(最高得点句)
俺はここに居てはいけない海風(5点)
(5点)俺はここに居てはいけない海風◎◎○△
(3点)寒い手に寒い手がぬくい◎○△
(2点)雨を来て来ただけ◎○●(コンプリート句)
(2点)うそつきになって会いに行く秋雨◎△△△
(2点)傘借りてまだ居る○○△
(2点)眠れない口からものがたりこぼれた○○△△
(1点)なんにも無い鳩をからかう○△△
(1点)さくら咲いた道に出て仕事のことなど○△
(1点)まっすぐに帰らない満月○△△
(1点)家の焼けあとは畑になり胡瓜がとれた○△△
(1点)よく燃えそうな家の誰か出てきた○△
(1点)春が立ち上がる道の黒く○△
(1点)朝日顔ざっと洗う○△
(-1点)やわらかいところばかり触れ合ってさびしいふたりで○●●△
(-1点)俺の老後なんか気にして母は老いてる●△△
(無点)雨のあと光る道へ出た△△△
(無点)誰も物言わず影から出てくる△△
(無点)昨日がまだ枕に残っていた△△△△
(無点)だまって恐ろしくなり蝋燭のまわり△
(無点)あおい夜の夜へ行く電車△
(無点)闇へ戸を開ける△△
(無点)あかり消えた海がわらえてくる△△
(無点)犬の舌が長い日陰に入る△△
(無点)きょうだいげんかの兄弟で泣いている割れ窓△
(無点)皆が出て行った花火の音△△△
(無点)遠く来てわがままを言わなくなってしまった子と日暮れ△
(無点)忘れた声が聞こえたら春△
(無点)猫が出て行った影に入る△△
(無点)夕空迎えに来た姉の手ほそい手△
(無点)まだ帰らない人もいる海の風のするどさ△△
(以上、30句)
※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。
◆作者紹介
【天坂寝覚】(1985~)
天坂寝覚として自由律俳句、雨鼠として短歌を創作している。
雨鼠(うそ→amenez)は寝覚(しんかく→nezame)の読みを変えたアナグラムである。
ツイッターを中心に活動する若手表現者の間ではカリスマ的な存在である。
私(働猫)にとっても、最も注目し、かつ刺激を受けている才能である。
今回の句群は、以前見せていただいた100句のうちから、
私(働猫)が特選あるいは並選でとるであろう30句を選んだ。
そのため、今回自分では逆選を選ぶことができなかった。