2012年9月23日日曜日

七句


「甥」

すだれの影に転がしておいた甥だ

ようやく慣れたはずの甥が逃げた


お年玉が欲しい甥の後ろに妹がいる


甥と昼寝の真夏日

甥の転がり九十度


甥を抱いてとんぼの群れ


甥のあつさもあついあつさ



※既に発表した句です。近作ではありませんが、あしからずお願いいたします。

6 件のコメント:

  1. こんにちは。
    甥への愛情溢れる句を堪能しました。

    ようやく慣れたはずの甥が逃げた
    お年玉が欲しい甥の後ろに妹がいる
    甥のあつさもあついあつさ

    どの句にも家庭や家族、それらの歩みと変わらない愛情が感じられて、良いなぁと思いました。
    この夏にも実家に帰ってこられたのでしょうか。

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    1. どうもありがとうございます。

      後者四句が、この夏に詠んだものです。
      何も大事のない、静かな日々を歩みたいものです。

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  2. 「お年玉が欲しい甥の後ろに妹がいる」

    これは可愛いですね~(´∀`)
    お年玉をもらう側からあげる側になって見えてくる光景もありますね。
    はてさて、お母さんの「預かっといてあげる」攻撃を甥ちゃんは無事にかわせたのでしょうか。

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    1. どうもありがとうございます。

      この句の恐怖は、甥が未だしゃべれない年齢にあることでした。

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  3. 馬場古戸暢様

    御句拝読しました。

    ◎甥を抱いてとんぼの群れ

    ひと目、情景が目に浮かびました。

    ○ようやく慣れたはずの甥が逃げた

    私には姪がおりまして、それが一歳ぐらいのときのことを思い出しました。懐いたと思っても、子供は一ヶ月かそこらで、叔父のことなど忘れてしまうんですね。そのときの、なんともいえぬガッカリ感。でも、子供は可愛いんですよね。

    (これは自戒も含めて)若書きというのはとかく剣呑になりがちですが、馬場さんの今作には、とても安心しました。

    触れれば血の出るような、鋭い作。
    ふんわり包まれて温かい、真綿のような作。
    両方あっていいのだと思いました。

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    1. どうもありがとうございます。

      丁寧な御句評をありがたく頂戴し、自身の道を歩んで行きます。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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