。
トンボからすれば自分でも十分に足りている、
逆の発想だ。。。と思いました。この句に脱帽です。
(二点)
返信削除呼べばだいどこからいつも濡れてゐる母の手
○いつも濡れているというのはいつも働いているということだろう。しかもお湯が蛇口から出てくる以前の時代。母とは偉大な存在なんだな。
○母親というより、僕にとってはこの句のシチュエーションはお祖母さんでした。このようにいつも居てくれました。
とりませんでしたが、悩んだ句で、好きな句です。しみじみいい句です。
削除(二点)
返信削除四五羽の雀の顔
◎病んでいるが、生きている感じがする。
この句は正しくは、
削除四五羽の雀の顔おぼえて病んでゐる
です。訂正いたします。すみません。
(一点)
返信削除ごみ箱が林檎の皮たらしてゐる日も寒い
○ごみ箱の縁に林檎の皮がたれていた、ただそれだけの句。日常をよく詠んだものと思う。
○ただただ、見事な写生。ごみ箱の蓋からだらりと赤いものが垂れ下がっている様は、なにか得体の知れない生き物の死骸を思わせ、ただでさえ寒い日の体を、さらに震え上がらせる。ごみがごみとしてそこらじゅうに当たり前のように置かれていて、人間と近いところにあった時代の句という気がする。
●一見ドキッとしそうな感じもしますが、そういう日もあるだろう。という風に見えました。
並選に頂きました。
削除二番目の評です。
評価が分かれましたね。
ただ事と写生の境界は、読むひとによって様々です。
この紙一重が、俳句の面白さですね。
(一点)
返信削除ラヂオの野球がすめば薬のある枕元
○束の間の逃避が終わると、枕元には変わらない現実が広がっていた。
(一点)
返信削除わたしをおぼえてゐさうなつくしんぼで
○琴線に触れる句です。山頭火のような心境。つくしんぼに対する姿勢というか、気持ちというか、とても共感出来ました。
(一点)
返信削除或日と云ひたいやうな今日のチウリップと夏蜜柑
○生きていると、何となく『すわり』の良い日がある。そんな日にこのチウリップと夏蜜柑は、まるで物語の主人公のように登場したのだ。その作者になるもよし、観客になるもよし、登場人物の一人になるもよし、だ。
(一点)
返信削除乾く石と乾かぬ石と蟻が働いてゐる
○誰もが一度は見たことがある、しかし、気にもとめなかった景だ。面白い。
(一点)
返信削除掃くにはや土にならうとする落葉もある
○自然の摂理と言えばそれまでだが、この世は多くの犠牲の上に成り立っている。掃き掃除といった日常の営みも、犠牲になった者の視線にさらされている。さて、どう生きるべきか。
句評がいい。抱壺が見た景と、私たちが見た景の差を知りたいです。
削除(一点)
返信削除土に影おけば癒えてゐるやうな
◎病んだ体で表に出てみる。土の上にくっきりとした己の影には少しも揺らぐところはなく、健康そのものに見える。『土に影おけば』が、実に見事な 言い回しだと思う。実際には、作者の病はちっとも癒えてはいないのだろう。大地から湧き上がる生命力を己の体に取り込みたい、といった願いも感じ られる。
●余韻が不気味であり、影の世界を感じて困ったので、逆選。
特選、逆選、双方ともよい句評です。なるほどと感心しました。
削除特選に頂きました。
削除逆選評にある『不気味な余韻』も、優れた点であると評価しました。
(一点)
返信削除日に日に薬の紙
○病院の空気が伝わってくる。
この句は正しくは、
削除日に日に薬の紙を手にして三羽の鶴
です。訂正いたします。すみません。
(一点)
返信削除父のない子でよくない言葉覚えて霰のなか
◎父は子を守る傘である。父のない子は、身を守る傘のないまま世間に立ち向かわなくてはならない。霰がその頬を打つだろう。世間は容赦なくやわらかな肌を言葉や態度で打つだろう。よくない言葉は子が身につけた世間に抗する盾であり矛だ。身を守るために棘を生やしたさぼてんのように。いつか彼を愛して抱きしめてくれるものが現れるまで、彼の身体を心を霰は打ち続けるのであろう。
●よくない言葉を覚えたことを父不在のせいにしているような語りに疑問を感じた。
特選。
削除自分の境遇と照らして共感してしまいました。
(零点)
返信削除盗人も巡査も白い息をして行く
◎盗人も巡査も逮捕劇も、作者の日常の中にあった。諸々が隔離された現代においては、もはや詠みにくい景かもしれない。
○なんとも呑気で他人事な感じがよい。ドリフを思わせるコミカルさ。良い犯罪などあるわけがないが、現代の殺伐とした事件に比べれば、古き良き時代と感じさせる。
●場面を想像するとコメディ映画の様で笑ってしまいました。もうちょっと面白くできそうだなと思いました。
●身を削るような他の句に比べて、この句はどこか他人事で、描く対象との距離が遠い。とはいえ、これはこれで悪くない
●マンガ或いはコントの一コマっぽくて良い。「をして行く」は不要では?
特選でいただきました。
削除何度かあった、選が皆さんと逆になるパターンがここにも。
並選。
削除古戸暢さんと同じ意見でした。
とりませんでした。
削除評価するなら並選寄りの△。
ですが今月、最も注目された句といえるのではないでしょうか。
ここまで見事に評が分かれとは。
コミカル、という並選評が、逆選になるとマンガという言い方になるんですね。
(マイナス一点)
返信削除夕月、体温表の山はなだらか
●どれも良くて、内容で逆選は選べなかった。この句では句読点について皆さんの意見が伺いたかった。自分は意識して使わないようにしている。句読点を用いなくとも意味が通じる言葉選びをするという「しばり」を設けている。ただ、句読点の効果について否定するものではないし、使うときは使う。表現したいことによってはなんだって使う。ただちょっと「ずるいな」って思ってしまう。皆さんはいかがですか?
逆選です。
削除今回の句はどれも好きな句でした。
海藤抱壺さんですね。紹介いただいて感謝します。
>働猫さん
削除抱壺の句集は少し値が張りますが、一生ものですので是非。
ちなみに私は4,500円で買いました。
私も句読点不要派です。
削除句は調べをもったうたである。暗唱されるものである。
このように考えるため、うたった時にあったかなかったかよくわからなくなる句読点に必要性を感じないのです。同様の理由でスペースも苦手です。
ただ、句読点を使った句を否定するものではありません。好きな句もあります。自分ではおそらく用いないというだけです。
(マイナス一点)
返信削除獨りゐるエープリルフール雨がふる
●エイプリルフールをひとりで過ごしたことも、雨が降っていたのもほんとうのことなのだろう。報告は以上、という感じで一句としてはあまりに薄味である。四月バカなのに嘘もつけなかった、という自嘲なのだとしたら手が込んでいるが、それでもあまり面白いとは思えなかった。
逆選に頂きました。
削除言いたいことはだいたい句評の通りです。
この時代にエイプリルフールが存在したことにちょっとばかし驚きました。
削除皆様、お待たせいたしました。
返信削除引き続き、鉄塊 第十回研鑚句会の結果を発表いたします。
今回も、選のない句を(無点)として表記しております。
jこちらのブログの記事にも訂正箇所等がございましたら、
またご連絡下さい。
(無点)
返信削除おとろへ夕立の力を見てゐる
力が直球すぎるかと。
削除しかしこのおとろへ、病床ならではの単語かもしれません。
(無点)
返信削除すがられた蔓にすがつて倒れないのだ
そうして生きて行くのだ。
削除それでいいのだ。
(無点)
返信削除その葉のかたちになつてくるそれに雨
上句の意味をつかみきれませんでした。
削除(無点)
返信削除だまつてついてゐるうめもどきのみかな
そのままかと。
削除(無点)
返信削除また体温器と年を迎へ
体温計のことでしょうか。言い方が昔は違ったのですね。
削除元気にいるとなかなかお世話になりません。
(無点)
返信削除黒い塀におもひ出のやうな蝶がきた
観念的で苦手です。
削除(無点)
返信削除雀の胸に呼吸のみえてゐる元日です
いい句だと思います。しかしよく見ていますね。
削除元日すらじっくりと雀を観察するほかなかった。できなかった。
(無点)
返信削除蜂の巣は葉の裏雨がふる
うまいところにつくるものです。
削除(無点)
返信削除枕べ月と夏みかんはいつも一つおかれる
抱壺といえば、その枕元には桃を連想しますが、夏みかんもあったのですね。枕元で季節は巡る。
削除夢にも匂ふ桃が枕元 抱壺
>枕元で季節は巡る。
削除このフレーズはまさに抱壺にとっての日常だったでしょうね。桃の句もいい。夢にも匂うのはやっぱり桃ですね。
無点の句もコメント欄に追加いたしました。
返信削除よろしくお願いいたします。
海藤抱壺の俳号の意味は?
返信削除彼が結核で自宅の離れで病身を横たえ、血痰を吐き入れる壺を抱え込んでいたから、名づけました。
なるほど。そうだったのですね。
削除お教えいただきありがとうございます。