2014年1月22日水曜日

第二十回 鍛錬句会

最高得点句
草が立つようにして負ける  祖啓

コンプリート句
懐かしくなるまで空き地見ている  獄美
ナウシカを見て急に立ち上がった姉  雪兎

互選集計
(5点) 草が立つようにして負ける ◎◎○△
(4点) いつまでもむかしのニベアの蓋よ母よ ◎○○△△
(4点) 可哀想におれの尻しか知らぬ椅子 ○○○○△△△
(3点) かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと ◎○△△△△
(3点) 懐かしくなるまで空き地見ている ◎○○△(コンプリート!)
(3点) 老いた父の茶色い背中に初春のひかり ◎○△△
(3点) お前の名前で乾いた唇切れた ○○○
(2点) ナウシカを見て急に立ち上がった姉 ◎○●△△△△△(コンプリート!)
(2点) 明けても暮れても頓着ない犬の舌桃色 ◎△
(2点) ふるえる手が描く辛うじてドラえもん ○○△△△
(2点) カーテン開けて今日の窓はこれぐらい ○○△△△
(2点) 入ってくる客入ってくる客雪化粧 ○○△△
(2点) 深夜の階下が起き出した音だ ○○△△
(1点) 上手に元恋人の口ぶりをまねた無人駅は三日月 ◎●△△
(1点) 爪切り見当たらない日々の爪のびる ○△△△
(1点) マフラー外す貴女の頬が紅い ○△△
(1点) 一生分泣くことはできない小さなからだ ○△△
(0点) 死んだ花のびる母ねむる ○●△△△
(-1点) でもしまむらで買ったんですという謙遜 ●△△
(-1点) 死にたいと笑う人に寄り添えぬ朝なり ●△
(-3点) 泣いてもくっつかない夕焼けのような怪獣のしっぽ ●●●△
(無点) タコをマネすれば治まる △△△△△△
(無点) 明日は帰省のトランクス四着 △△△△
(無点) 肺も見ていた初夢だった △△△
(無点) タピオカ喉に詰まらせるこれが俺の正月 △△
(無点) 一回両手で受け止めて、また捧げる △
(無点) つくられた関係を甘噛む雪はなにも見てない

※以上全27句。特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。△は無点。


◆ゲスト紹介

本間鴨芹・・・自由律俳句結社「海紅」同人。元・鉄塊衆。
再び闘いのリングへ降り立った男。私(風呂山)とは同門の同志である。


◆作者発表(ゲスト以下、アイウエオ順)

【本間鴨芹】
ふるえる手が描く辛うじてドラえもん
でもしまむらで買ったんですという謙遜
タピオカ喉に詰まらせるこれが俺の正月

【小笠原玉虫】
老いた父の茶色い背中に初春のひかり
明けても暮れても頓着ない犬の舌桃色
死にたいと笑う人に寄り添えぬ朝なり

【地野獄美】
懐かしくなるまで空き地見ている
いつまでもむかしのニベアの蓋よ母よ
可哀想におれの尻しか知らぬ椅子

【十月水名】
肺も見ていた初夢だった
泣いてもくっつかない夕焼けのような怪獣のしっぽ
上手に元恋人の口ぶりをまねた無人駅は三日月

【中筋祖啓】
タコをマネすれば治まる
草が立つようにして負ける
一回両手で受け止めて、また捧げる

【畠 働猫】
死んだ花のびる母ねむる
つくられた関係を甘噛む雪はなにも見てない
一生分泣くことはできない小さなからだ

【馬場古戸暢】
明日は帰省のトランクス四着
爪切り見当たらない日々の爪のびる
深夜の階下が起き出した音だ

【藤井雪兎】
かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと
ナウシカを見て急に立ち上がった姉
カーテン開けて今日の窓はこれぐらい

【風呂山洋三】
入ってくる客入ってくる客雪化粧
マフラー外す貴女の頬が紅い
お前の名前で乾いた唇切れた

以上9名


33 件のコメント:

  1. 18 草が立つようにして負ける  (5点)

    ◎冬の草は寒さに耐えて頑張っている印象があるのですが、それが負けるという逆説。負け方とするならば、格好良い負け方じゃないでしょうか。男同士の殴り合いの末の敗北のような。(水名)
    ◎冬を迎え枯れた草の様子だろうか。負けることを受け入れる潔さを感じ背筋が伸びる思いがした。(鴨芹)
    ○「負けているはずなのに、勝ったような姿勢。勝者のためにあるような代名詞でうまく遊んでいる感じ。草は何にも負けることがないからだろうか(地野)
    △これは説明が必要であろう。(働猫)

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  2. 17 いつまでもむかしのニベアの蓋よ母よ  (4点)

    ◎思えば「ニベアの蓋」のデザインは昔から変わっていない気がする。(期間限定のものはあるらしい。)それを見て幼い頃を思い出したのだろうか。いずれにせよ、いい眼差しを感じる。「蓋よ母よ」に熱いものを覚えた。(洋三)
    ○松本大洋の「sunny」の中でこうした情景が描かれていたが、「ニベア=母のにおい」という記憶は一般的なものなのだろうか。残念ながら自分には共感できるものではないが、韻律のよさもあり、とる。(働猫)
    ○私の母の部屋にも錆びたニベアの缶があった。あれは今どうなったのだろうか。今度母に聞いてみよう。(雪兎)
    △ニベアは香りも昔のままで、あれを嗅ぐといろんなことを思い出しますよね。詠み人の思い出の光景の中心には母がいる。ぐっとくる句です。(小笠原玉虫)
    △「~よ~よ」はいわゆる自由律の定型というまでのものではないにしても割によく見る表現で、この句に関してはこれが効果的なのか微妙。ニベアと母が付きすぎというわけではないけれど。(鴨芹)

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    1. 「ニベア」が何なのか、今検索するまでわかっていなかった。個人差か家庭差か地域差か。

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  3. 26 可哀想におれの尻しか知らぬ椅子  (4点)

    ○ホームズに座られたい(祖啓)
    ○乱歩の「人間椅子」をほうふつさせますね。強烈なフェティシズムです。(水名)
    ○いや、椅子は案外あなたのお尻を気に入っているかもしれない。(雪兎)
    ○考えさせられた。いろいろな尻を知っている椅子が幸せなのだろうか。ただ一つの尻を支え続ける生き方も椅子にとっては幸せなのかもしれないし。この場面では自虐もいいけど逆にうぬぼれるのも面白いかも。(鴨芹)
    △本当に「可哀想」なのかどうかはわからないが、物への屈折した愛情を感じる。(洋三)
    △たくさんの尻を知っていることが果たして幸福かどうかはわからない。自分は車だったら他人に運転はさせたくないと思うが。こちらの句で想定されているのは風呂のいすとか便座のような気がする。可哀想なのは椅子でなく招く人もない自分のことなのだろう。(働猫)
    △美女にも座ってほしい…(´;ω;`)ブワッ

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  4. 04 かわるがわる地球儀を抱くあにおとうと  (3点)

    ◎幼い兄弟のほほえましい姿を思い描いた。地球儀を取り合う理由が、久しぶりに帰ってきた父のみやげだからか、それとも世界征服を宿命づけられた兄弟だからか。地球儀を句材にもってきたのがとてもよかった。(働猫)
    ○いい光景ですね。地球儀を抱きながら、いずれ自分が行きたい国を確認する兄弟。ほほえましい。(水名)
    △兄弟喧嘩を思い起こした。だが、その元が「地球儀」であることが面白い。(洋三)
    △可愛いですね。目の前の情景を詠みつつ可愛い兄弟の明るい未来と可能性も感じさせる佳句です。(小笠原玉虫)
    △現実には抱くのではなくぶん回すような気がする。それも西から太陽が昇るような方向に回しちゃったりする。でも今は、地球儀を抱くような人が政治家にふさわしい時代なのだろう。(鴨芹)
    △地球儀は、それなりに重かった 地球ほどではないけれど(地野)

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  5. 09 懐かしくなるまで空き地見ている  (3点)

    ◎空き地というだけで懐かしさの対象になる風潮がある。この句はそんな風潮に疑問を投げかけているのではないだろうか。他にも色々解釈できる幅広さを持った句である。(雪兎)
    ○何らかの思い出。ただ、懐かしさが込み上げてくるまでに少々時間がかかる。感傷的になりたいのになりきれないもどかしさを想像した。(洋三)
    ○思い出の中のその場所はやはり空き地だったのだろうか。だとしたら今も空き地であることは幸せなことに違いない。でも、すぐに懐かしさを感じないというはどういう状況なのだろう。(鴨芹)
    ●ちょっと意味が分からない、という意味での逆選です。懐かしい空き地を見るなら分かるけど、懐かしく”なるまで”空き地を見ている? どういう状況なのかな。故郷というものは懐かしくなければならない、でも嫌な思い出とかがあってとてもそんなスウィートな気持ちにはなれず……でも何とかしてなろうとしてる?とかかな?想像が膨らみます。鉄塊衆の皆さまはどう読みましたか?(小笠原玉虫)
    △思い出の建物の跡地なのだろうか。土管を3つ配置してリサイタルの準備をするとバーチャルな懐かしさを得られるかもしれないですね。(働猫)

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    1. 先日帰省した折、こういう気分で小学校を見ていた。懐かしくはならなかった。

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  6. 05 老いた父の茶色い背中に初春のひかり  (3点)

    ◎この茶色は、服の色だけを指しているのではあるまい。(古戸暢)
    ○結句に救われる思いがした。希望すら感じる。(洋三)
    △色彩のコントラストが効果的である。老いゆく者と新しく始まる年。穏やかな新年となりましたね。お父さんを大事にしてください。(働猫)
    △説明が過剰気味。句材は一見ありきたりのようでいて実はそうでもない。(鴨芹)

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  7. 20 お前の名前で乾いた唇切れた  (3点)

    ○不意に声に出してしまった。冬は恋心にさえ油断できない。恐ろしい季節だ。(働猫)
    ○「唇切れた」とあるので、この「名前」は呟かれたのではなく、叫ばれたのだろう。おそらくは悲劇的な理由で。(雪兎)
    ○いいですね。「上手に元恋人の~」の句と、どちらを特選にとろうか最後まで迷いました。空っ風の土地の生まれ育ちのわたくしは、冬の冷たい乾いた空気の表現に非常に弱い。そう、こちらの句から、わたくしは風を感じる。冷たく乾いた風です。詠み人の胸の内にも強い風が吹いているのを感じます。この種の激しさは大変セクシーですね。大好きな句です。(小笠原玉虫)

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  8. 12 ナウシカを見て急に立ち上がった姉  (2点)

    ◎かっこいいなあ。姉に惚れてしまいそう。居ないけど、きっと正義感が強くて、妹とか弟には厳しくてやさしいのだろうな。ナウシカが嫌いとか、そうでない解釈もできるけど、ぼくの憧れの中の姉は、いつも誰より遠い目をして様々なことに我慢している女性だった(地野)
    ○なんかエロい(祖啓)
    ●何も見えてこない。(古戸暢)
    △自分も何かを為さねばならない。そんな心境だろうか。私にもそんな時がある。(洋三)
    △過去何回テレビで放映されたかわからないが、過去に経験した音楽や映像が、その当時の記憶を蘇らせることがある。フラッシュバックですね。どのシーンがきっかけになったのかはわからないが、姉の何かが蘇ったのだ。世界を救いたい願望を思い出したのかもしれない。(働猫)
    △ナウシカではなく、巨神兵にシンパシーを覚えたのでは?(水名)
    △こうしちゃおられんと昂ったのかな。もしくは、映画を観て泣いたのを悟られたくなかったか。いずれにしても抱き締めたくなるようなお姉ちゃんです。(小笠原玉虫)
    △姉は何故立ち上がったのか、というのがこの句のポイントだと思うが、この形だと立ち上がった理由を想像するにもあまり広がりがない感じがする。(鴨芹)

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  9. 16 明けても暮れても頓着ない犬の舌桃色  (2点)

    ◎犬の舌が、ホントだ、綺麗すぎる(祖啓)
    △犬に限らず、動物は末期の眼で生きている。こうした年中行事の際にそれを実感するのですよね。(働猫)

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  10. 07 ふるえる手が描く辛うじてドラえもん  (2点)

    ○良すぎる(祖啓)
    ○アルコール依存症の大人が、孫のためにドラえもんを描いたのでしょうか。どうにかしてアルコールをたとうとする哀愁を感じました。(水名)
    △時節柄、年賀状を思い浮かべた。不自由な手にペンを握らせて、なにか書いてみなさいと言ったのだろう。字を書くよりも絵を描く方がまだ易い。しかしその絵も辛うじてわかる程度だ。かつては得意だったのかもしれないと思うと余計に喪失感を覚える。(働猫)
    △病床のおじいちゃんが、お見舞いに来た孫を喜ばせようと「ほぉら……ドラえもんじゃよ……プルプル」って描いたような気がします。涙。(小笠原玉虫)
    △覚えているものを描いてくださいと言われてかけるものがそれしかないときの絵(地野)

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    1. 「辛うじて」はたぶん「ドラえもん」の方にかかるのだろう。

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  11. 27 カーテン開けて今日の窓はこれぐらい  (2点)

    ○一人暮らしの始まりだろうか。何を食べるのも、いつ眠るのも自分で決められる自由。窓すなわち社会との接点や関わりの大きさと範囲もまた、自分で決めることができてしまう。そんな自由にやがて倦んでいくいくことになるのだが、今はまだその自由を謳歌できているのであろう。うらやましくもある。(働猫)
    ○日によって、窓を開け放つ加減を決めている繊細さ。人に会いたくないような日はこれくらい、少し電話で誰かと話がしたくてこんなにあけてみる、とか、そういうことがあるのだろうか(地野)
    △カーテンの開け具合で窓の大きさが変わる。確かに。視点がいい句。(洋三)
    △「これぐらい」で小さい窓かな、と思いました。一日の小さな始まり。(水名)
    △一日中外に出ない休日か、もしくは引きこもりさんの光景かなと思いました。ちょっとだけカーテン開けて、ちょっとだけ入ってくる日差しににっこり微笑んでるイメージ。ささやかな幸せ。つられて微笑みたくなる可愛らしい句です。(小笠原玉虫)

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    1. 採り逃したが、いい句だと思う。

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  12. 08 入ってくる客入ってくる客雪化粧  (2点)

    ○大雪の日の景か。面白い。(古戸暢)
    ○人に対して雪化粧という言い方はあまり見ないがこの表現はうまい。句自体は「分け入っても分け入っても~」っぽいけれどそれも効果的。(鴨芹)
    △雪を避けて店に入った。喫茶店かおでん屋か。雪はやまないのだろう。入ってくる客たちはみな頭や肩に雪を乗せてくる。見知らぬ同士でも同じ境遇に思わず笑みを交わしたことだろう。店内の暖かさは暖房のおかげばかりではなかったようだ。(働猫)
    △いいですね、冬の日のひとコマという感じがします。ひゃー寒かったー!などと笑いながら駆け込んでくるお客さんたちの笑顔が見えるようです。(小笠原玉虫)

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  13. 25 深夜の階下が起き出した音だ  (2点)

    ○こんな真夜中に何をしているんだろう。そんな心情だろうか。日常の中の非日常性を感じた。ちなみに昔住んでいたところでは、夜中の大体同じ時間帯になると“ブッ、ブッ”と、オナラのような音が毎日のように聞こえてきた。そんなことを思い出してしまった。(洋三)
    ○いいですね。爪切りが見当たらない句もそうですが、こういう日常のふとした瞬間に気をとめたような句が非常に好きです。詠み人は、電気を消して布団に横たわっているんだけれど眠れないような状況なのでしょう。周囲は寝静まっている。と、階下の住人が起きた気配がする。水を飲みに起きたような物音にじっと耳を澄ましている。抑えた表現ながらも夜の底にぽつんと取り残されたようなさみしさに圧倒されます。さみしい、けれど、ウェットではない。実存という言葉すら浮かんできます。お見事。こんなふうにわたくしも詠みたいものです。(小笠原玉虫)
    △階下をどう想定するか。介護の必要な老親、あるいは病人がいると考えれば緊張感のある句にもとれる。いずれにせよ、詠み手はその音で起こされたのではない。起き続けているのだ。眠れぬ夜は神経を過敏にしてしまう。ほかにすることもないまま、階下の音が気になってしまう。また、昼夜が逆転することによりセロトニンが不足し、人との関わりがひどく億劫になってしまう。たとえ家族であっても。階下が起きだしたということは、自由で万能の時間が終わったということだ。眠れないまま眠るしかないのだろう。(働猫)
    △作者は眠れない夜を過ごしているのだろう。それなのに階下の人の一日が始まったようだ、という焦りを感じる。そんな時に作句なんてしてたら余計に眠れなくなるだろう。(鴨芹)

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  14. 19 上手に元恋人の口ぶりをまねた無人駅は三日月  (1点)

    ◎今回好きな句が多すぎて、特選を選ぶのに大変苦労しましたが、こちらに。いいですね。寒い無人駅のホーム、空には冴えた月と風景に広がりがあります。また寒い無人駅って昔のちょっと痛い思い出を思い浮かべるのにとてもよい場所です。これはだいぶ昔に別れた恋人の気がする。かつてのような激しい気持ちは勿論もうない。けれど口癖だけが妙に耳に残っていて、ふとした折に思わずつぶやいたりしてしまうのでしょう。ぽつねんとした寂しさ、同時にちょっとほっとしたような雰囲気が漂っているところも実にわたくし好みです。大好きな句です。(小笠原玉虫)
    ●うまく伝わってこない。語順の問題あるいは助詞が多いからかとも思ったがではどうすれば、という答えが見つからない。面白そうな句なだけに残念。(鴨芹)
    △駅は思い出の場所だったのだろう。他愛のないフレーズが思い出されて、恋人の口真似をしてみた。思いがけず上手くできたのだろう。しかし駅に人気はなく、ただ空には三日月だけがあった。欠けていくのか、満ちていくのか。どちらにとるかで読後感が変わる。(働猫)
    △「三日月」があることで句のテーマがぶれてしまった感が否めない。雰囲気は好きなだけに惜しい。(雪兎)

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  15. 14 爪切り見当たらない日々の爪のびる  (1点)

    ○日常のふとした瞬間・光景に気をとめたような句が非常に好きです。爪切りがみつからない、こういうことよくありますよね。爪が静かに伸びてゆく、それが微かに不快だ、こういう時間の積み重ねが生きるってことなのかなと思います。(小笠原玉虫)
    △共感の句。そうしてその都度買って、私は爪切りを3つほど持っている。(洋三)
    △爪切りってそうですよね。(働猫)
    △ありますね。はさみ、爪切りなど「刃もの」はよく姿を消すんですよね。普通、必死に探すのですが、のびるにまかせるあたりに無力感が漂います。(水名)

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    1. 三つ目を結局買いました。

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  16. 13 マフラー外す貴女の頬が紅い  (1点)

    〇類句は多くあろうが、わかりやすい句。(古戸暢)
    △マフラーをしていたのは女か男か。どっちだったのだろう。(働猫)
    △笑いながらマフラーを外す恋人の紅い頬。愛しく思って眺めているのでしょう。ストレートな表現に非常に好感を抱きました。いつまでもお幸せに、と言いたくなる句です。(小笠原玉虫)

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  17. 21 一生分泣くことはできない小さなからだ  (1点)

    ○一生分泣く、というからには、一回でなのだろうか。そんなことは小さくても大きくても、できない。子供が泣いていて、そう見えたということならば、小さなからだは病気の子をイメージさせた。小さかろうが大きかろうが、そのからだで泣いただけがその人間の一生分の涙であって、いつ死ぬかは関係ないということを逆説的に示しているところがこの句の面白さかと思う(地野)
    △涙は尽きることがない―という悲しみが伝わってきました。(水名)
    △「小さな」がわからない。泣くこととからだの大小が関係あるのか、あるいはちっぽけな自分のような意味なのか。かといって「小さな」を省いてしまうと作者の言いたいことと違ってくるのだろう。(鴨芹)

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    1. 幼子がどんなに泣きわめこうとも、限界があるということか。今後この子は、もっと深く泣きつづけることとなる。

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  18. 02 死んだ花のびる母ねむる  (0点)

    ○「のびる」がなんなのかわかりにくくはあったが、雰囲気で。(古戸暢)
    ●とても静かな光景ですね。好きです。ただ「死んだ花のびる」が茎がのびるのか、花がしおれてのびたようになるのか、どうも分からず、気になってしまったので、逆選にしました。(水名)
    △部屋に飾ってある花が枯れ、その影が伸びる様子を想像した。(洋三)
    △死んだ花がのびるなどということがあるのだろうか。比喩的表現なのかもしれないが、こういった表現を生かすにはもう少し言葉が必要なのでは。(雪兎)
    △死んだ花というのは切り花のことかなと読みました。根のない死にゆく花なのに、花瓶にさしておくと花が開いて散る。考えてみれば不思議なことです。このお母様は年を取って寝たきりとか、そんな境遇の気がします。切り花と眠る老いた母の対比がさみしい。これもまた人生、と思いました。(小笠原玉虫)

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  19. 15 でもしまむらで買ったんですという謙遜  (-1点)

    ●「おしゃれに見られているのにいじられてるのは、それを着てる人間に問題があるはず。もっと自信か、さもなくば開き直りを」(地野)
    △褒められているのになぜだか言い訳をしてしまう。値段を言ってしまうこともある。(洋三)
    △詠み手はそれをよしとしているのか、それともイラッとしているのか。(働猫)

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  20. 24 死にたいと笑う人に寄り添えぬ朝なり  (-1点)

    ●なんか歯がゆい(祖啓)
    △心に余裕がないのは朝だからなのか。きっとそうではないのだろう。(働猫)

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  21. 11 泣いてもくっつかない夕焼けのような怪獣のしっぽ  (-3点)

    ●とても気になった句。恐らくはおもちゃの怪獣を詠んだのだろう。だが、比喩を用いているのにも関わらず「怪獣のしっぽ」の状態がわかりにくい。単に切り口を喩えたのであるならば「夕焼け」を持ってくるには少々大袈裟な気がする。しかしながら、なぜだか心情に訴えかけてくる句でもあり、これはやはり「泣く」と「夕焼け」の取り合わせの為だろうとも思う。葛藤。ここは敢えて逆選でいただくこととしたい。(洋三)
    ●「夕焼け」が何を象徴しているのかわからなかった。怪獣のおもちゃをこわしてしまった子供の様子なのだろうと思うのだが。「夕焼けのような」はどこにかかっているのか。夕焼けのような怪獣(ガラモンか)なのか、しっぽの切り口の赤い様子なのか、あるいは「くっつかない夕焼け(意味はわからない)」なのか。夕焼けで怪獣というとシーボーズを思い出しますね。「怪獣墓場」。(働猫)
    ●怪獣のおもちゃのしっぽが取れてしまった、と解釈はできるが、「夕焼けのような」という比喩がよくわからない。「夕焼けのような怪獣のしっぽ」とは如何なるものだろうか?(雪兎)
    △「~のような」は間延びしてしまう印象を受ける。ただ、この句材は魅力的。(鴨芹)

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  22. 03 タコをマネすれば治まる  (無点)

    △臨機応変であることを「タコ」に喩えたのだと思った。ちなみに「タコ」は“海の忍者”とも呼ばれる。(洋三)
    △治まるのは何であろう。怒りだろうか、発作であろうか。確かに怒りが込み上げた時にタコの真似ができれば冷静になれるかもしれない。『好かれる人の12の方法』みたいな啓発本で紹介されそうな技術ですね。(働猫)
    △泣く子にタコの真似をすれば、子どもも泣きやむのでしょうか。どこか笑ってしまいます。(水名)
    △柔よく剛を制すですね。(雪兎)
    △何かよく分かんないですが、治まるのでしょう(笑)。よく分かんないんだけど好きです。こういうのもっと拝見したい。(小笠原玉虫)
    △世の中単純じゃないんだよ、ってことを単純に言うとこのようになるのだろうか。(鴨芹)

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  23. 01 明日は帰省のトランクス四着 (無点)

    △つまりは四泊五日の帰省ということか。「トランクス」に諧謔性を感じた。(洋三)
    △帰省の場合、旅行と違ってパンツは泊数分は必要ない。洗濯してもらえるからだ。都会の埃にまみれたパンツをお母さんに洗ってもらうとよい。それは回帰でもあり禊でもある。(働猫)
    △静かな喜びを感じる句です。それにしても荷物が少ない。詠み人は欲のない人という感じもする。質実剛健で寡黙な人が、静かに故郷に帰る喜びをかみしめている。そんな句に思いました。(小笠原玉虫)
    △四着のうまさ。でもそれで本当に足りるかな。きっと2日で一枚計算だと思った。(地野)

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  24. 06 肺も見ていた初夢だった  (無点)

    △悪夢だったのかもしれないが、無呼吸症候群かもしれない。早めの受診をお勧めします。(働猫)
    △生々しい、煙草を吸ってる夢だったんでしょうな(^皿^)(小笠原玉虫)
    △7.7(3.4+4.3)の詩形でリズムがとても良い。でもそれに拘らないのなら「だった」は別の形が良いと思う。(鴨芹)

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  25. 22 タピオカ喉に詰まらせるこれが俺の正月  (無点)

    △もちでなくタピオカであるという、「俺のナウい正月自慢」であろうか。(働猫)
    △あんなに細かいタピオカ、それも大抵ココナツミルクと一緒で、あのようなものを喉に詰まらせるだなんて! 一度に大量に飲み込もうとしすぎ(笑)。げらげら笑いました。こういうユーモラスな句がほんとに好きなのです。(小笠原玉虫)

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  26. 23 一回両手で受け止めて、また捧げる  (無点)

    △初読時、日の光ととり、蒼天航路における程 のエピソードを思い出した。その後、気の迷いから聖水に思えてきてしまった。(働猫)

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  27. 10 つくられた関係を甘噛む雪はなにも見てない  (無点)

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