2013年6月9日日曜日

第四回VT句会(2013夏)③


コメント欄に参加者のコメントを列記(後半部)。

※上位句ならびに互選集計、作者発表はこちら
※コメント前半部はこちら

78 件のコメント:

  1. 虹色に暮れていくのが農村だ(2点)

    ◎「まさに農村を表しているのではないだろうか、太陽光は時により様々な表情を見せる。ピンクだったり、赤だったり、紫だったり……。そういったいろいろな光に、都会ではなかなか気づくところがない。農村のゆったりとした生活、精神的な余裕、あたたかさを感じられる一句である。」(真史)
    ○「じめじめしたところが無くて好感を持ちました。」(春休)
    ○「虹色といえば多様な人種が交錯する南アフリカ共和国を思い出す。”虹色の国”は彼の国の理想を表したものだが、農村も多様なものが美しく輝き、そして暮れていくようなところであってほしい、という願いを込めて一票。」(牛後)
    ●「意見ではなく、感傷を。」(圓哉)
    ●「農村の美しい情景を描いている。虹色という表現もマジックアワーを表しているのだろうとわかる。しかしなぜかストンと落ちない。素材も表現も美しいのにわたしの心が反応しない。それが不可解なため逆選で問いたい。この句を選択する方は当然いるはず。その意見を聞きたい。わたし自身の主観的な問題なのかを確認したい。」(働猫)
    △「句の内容をそのまま受け取るか、逆説として受け止めるか、微妙なところです」(オカピート)
    △「そうか?そうか?そうなのか?」(タケウマ)

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    1. 自信たっぷりの言い切りが面白いです。結果発表が終わってから、じわじわ来ました。いい句だと思います。ただ、良さに気づくのに時間がかかったのです。

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  2. 死を避けてホルモン注射の痛み(2点)

    ◎「生きている以上死の存在は割と身近にあるはずだけど、普段それを意識しないことが多い。意識していなければ『死を避ける』という表現は出来ないように思う。」(鴨芹)

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  3. ソース瓶ソースに汚れ祭果つ(2点)

    ○「祭りのあとの乱雑さ、ちょっとしたさみしさなんかが伝わってきて、非常にいいなと思いました。写生句のようでもあり。お見事。」(玉虫)
    ○「いかにも祭の後らしいです。」(倫代)
    ○「個人的に好み。下五の季語をとって少しいじれば、自由律句としても成り立つなぁ。ソース瓶がソースで汚れていることに目をつけた作者さんにラブコールを送りたい。」(ロケッ子)
    ●「爽波の『ソース壜汚れて立てる野分かな』の圧倒的な空気感に比べると、『祭果つ』はまったく効いていないし、リフレインの技巧に溺れた駄目駄目な句になっている。こんなところで俺知ってるんだぜ的に爽波を引用しないで頂きたい。」(ゆかり)
    △「『ああ、そうだなあ』と気づかされました。何でも後片付けが大変なんです。」(うぐいす)
    △「爽波の〈ソース壜汚れて立てる野分かな〉を思い出させますね。」(春休)
    △「いかにもありそうな景を見つけたことが手柄だが、その分類想がどこかにありそうな気もする。」(牛後)
    △「祭りが終わるさびしさが出ている。」(卓)
    △「着想がおもしろい♪ ただ、“ソースの汚れ”に少し違和感がある。“祭果つソースまみれのソース瓶”とか、推敲の余地がありそう。」(タケウマ)
    △「とぼけた感じで好きです。正しい汚れですね。」(雪兎)

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  4. 掃除機が敷居にころげ立夏なる(2点)

    ◎「ありますね、こんなこと。立夏が合っているかどうか。」(千晶)
    △「なんでもないことを切り取ったのが良かった。」(真史)
    △「さわやかな風が吹く頃なので、家中の戸を開けているのでしょう。正統派の味。」(雪兎)
    △「掃除機の主はどこへ行ったのでしょうか。開放的な夏の始まりを感じさせます。」(洋三)
    △「生活感があるのに風流な句。きっと文豪が詠んだものに違いない。」(ロケッ子)

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  5. 安心しろ痛点ははずしてある(2点)

    ○「しかし死ぬのだな、仏心というべきか。」(鮎美)
    ○「なんらかの攻撃を受けた側に攻撃した側が言うセリフのように思った。峰打ちは安心できるものではない。痛くないなら安心。痛点をはずす攻撃とは針攻撃であろうか。」(京介)
    ○「相当ひどい事態なのに本人は痛みを感じていない、こういう時が本当の危機だなと、そんな風に思いました。」(玄齋)
    ●「句というよりは、いわゆる『ボケ』でしょうか。読み手はあなたの相方ではありません。」(寝覚)

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  6. 漢らに陣痛きたる緑の夜(2点)

    ◎「緑の夜であれば男どもに陣痛が来てもおかしくない。よい子が生まれますように♪」(タケウマ)
    ○「誰か一人に起こった珍事ではない。『漢ら』とした発想に感動した。」(ロケッ子)
    ●「陣痛ってただ痛いだけではない。うれしさもあるし、不安もあるし、焦りもある。漢に来る陣痛ってどういうものなんだろうなあ。もしかして、作者は女性だったりして。『緑の夜』に何か意味があるのかもしれないが、個人的に、別の季語にしたほうがもっと面白くなったんじゃないかなあと思う。食べ物とか、植物とかそういう季語が良かった。女性に陣痛が来たのなら『緑の夜』で伝わるのだけど、漢だと『うーん、なんだろうなあ』というのが正直な私の感想。」(桃子)
    △「生物学上、女性の方が痛みに強く出来ており、男性はとても出産の痛みには耐えられないのだとか…。さてこの句の漢ら、何を産むのやら。」(春休)
    △「緊迫した場面こそコメディたりうる切り取り方。」(獺太郎)

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  7. 闇に何も見ない俺の眼(2点)

    ○「気分が暗い時に理由を尋ねない、そんな風に解釈しました。理由が分かった所でそれ自体はどうしようもない、そんな事態かなと思いました。」(玄齋)
    ○「なんとなく、里帰りしたような気持ち。」(祖啓)
    △「無頼も俳句の魅力。」(茂根)
    △「これは見ようしないのか、見えてないのか?見ようとしないのだろう。ではなぜ?そこがわからなかった。」(T宏)

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    1. 闇を覗くのが怖いのか、それとも闇は闇のままでいいと親しみさえ感じているのか。闇に対する接し方も人それぞれ。

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  8. 暑い日だった祖母の部屋に鉄格子(2点)

    ○「いつの話だ。」(鮎美)
    ○「認知症のある患者さんが夜中にうろつくのを防ぐための鉄格子かなと思いました。うろつくのを防ぐために椅子に縛り付ける、そんな光景も見ました。」(玄齋)
    △「事情はよくわからないが悲しい風景。」(牛後)
    △「鉄格子は徘徊防止用か。今でも十分介護は大変なのだけれど、一切合切家で看るという、かつての風習は本人にも家族にもつらい現実だったであろう。暑い日だった。祖母はその鉄格子の隙間から見える空に何を感じていたのだろうか。」(なな)
    △「日本の暗い因習のにおい、横溝正史的世界観。」(獺太郎)

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    1. 「暑い日」によって狂気が増幅されている印象です。祖母はどのぐらいの期間この部屋にいるのでしょうか。

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  9. 春芽吹く枝の痛みがあればこそ(2点)

    ○「芽と枝の痛みに新鮮さが、あればこそは理屈でここを違う表現で、推敲を願う。」(圓哉)
    ○「春の到来を告げる花芽に枝の痛みを思う。素晴らしい感性。」(T宏)
    △「逆選にしたいが、他にもっと逆選にしたいのがあった。」(ゆかり)

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  10. 夏の庭曲がり切れずに10t車(2点)

    ○「"夏"が根源的に持っている悲劇性。聞こえないはずのブレーキ音が。」(獺太郎)
    ○「美しい花々が咲き誇る丹精込めた庭へ、無情にも突っ込んでくるトラック。笑ってはいけないのだろうが、笑ってしまった。」(畦道)
    △「ああああ庭の端っこぺしゃってやられちゃった!こういうちょっと無残な感じの情景、ツボです。穏やかな世界の中のちょっとした破壊。ステキです。」(玉虫)
    △「た、大変だ。」(働猫)
    △「「10t車」が入れる庭は豪邸だろう。ブルジョワな句会である。」(ゆかり)

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    1. 庭の持ち主と10t車の運転手にしてみればたまったものではないでしょうが、この瞬間をスローモーションで見たい。そしてそこから何か発見したい。

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  11. 頭痛薬並べてメッセージふふふ(2点)

    ◎「並べてメッセージを残せるほどたくさん頭痛薬があり、よく頭痛になる人なのであろう。それだけだと、かわいそうに思うが、最後の三文字は笑ってるように感じる。憂鬱になりそうな薬の量を楽しいことにキラキラ変換してる知恵に拍手を送りたい。」(京介)
    △「ふふふ。私が頭痛くて寝てたとき、あなた、どこで、何してたの?ふふふ。…頭痛薬よりも広く鎮痛薬でも面白いかな、と思いました」(なな)
    △「「やさしさ」のアピールでしょうか。『ふふふ』がちょっと怖さを醸し出しています。でも、好みです。」(洋三)

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  12. トンガという国ご存知か五月場所(2点)

    ○「トンガ出身の力士でもいたのでしょうか。とぼけた味わいが魅力の句。」(春休)
    ○「『○○県出身~』と言われてもわからない場合があるのに、『トンガ国出身~』と言われては、という、少し悲しい滑稽さ。」(さくら)
    △「『ご存知ですか』でもなく、『知っているか』でもない。『ご存知か』という不思議な響きが面白い。トンガ出身の力士は、大相撲に居そうなものだが、調べてみたら居ないのだと。2009年5月場所まではいたらしい。そうか、だから5月場所なのか。」(桃子)
    △「トンガの力士がいるんですか!知らなかったな。ご存知か、と尋ねてきている紳士。いや紳士と仮定しますね。高齢で、初見の方なんでしょうね。なのにいきなり『トンガという国をご存知か』と聞いてくる。びっくりして応えに詰まっていると、『ご存知ないか』とまた聞いてくる。焦る。土俵にはなんか力士が二人いる。」(なな)
    △「思わずググってしまいました。以前はトンガ出身の力士もいたのですね。」(洋三)

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  13. 脱臼の痛みに青ざめてひとり(1点)

    ○「脱臼って、え、どうしよう、から始まりますよね。焦る。何故か一人で解決しようとする。焦る。痛い。痛い。怖い。怖い。青ざめる。この一瞬を適確に切り取られているなーと。多分季節は夏。本物の汗に交じった冷や汗が、冷たくて、より痛くさせる。」(なな)
    △「『脱臼』に対して『痛み』が蛇足な印象。『ひとり』もパターンという気がします。」(春休)
    △「切ないのはよくわかるが、なぜ一人でいるときに脱臼するような事態が起きたのか。体質なのか。不思議で切ない物語。」(りんこ)

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  14. レンブラント光線 シロツメクサの冠をください(1点)

    ○「レンブラント、シロツメクサというカタカナの連打が独特の雰囲気を醸し出している。雲から下りてくる光と白詰草の白さとの相性も良い。」(牛後)
    ○「絵にしたくなる句。いろんなストーリーが想像できる。私は、草の上に座り、シロツメクサの冠を編む美しい姉と妹。それを遠くから眺めている子がいるのを想像した。」(桃子)
    ●「前後のつながりがよくわからなかった。最初はレンプラント光線をスペシウム光線の一種と考えて読んでいた。危なかった。」(古戸暢)
    △「レンブラント光線がシロツメクサの冠に見えたのでしょうか?」(京介)
    △「美しい♪」(タケウマ)
    △「カタカナという印象が強い。」(りんこ)

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    1. 「レンブラント光線」という言葉に何と言うか無機質なものを感じてしまい、取れませんでした。

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    2. レンブラント光線とは「薄明光線(はくめいこうせん)」、別名「ヤコブの梯子」と呼ばれ、雲の切れ間から日が差し込む、その様子を示したものですね。天使が降臨してきて、シロツメクサの冠を少年に授ける、そんな光景を詠んだのではないかと改めて思いました。一句一句調べていくのも楽しいです。

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  15. 春が来ても男は生きてる無駄なのか(1点)

    ○「まあ無駄でしょう♪ でも、無駄こそが楽しい♪」(タケウマ)
    △ほぼ無駄という前提で書かれているやはり無駄だろう。」(鮎美)
    △「呪ったはずなのに、男はまだ生きている。やめよう。自分のしあわせを考えよう」(なな)
    △「恐ろしい想像をしてしまいました。もし想像どおりなら、やめた方がいい。『人を呪わば穴二つ』です。」(洋三)

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  16. また痛車のキャラがわかった(1点)

    ○「いろんな意味で痛いことが快感。」(祖啓)
    △「分かったことがないなと思いました。でも面白いです。」(玄齋)
    △「わかったら何かマズイんでしょうか。」(寝覚)
    △「共感できる。興味がなくとも情報が飛び込んでくる。この国はそういう国なのだなあと思います。」(働猫)

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  17. 遠雷や移転が進む水没地(1点)

    ○「遠くで鳴る雷のように、遠くのニュースとして捉えられている水没地の置き去り感が立ち上ります。」(さくら)
    △「ダム建設のため、故郷が水底に沈む。その最後の姿を見る夏の日。複雑な感情を遠い雷で表現するのは上手だ。」(働猫)

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  18. あをみどろの青きらきらと指すりぬけてゆく(1点)

    ○「夏の用水路が思い浮かびました。まさか”あをみどろ”で爽やかな気持ちにさせられるとは。」(ニレ)
    △「定型の方が馴染み深い人間としては、この自由律はリズムが緩慢なだけという印象を受けます。」(春休)
    △「理科好きな子を思い出しました。」(働猫)

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  19. 青き踏む集合写真を撮らぬ人(1点)

    ○「集合写真が嫌いな人の感じがよく出ています。『撮らぬ人』にもう少し工夫があれば◎でした。」(オカピート)
    △「春の初々しさがよく出ている。」(圓哉)
    △「いい陽気だしどっかにお出かけしたのかな。いますよね、写真に入りたがらない人。家族旅行での頑固なおじいちゃんなのかな、と思って微笑ましい。幸福感をぐっと感じさせてくれる良句。好きです。」(玉虫)
    △「実感として。」(さくら)
    △「思い出は写真ではなく心で残す派でしょうか。群れることを拒み、自然と孤独を愛する人なのかもしれません。」(洋三)
    △「撮影者ではなく被写体側のことだと解釈したけど合ってるでしょうか。まあ、どちらにしても何か事情がありそうで、他には何の情報もないその人がとても気になる句でした。」(ロケッ子)

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  20. 雑踏の一人は射抜かれてをりぬ(1点)

    ○「現実にこのようなことがあったら大事件なのだけれど、こんなふうに詠まれるとすごくシュールで、くすりとした。」(真史)
    △「ゴルゴ13か♪」(タケウマ)
    △「射抜いたのは視線でしょうか。ストップモーションの絵を見るような美しさがありますね。」(ニレ)

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    1. 危ういバランスの上に生命が成り立っている、そんな世の中に生きていると自覚させる句です。怖いぐらいに都会的。

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  21. 五月空斬り裂いてこそつばくらめ(1点)

    ○「今にぴったりな句。旬だ。旬の句。『こそ』がピリリと効いている。」(ロケッ子)
    △「燕が空を切って飛ぶそのラインが鮮やか。なのですが、燕の黒が鮮やかに見え過ぎ、どうも気になりました。」(さくら)

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  22. 十六夜や悪びれもせず帰宅せり(1点)

    ○「『いざよう』とは真逆の態度。言い訳は『まだ月が出てるんだからいいじゃないか』でしょうか。帰宅した夫を迎える妻の顔は夜叉か菩薩か。」(うぐいす)
    ○「愛は円満を過ぎた。が、それでも戻ってくる影。円満の延長線上にあるふてぶてしさを感じます。」(さくら)
    ●「たとえネット上の句会でも、句会はその時集った者同士が句を交わすもの。時宜を大きく外した句はやはり響いてこない。」(春休)
    △「ふてぶてしい感じでいいです。きっと深夜の帰宅なのでしょう。『十六夜』が効いています。」(洋三)

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  23. 痛飲の夜花底蛇を知る(1点)

    ○「ひどく酔っ払った日のまぼろしかな。痛飲と言う言葉が個人的に新鮮だった。酒を飲まないもので。」(T宏)
    △「”花底蛇”という言葉は初めて知った。なるほどねえ、とは思ったが、もうひとつわからなかった。」(牛後)

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  24. 転がったレジ袋 ずっとずっと見守った(1点)

    ○「う~ん。大げさな表現だと思うけど、転がるレジ袋に惹かれました。」(千晶)
    △「”見ていた”のではなく”見守った”というところに作者の気持ちが出ていて、それが良いか悪いかは私にはわかりませんが、どう考えても嫌いな句ではないので△として選ばせていただきました。」(ニレ)
    △「こういうものを見守れるのが詩人なのかもしれない。」(雪兎)

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  25. 人間と等身大の水中花(1点)

    ○「でかい!そんな水中花見てみたい!」(露結)
    △「あれば面白い。どこに沈めてどう見るかだ。」(鮎美)
    △「うーん、「人間」というのが、なんだか言い過ぎかなあ・・・。でも、おもしろいと思う。」(桃子)

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  26. 栗饅頭イガごと入れて痛てててて(1点)

    ○「この句の作者は、『びっくり』なんてコメントを求めているのかもしれないなあ、と思いながら読んだ。私も、ダジャレじゃなくて普通に、この発想力に『びっくり』した。イガごと入った栗饅頭、イガの隙間には餡がはさまって剥きづらかったり、イガを剥くとさらに固い皮につつまれた栗が入っていたり。ん、イガごとっていうことは、もしかして栗は生だろうか。まったくおいしそうに感じない、この不思議な栗饅頭の句が好き。」(桃子)
    △「そんな栗饅頭はない♪」(タケウマ)
    △「栗饅頭にイガはついてるんでしょうか。」(寝覚)

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  27. つかれてねむるこども実家の香り(1点)

    ○「祖父母の家で遊び疲れた子供に対する、親の優しい眼差しを感じる。線香の染みこんだ、古い畳の香りを想像した。」(畦道)

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    1. 改めてみてみると良い句だと思いました。かつて短歌大会に出したお題が「月」の一首、「海の宿遊び疲れて寝る子らを月の光が眺めて過ぎぬ」を思い出して懐かしくなりました。海を思い浮かべていました。

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  28. 痛いさ 慣れているだけ(1点)

    ○「架空の映画の中の架空の台詞のようである。」(ゆかり)
    △「涙なんかじゃないやい。」(鮎美)
    △「病院を想像した。耳鼻科の治療も、歯の治療も、注射も大人だって痛いのだ。もちろん、痛みに対する慣れもあるかもしれないが、痛みを我慢することの慣れもあると思う。将来、子どもにこういうセリフを言えたらかっこいいだろうな。」(桃子)
    △「その痛みは何の痛みだろう。失恋か、それとも定期的な注射(インスリンなど)か。いずれにせよ哀愁の漂う句です。」(洋三)

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  29. 涙より柔らかな、牡丹(1点)

    ○「これは倒置したほうがいい気も。そうすると詩でしかないのかもしれないが。」(茂根)
    △「読点に工夫がある。美しいけれどちょっと甘い気がしました。ここらへんは好みかと。」(タケウマ)

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  30. 満月の鏡一枚叩き割る(1点)

    ○「満月の鏡はありがちだけれど、エネルギーがあるので。」(千晶)
    △「月と鏡はよく取り合わせられる素材だが、下五に意外性。」(茂根)
    △「女は満月を見るな、なんて話を聞いたことがあります。満月は狂気を呼ぶようです。『満月の鏡』としたかったのでしょうけれど、『満月や』と切ってもいいかなと思いました。」(うぐいす)
    △「叩き割るを変えてもいい句になるのでは。」(智佐)

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  31. 裏庭の牡丹の妖しく夜の女かよ(0点)

    ○「いいいです。妖艶な牡丹が目に浮かびます。かよ、とぶっきらぼうに終わる感じもスゴくツボ。大好きです。」(玉虫)
    ●「「かよ」が惜しいなと思いました。三村かよ!って思ってしまいました。あと『の』の連続って柔らかい感じを持たせることもあるんですが、この場合、間延びした感じがしましたね。赤い牡丹なら、寺島しのぶさんで、白ならりょうさんでお願いします。」(なな)
    △「佳句。でも、これを選ぶのはボクではなくていいと思った。」(タケウマ)
    △「裏庭の牡丹を眺めていると、夜の女が通りかかって驚いた様と読んだ。牡丹を女とたとえた可能性もあり、少し悩んでしまった。」(古戸暢)
    △「"かよ"の使い方が新鮮に感じた。」(獺太郎)
    △「「かよ」が眼目なのかも知れないが、『かな』と安易に代替可能で残念である。」(ゆかり)

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  32. 道欠けの月夜見の森黄泉の守(0点)

    ○「いいですね。音読するとほとんど肉体的に快感と言っていい程気持ちのよい句。よみのもりよみのもりの反復が気持ちいいしステキ。個人的に大好きな句材である月が出てくるのもツボだし、ちょっとオールドファッションな響きなのもいい。大好きです。」(玉虫)
    ●「美しい韻律にうっとり♪ 特選かと迷ったが意味がいまひとつつかめず逆選に。読み手の読解力のなさを許されよ♪」(タケウマ)
    △「技巧的だなあと思いました。」(働猫)

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    1. 玉虫さん評によって音読の気持ち良さに気づきました。選句では見逃してしまいましたが、好きな句です。

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  33. リツイートされ痛い(0点)

    ○「遠回しに私を中傷しているなと思ったツイートは、リツイートをした上でリプを返して直接に真意を確かめるようにしています。防衛策の一つですね。」(玄齋)
    ●「もうひと越え何かほしい。」(智佐)
    △「リツイートの意味がわからず、検索した。しかし結局、『痛い』の方がわからないままであった。時代に取り残されて行くのを感じた。」(古戸暢)

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  34. 三日月をあしらふビルの島に母といふ母(-1点)

    ○「私の力では想像しきれないが気になる。言葉の並びが好きな句だ。」(りんこ)
    ●「何回読み返しても映像が浮かびませんでした。しかし、駄目な句だとは思いません。むしろ、今回一番心にひっかかる一句でした。」(オカピート)
    ●「要素が多いせいでしょうか、意味がよくわからなかったです。」(倫代)
    △「おふくろさんよ、おふくろさんよ、空を見上げりゃ…あぁ月ですね。月ですかね。もうよくわからないです。もしかしたどこかの企業の広告塔の一部かもしれない。ビルが乱立。ビルのないところなんて、この日本にあるのかしら。母は母だけど、母というものにもう望郷の念は含まれていないのでは。なんか寂しなあ。母は居てくれる。でも寂しなあ。」(なな)

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  35. たしかに今もひとり深爪の痛さ(-1点)

    ●「爪の句はいろいろあるので新鮮味に欠けてしまう。『たしかに今もひとり』の部分は好きなのでもったいないと感じた。」(鴨芹)
    △「痛は難しいお題、もうちょっと言葉の整理があれば。」(圓哉)

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  36. 膨れ上がる唇痛々しいみどり(-1点)

    ●「ん?なんだなんだ、毒草ってこと?」(鮎美)
    △「痛々しいがなくても十分痛そうではある。」(りんこ)

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  37. 拭いても汗拭っても汗(-1点)

    ○「とめどなさが伝わる。」(智佐)
    ●「そりゃそうでしょ。としか言えない。」(千晶)
    ●「これで良いのかな、とだけ思いました。」(玄齋)
    △「繰り返しが効いています。」(倫代)
    △「まだ5月なのに、じわじわとした暑さが伝わってくる句。ずっと繰り返し、拭いたり拭ったりしているのだろう。」(桃子)
    △「部活動。」(祖啓)

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  38. 「滅ぼせ」と頭蓋の中を蟲が這う(-1点)

    ○「困っている。」(祖啓)
    ●「ちょっと中二っぽ過ぎるかな、うひゃーと思いまして、逆選にとらせて頂きました。でも好きか嫌いかっていえば、こういう世界観は大好物だったりするワタシですw こちら、もう少し料理すれば超ステキな句になるんじゃないか。そんな気がするのです。中二っぽい考えを中二っぽいと思わせないで伝え切ることが出来たとき、溜息が出るような芸術が生まれる気がするのです。私自身そうしたものを作りたいと思い続けております。一緒に頑張るべー!!(^〇^)」(玉虫)
    ●「狙ったとしても悪い意味の中二感。」(獺太郎)
    △「頭の中が、いらいら、ぐちゃぐちゃしている様子が伝わってきた。蟲と書くだけで、とても気持ちの悪い生き物を想像する。」(桃子)
    △「クスリは止めたほうがいいと思います♪」(タケウマ)
    △「世間一般的には『厨二』の一言で切って捨てられるかもしれませんが、こういうの嫌いじゃないです。でもちょっとテンプレですね。」(寝覚)
    △「蟲が体を這う妄想をみる病気があるという。それのことだろうか。」(古戸暢)

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    1. 漫画やアニメの世界を俳句で描くというのは私もやっていたことがあるので嫌いではないです。ありがちな句よりずっといい。

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    2. こういうのを書くと「漫画やアニメ」だと思われるほど、世にそういった漫画やアニメが氾濫しているのでしょうか? よくわかりません。

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    3. してると思いますよ。私は真っ先にそれらを連想しましたね。
      まあ私がそういうのに他の方より親しんでいるというのもあるでしょうが(笑)
      でも現実的に考えて、私達は俳句にしか触れていないというわけでもないのですから、そういった事態も起こり得るのではないでしょうか。

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  39. 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い脚も雨も電話も(-4点)

    ○「脚は触覚。雨は視覚、嗅覚。電話は聴覚。味覚はないけど、こんだけの感覚が痛みを感じ取ったら、そりゃ痛い痛い痛い痛い…なんでも痛い。それがいつ爆発するのか。痛い痛い痛いが時限装置の『ちっちっちっ』にも聞こえてきて怖い」(なな)
    ●「"痛い"の連続がくどい。」(京介)
    ●「どうしても『痛い』を数えながら読んでしまうため、言葉の余韻がなくなってしまいます。」(さくら)
    ●「痛いが多すぎて伝わらない。」(卓)
    ●「見た目がすごい。」(祖啓)
    ●「「痛い」の回数ですが、リズムがそれほど良くない気がします。雨の中、携帯を持ったまま転んでしまったと捉えました。踏んだり蹴ったりな感じは出ていると思います。」(洋三)
    △「面白くなりそうな句ですが『脚も雨も電話も』が今一つクリーンヒットしていない印象です。」(春休)
    △「定型律を強く意識している感じ。」(鴨芹)
    △「これだけの痛みの最中に作った句なのだろうか、日常的な痛みなのか。この回数に意味はあるのか興味がある。」(りんこ)
    △「多い(笑) 九回も続ける必要があったのだろうか。多すぎて、最後の『電話も』がいきなくなってしまっているような気がする。せめて八回に。(そんなに変わらない)」(ロケッ子)

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  40. あまりにも、とにかく頭が痛すぎる(-5点)

    ○「ひどい頭痛のときは本当にこうだ。これ以上の言葉はいらないと思う。」(りんこ)
    ●「句と呼ぶにはそのまますぎると思いました。それが狙いなのかもしれないけれど。」(うぐいす)
    ●「 はいそうですか句になっちゃってる。あまりにも、の効果も少ないと感じました。」(T宏)
    ●「それはお大事に、というしかない。その向こう側に見えるものがわからなかった。」(牛後)
    ●「"あまりにも"とか"とにかく"のような、その言葉自体が最初から持っている『程度の大きさ』に句の肝心な部分を託してしまうような作り方はどうなのだろう、と。おそらく、あえてその全く空虚な構成の面白さを狙った句なのでしょうが、それにしても消化不良な感じがしてしまいました。」(ニレ)
    ●「頭が痛いのはわかったのでこの先を書いてほしい。この頭痛から句を導き出すのが俳人だろう。報告で終わらせるのは誰にだってできる。」(雪兎)
    ●「ストレートな表現で好きですが、これは文章の一節であって句ではないなぁと感じました。」(ロケッ子)
    △「良く分かりましたので頭痛薬を飲むか病院に行きましょう。」(寝覚)
    △「あまりにも、と言いかけて、でも言葉が見つからない。だって頭が痛いから。頭痛いときは頭痛いとしかいえない。その上『すぎる』でまた誇張しちゃって、もう収拾がつかない。『が』と『ぎ』を強調して読んだら、頭痛伝染しますよ」(なな)
    △「本当に痛かったのでしょう。それ以外の言葉が出てこないというリアリティ。」(露結)

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    1. 素晴らしい再考ができました!

      ・あまりにも、とにかく頭が悪すぎる

      やっと、これを、自解する事ができました。

      この1年間、句会で自解をするたびに、なぜか異常に困ってばかりいたのですが、
      やっと、謎が解けました。

      これ以外に、追求の仕様がないです。

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  41. 美少女の幽霊宿り藤の花(無点)

    △「綺麗だけどそのまんますぎるような。美少女の幽霊と藤の花が近いように思う。」(京介)
    △「宿りが別の言葉なら。」(卓)
    △「藤の花に宿るなら、三十歳以上の女性でお願いします。」(なな)
    △「なるほど、確かに『藤の花』の下には『美少女の幽霊』がよく似合う。」(洋三)

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  42. あなたの背抱きつつ受け入れた痛み(無点)

    △「『あなた』との間に微妙な距離感があるように感じる。」(鴨芹)

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  43. 迷ったままで日が暮れる(無点)

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  44. 蟇鳴くや本当の愛知らぬまま(無点)

    △「いま自分の中にある気持ちに対して第三者に、『それは本当の愛ですか?』と言われれば、『私のそれはあなたの思うそれではない』としか言えません。」(玄齋)

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  45. 頭の痛い昨夜くらったバーボンだ(無点)

    △「俳句をやっていると、『助詞をいろいろ変えてみると良い』と、よく聞く。この句も『頭が痛い』ではなく、『頭の痛い』となっている。シンプルだからこそ、この『の』という助詞が生きるし、より頭が痛いのが伝わってくる。そういえば、バーボンは、ほかのウイスキーよりもおいしすぎて、つい飲みすぎてしまうと聞いたことがある。」(桃子)

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  46. 痛みすら告げず散る葉ひとつひとつみっつ(無点)

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  47. 夜が明ける痛み止めまた飲む(無点)

    △「生活という物の終わらない緩やかな苦役感がにじみ出ている。」(獺太郎)

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  48. 吹き上げられて轢かれ蝶(無点)

    △「風だろうか。ちょっとした自然のいたずらによって、蝶が車に轢かれてしまったことを想像した。残酷だ。この句が綺麗にまとまっているのもゾッとする。」(桃子)

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  49. 風車使徒としてたたずんでいる(無点)

    △「として、が弱いか。」(茂根)

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    1. この「使徒」はエヴァの使徒でしょうか。だとするともっと不可解な行動を取っているはず。

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  50. 腰痛のやうに高まる卯波かな(無点)

    △「面白いのだが、”腰痛のやうに”という比喩がとってつけたような感じもする。」(牛後)

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  51. 痛痒し蚊を仕留めたる掌は(無点)

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  52. 五月闇行方不明の偏頭痛(無点)

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  53. 絹莢や従順という青臭さ(無点)

    △「青臭さをもっと綺麗な言葉へ変えて欲しい、絹莢という言葉がきれいだから。」(圓哉)

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  54. 旅先で出会ったことのない虫が飛んでいる(無点)

    △「五七五にすれば『旅先に出会ったことのない虫と』のようになるのでしょうが、こちらの方が良いような…。『飛んでいる』がどうしても必要なのでしょうか。必然性がなければ、句はまとまりがなく、弱いものになります。」(春休)
    △「ケラリーノサンドロヴィッチ『フローズン・ビーチ』わいとうせいこう『波の上の甲虫』を思い浮かべました。虫なんですよ。ちっこい、ちっこい。でもそういうものがなんか啓示に思うてくるんですよね、見たことのない虫なら余計に。」(なな)

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  55. 痛風の辛さ肴に発泡酒(無点)

    △「分かるやけくそな感じおぼえあるから。」(鮎美)
    △「痛風堪えて呑むんだったら、せめて良い酒飲んでください!っ泣きそうになりました。でもこの落としどころが面白いと思います。」(なな)

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  56. みどりの日にみどりのない俺がいる(無点)

    △「女性の黒髪には緑が宿るという。男の『俺』の髪は黒だ。むせ返るような黒。でもそれが君であり、たしかにいる、生きている。みどりの日からこの『俺』、生命力を得ているようだ。」(なな)

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  57. 行く春を少しの汗と歩きます(無点)

    △「行く春にしては爽やかすぎるか。」(牛後)

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  58. 満月や血祭り毎の痛み忌み(無点)

    △「女性のあの日かと想像しました。血祭りとは恐ろしいですが、そんな感じなんでしょう。女という業の深さ を感じる佳句。」(T宏)

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  59. 雨になる空映しみどりの葉(無点)

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  60. 手術後の抜糸痛くて蚊がうざい(無点)

    △「『手術後の』が不要に感じたが、定型にするために入れた語なのでしょうね。『抜糸がいたい蚊がうざい』でいいのに、と。」(働猫)

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  61. 寂しがらせる天才だ君も僕も(無点)

    △「若干キザな言い方だけれど、うまいと思った。」(真史)

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  62. 痛い痛いと言う今朝は青空(無点)

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  63. 呪い歩けば三日月の低く(無点)

    △「おとぎ話のような時。」(祖啓)
    △「三日月が低いせいでこうなったのか、それとも逆か。」(雪兎)

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  64. 古戸暢さん、ブログアップお疲れ様でした。
    コメントはどなたでも書き込めますので、選評で言い忘れたことなどどしどしお書きくださいませ。
    ご参加いただき誠にありがとうございました。

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