2013年2月27日水曜日

第十回 鍛錬句会

最高得点句(同点の二句です)

ひび割れた眼鏡で時間通りに来た

何のおまつりかは関係ない犬がきた


最低得点句

ふたりだけの星座を結んで帰ろう



(六点) ひび割れた眼鏡で時間通りに来た ◎○○○○
(六点) 何のおまつりかは関係ない犬がきた ◎◎○○
(四点) まだある鼓動聞いて眠る ○○○○
(四点) 改築とは寒椿を伐り倒すことでもあったか ◎○○
(三点) さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ ◎○
(二点) 救助された男の目に満月 ○○
(二点) 結婚刻んだ皺見せられてる同窓会 ○○
(二点) 七度八分で氷柱細くなった ◎
(二点) 袋を開ける事が発作 ◎
(二点) 不意の知人へ笑顔をつくる ○○
(二点) 忙しいという時も過ぎて夕暮れ ◎
(一点) また音痴を聞かされる梅が枝 ○
(一点) 五つずつ数を数える正しくなくとも正しくなくとも正しくなくとも ○○●
(一点) 家出したいと言う一人暮らしの女といる ○
(マイナス一点) ひどすぎるブログを更新 ●
(マイナス一点) いいわけない助手席に長い髪の毛 ●
(マイナス一点) 時計屋さん正しい時刻はどれですか ○●●
(マイナス一点) 立春すでに燃えカス ●
(マイナス二点) ふたりだけの星座を結んで帰ろう ●●
(無点) 自分だけが知っている名前ばかりのアドレス帳
(無点) 雪に顔突っ込んで姑の悪口
(無点) 握手は全部トラウマだ
(無点) おばあちゃんと歩く女はゴスロリ
(無点) くしゃみしたら空が破れてね


特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。



●作者発表(作者は五十音順で敬称略、句は投稿順)


【渋谷 知宏】

くしゃみしたら空が破れてね
立春すでに燃えカス
何のおまつりかは関係ない犬がきた


【白川 玄齋】

また音痴を聞かされる梅が枝
忙しいという時も過ぎて夕暮れ
自分だけが知っている名前ばかりのアドレス帳


【中筋 祖啓】

ひどすぎるブログを更新
握手は全部トラウマだ
袋を開ける事が発作


【畠 働猫】

まだある鼓動聞いて眠る
五つずつ数を数える正しくなくとも正しくなくとも正しくなくとも
結婚刻んだ皺見せられてる同窓会


【馬場 古戸暢】

不意の知人へ笑顔をつくる
家出したいと言う一人暮らしの女といる
おばあちゃんと歩く女はゴスロリ


【藤井 雪兎】

雪に顔突っ込んで姑の悪口
救助された男の目に満月
ひび割れた眼鏡で時間通りに来た


【本間 鴨芹】

七度八分で氷柱細くなった
時計屋さん正しい時刻はどれですか
いいわけない助手席に長い髪の毛


【松田 畦道】

さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ
ふたりだけの星座を結んで帰ろう
改築とは寒椿を伐り倒すことでもあったか


(以上、八名)

※今回、天坂 寝覚さんが欠席です。

118 件のコメント:

  1. (六点)

    ひび割れた眼鏡で時間通りに来た

    ◎今回は特選については迷わずに決められた。だんだん近づいてくる姿、その情景が見える。やってきた男(女としては読めない)のパーソナリティや自分(作者)との関係性をいろいろ想像できて楽しい。「いったい何があった?」と心配したり、「眼鏡割れるほどの苦境を乗り越えて時間通りに来る律義さ」を読んだり、「眼鏡には頓着しないくせに時間は守るのかよ」と読んだりして楽しい。でも実際にはそんなにコミカルな状況ではなかったりして……とか考えるのも楽しい。
    ○時間を守る前に眼鏡を直すべきか。いや、ここは約束を優先したことを評価すべきか。
    ○いつも約束の場所に一番乗りの人が、今日に限って待ち合わせ時間ぎりぎりまで姿を現さない。珍しく遅刻かな、と思ったらぴったりの時間にやって 来た。何故か眼鏡にはひびが入っている。途中、事故にでも遭ったのだろうか。どうしたんですか、となんとなく聞きづらいような雰囲気が可笑しい。
    ○何が起きたのかはわかりませんが、おそらく遅刻しても相手を納得させられる程度の事件、事故があったのでしょう。にもかかわらず時間通りにやってきた誠実さには胸を打たれます。
    ○今時、ひび割れた眼鏡のままの人っているのだろうか?いや、この句には居るな。

    返信削除
    返信
    1. 特選。
      雪兎さんの句は昭和を少年誌とともに生きた人にはたまらない。これは三年奇面組の世界だなあ。

      削除
    2. 並選に頂きました。三番目の句評です。
      ちなみに東京集会の雪兎さんはいつも時間にきっちりしています。
      眼鏡はかけてませんが。

      削除
    3. >働猫さん
      ありがとうございます。私も昭和の少年誌育ちです(笑)
      奇面組も好きでした。燃えるお兄さんも良かったなぁ。
      抜作先生はある意味シンボルでしたね。セックスシンボルならぬファニーシンボル。

      >畦道さん
      ありがとうございます。多分私の性格からこの句が生まれたんでしょうね。
      眼鏡をかけてたら確実にこの句のようになってたと思います(笑)
      また東京集会で飲みましょう(´∀`)

      削除
    4. この句は雪兎さんでしたか!
      最後の評が僕です(笑)

      削除
    5. >渋谷さん
      ありがとうございます。世の中いろんな人がいますよ~(笑)

      削除
  2. (六点)

    何のおまつりかは関係ない犬がきた

    ◎仲間にしたい。きっと、役に立つ。忠犬だ。
    ◎祭というのはどこも何かしらの由緒のようなものがあり、それはときに悲しい物語であったりもする。伝統ある踊りやお囃子が文化財として奉られ、 櫓の上では何故か地元の政治家が演説をしていたり。そんなことお構いなしに、野良犬がふらりと迷い込む。生きるだけで精一杯の姿に、祭よりも共感 を覚える。
    ○犬にしてみれば、何だか賑やかだし、いいにおいだし、みんな楽しそうなので、おこぼれにあずかれるかと思ってやって来ただけのことなのだろうが、そのように動物が集まって来るのは、ひとえに祭りの『力』のおかげだろう。実にめでたい
    ○かわいい。犬にはハレもケもない。にぎやかなお祭りだろうと、慰霊や鎮魂の祀りであろうと。ただ人が集まっているから、舌出して来たのだろう。「へっへっへっ」と。石畳をちゃっちゃっちゃっと歩く足音が聞こえるようだ。猫派の偏見かもしれないが、犬はバカっぽい方がかわいい。

    返信削除
    返信
    1. 皆さんの句評を読むまで、おまつりの現場ではないどこか離れたところに、詠み手も犬もいるものだとなぜか考えていました。上から二番目の句評に、はっとさせられました。

      削除
    2. 並選 「かわいい。~」の評。
      動物の持つ「末期の眼」を私もたびたび句にしたいと試みていますが、この句はその成功例だと思います。

      削除
    3. 特選に頂きました。
      二番目の句評です。
      これは猫ではなく、犬であるべき句なんですね。必然がある。
      一番下の句評にある「犬はバカっぽいほうがかわいい」に共感しました。

      削除
    4. 並選にていただきました。「犬にしてみれば~」の句評が私です。何だか祭って生きとし生けるものを惹きつける力があるような気がするんですよね。そしてそこでは、ただいるだけで許される。

      削除
    5. 作者です。
      この句は、十日戎の露店での光景です。
      近所に神社がありまして、大きな神社ではないのですが、露店が出るんです。
      みな笹に縁起物つけるのですが、犬には関係のないこと。
      でも犬は寂しがり屋でありますよね。
      今回は、結構な選が入り驚いてます(笑)
      ありがとうございました。

      削除
  3. (四点)

    まだある鼓動聞いて眠る

    ○類句はあるだろうが、生を詠った佳句だと思う。
    ○病床にある家族か、あるいはペットにでも添い寝していると読める句。だがあえて鼓動の主を自分自身としてみた。耳を塞いで、布団のなかで丸く なって、己の心音を聞く。この、どうしようもなく生きているという感覚。目覚めればまた、駄目な自分は駄目なままで、どうしようもない一日を繰り返すのだ。
    ○生きているという実感。大切にしたいです。
    ○朝目覚めた時、自分の心臓がまだ動いていることを確かめる、何の意識もしないのに規則正しく音を立てている、心臓の弱い人はなおさらそんなことを切実に思う、そう思いました。

    返信削除
    返信
    1. 並選でいただきました。

      改めて読み直すと、望もうが望むまいが、明確に死を意識した句のように思えました。

      削除
    2. 取りませんでした。
      明らかに自分を詠んだ句だと感じました。その意味するところの軽重を読み取れず、取りませんでした。

      削除
    3. 作者です。句評ありがとうございます。
      猫について詠みました。生命はいつか失われてしまう。当たり前のことに不意に気づいてしまい悲しくなることがあります。

      削除
    4. 並選に頂きました。
      二番目の句評です。

      >働猫さん
      やはり猫を詠んだんですね。
      鼓動を聞いてみること、確かにあります。
      どきどきどきと、けっこう速いんですよね。
      ああ、生きてるな! と思います。

      削除
    5. 猫だとは思わなかったな〜。
      やられました…

      削除
    6. 猫のですか。うらやましいです。考えてみれば自分の鼓動ってよく聞こえませんね。聴診器を使えば別ですが。

      削除
    7. こんばんは。一番下の平選です。
      猫のことだったのですね。
      私は自分自身に照らし合わせてとても共感していました。
      心臓が悪くなるとどうなるのか、入院中にいろんなパターンを
      体験していました。明日も元気に過ごしていきます。

      削除
  4. (四点)

    改築とは寒椿を伐り倒すことでもあったか

    ◎あまりにも当たり前の部分なのであえて口に出すことはなかったけれども、工事をする人からすればそんな阿吽の呼吸を心得ているわけではない、会話の上でも気をつけるポイントではないか、そんな風に思いました。
    ○ナレーションとしてのスキルにたけている。
    ○聞いてないよ、という感じか。 何かを新しく行う、始めるというときには、得てして喪失が伴う。経験上それを知っていたとしても、実際に目に見えるまで気づけないことがある。寒椿が象徴するものを読み手は自分の経験の中にそれぞれ見出すだろう。

    返信削除
    返信
    1. 並選 「聞いてないよ」の評。
      畦道さんだろうなと思いながらもまた選んでしまいました。今回は並選で2ついただきました。ファンだと言われても申し開きできない。

      削除
    2. こんばんは。特選で頂きました。
      他人の「~のつもり」というのは
      私にはつかみづらいことが多くて、
      この句にとても共感していました。

      削除
    3. 作者、畦道です。
      近所に古いアパートがありまして、庭に椿を植えていました。
      ちょうど見頃となったところで建物が取り壊しとなり、椿の木も切り倒されてしまいました。
      アパートの持ち主からしたら、当然のことをしているわけです。
      そういうものなんだろうけど、私からするとなんだか納得がいかない。
      勝手なものですが、そんな気持ちを詠みました。
      世の中の合理非合理など、依って立つ場所でどうにでも入れ変わるものです。

      削除
  5. (三点)

    さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ

    ◎見送られて旅立つ人だろう。電車の車内で手袋を脱ごうとすると、まだ手がさよならを続けている。見送ってくれた人に再会するまで、それは続くのかもしれない」
    ○きれいだなと思った。駅のホームで恋人に手を振って別れたあと、車内で手袋を脱ぐのだろう。手袋の形がそのまま別れの余韻となって寂しさを募らせるのだろう。ただ、なんとなく余裕が感じられる。これは、また会える「さよなら」なのだ。永遠の喪失ならば手袋は脱げない。お別れのイベントを消化して、やれやれ駅弁食べるかなあと手袋脱いだんじゃあないかな。あれ、そう考えるとあんまりきれいでもなくなってきた。むむ?

    返信削除
    返信
    1. さよならのかたちをいまいち想像できませんでした。手袋を脱ぐ際には、普通に手をおろしている気がしたためです。

      削除
    2. 取りませんでした。
      さよならのかたちがくみ取れませんでした。
      手袋は脱ぐとしなっとなりますし…

      削除
    3. 並選 「きれいだな」の評。
      「さよならのかたち」は自分も手のことだと思っていましたが、手の形ではないのかもしれませんね。姿勢、佇まいあるいは心そのものが「さよならのかたち」であって、そのまま手袋を脱いだということなのでしょう。駅弁もぐもぐとか失礼なことを書いてしまった気がします。

      削除
    4. 作者、畦道です。
      これはわりと厚手の手袋を想定していて、さようならと振った手の形のまま、その辺に転がしてあるような景を詠みました。
      電車、ホームの景色と読まれている評にはなるほどと思いました。
      それと分かる要素をもうひとつ、織り込んでみるのもいいかなと。

      >働猫さん

      全然、失礼なんかじゃありませんよ〜。
      駅弁、好きだし。
      御点を頂き、ありがとうございます。

      削除
    5. 特選にていただきました。あまり点が入らなかったのは少し意外でしたね。
      私は、手がいつ「さよならのかたち」から解放されるのかなとそこばかり気になってました。
      手には「いろんなかたち」がありますから。

      削除
    6. 脱いだ後の手袋もさよならしているという意味と取りました。手袋ではなく軍手だったらまた違う景色になりそうです。

      削除
  6. (二点)

    救助された男の目に満月

    ○もしかしたら人質かもしれませんが、災害の現場を思い浮かべました。この満月は、嵐のあとの静けさの象徴であり、生きようとする命の熱さの象徴でもあると感じました。
    ○救助されて意識も朦朧としているうつろな眼球に映る月、無情な中でも天地の美は変わりがない、そんな風景を思い浮かべました。

    返信削除
    返信
    1. 観察者の立場が気になります。救急隊員でしょうか。

      削除
    2. >古戸暢さん
      観察者(というか話者)は誰かとはあまり考えてなかったです。ですが、俳句をやっている救急隊員もいるかもしれませんね。
      ちなみに何故か水難事故からの救助をイメージしてました。

      削除
    3. 並選で頂きました。上の評です。
      山岳遭難か海難かどちらかかと思いました。

      削除
  7. (二点)

    結婚刻んだ皺見せられてる同窓会

    ○結婚は人生の墓場だと、先人は語った。この皺が幸せ故の皺であることを、願ってやまない。
    ○結婚が刻んだ皺、久しぶりに会う風景だなと思いました。この更に後に行われる同窓会では、顔の皺より頭髪の方を先に確認することになりそうだと思いました。

    返信削除
    返信
    1. 作者です。句評ありがとうございます。
      これは大学の同期との同窓会を詠みました。
      自分以外はほとんど結婚していて、その誰もが老けてしまって見えました。逆に自分が年齢相応に見られないのは独身だからなのだろうなあと思います。結婚こわい。

      削除
    2. 一番目の句評です。

      既婚者の方からのポジティブなコメントを求めます。結婚こわい。

      削除
    3. 確かに、結婚こわい。
      自分が結婚を決めたときは、取調室で犯人が「私がやりました」と自供するシーンが何故か頭に浮かびました。
      あ、ポジティブなコメントか。結婚すると皺を結婚のせいにすることができます。どうせ加齢とともに皺はできるのです。

      削除
    4. ツイッターで拝見する畦道さんのご夫婦のやりとりは素敵だなあと思います。自分は成育歴に問題があって、「家庭」をつくる・いとなむ、ということに恐怖を感じてしまうのです。女性の口から「結婚」という言葉が出始めると雪兎のごとく、あ、違う、脱兎のごとく逃げ出してしまうのです。

      削除
    5. とりませんでしたが、ご指名のようなので(笑)。
      結婚、私の場合は怖くはありませんでした。
      ただ『子を育てる』ということに関しては諸事情から不安があり、いまのところ夫婦ふたり猫1匹カメ1匹の暮らしです。
      そして、たぶんこのままでしょう。
      ということで、なんなんでしょう結婚とは。
      私にとっては『人生の相方としての契約』あるいは約束のようなものではないかと。
      でも、結婚してから老け込んだとか、妻が言われてたら嫌だな……あり得るだけに。

      削除
    6. >働猫さん
      雪兎のごとく逃げているとすぐ捕まってしまいますよ。のんびりしてるんで(笑)
      結婚しながら俳句を作ってる人はすごいなと思います。お疲れ様です。

      削除
  8. (二点)

    七度八分で氷柱細くなった

    ◎外が相変わらず凍てつくなか、風邪をひいてしまった。気が付けば昼時。まだ少し朦朧とする。窓からは、明るい陽射しが降り注いでいる。

    返信削除
  9. (二点)

    袋を開ける事が発作

    ◎スナック菓子の袋だろうか。あれを開ける瞬間を発作と捉えたのならば大きな発見だ。あの袋は開けられるその瞬間までずっと緊張を強いられているのだと思うと、早く開けて楽にさせてあげたくなる。

    返信削除
    返信
    1. ここで変な話をしますが、作者の祖啓君の句は単品でみると、?となりますが、まとまっていると良いなぁと思うんですよね。僕だけでしょうか。

      削除
    2. 彼の句は「祖啓」というタイトルがついた連作の一部なんですよ、きっと。

      削除
    3. 特選で頂きました。
      渋谷さんのおっしゃっていることは、納得です。

      削除
    4. 難解でした。

      彼にとって、「袋を開ける事」そのものが発作であると読みました。「袋を開ける事」が、一時的に起きる症状である。やはりどうにも読めません。

      削除
  10. (二点)

    不意の知人へ笑顔をつくる

    ○不本意ながらの現状だが、認めていくしかない。
    ○『知人』にはこちらの感情の変調を知られたくないものだ。もっとも、気付く人は気付くもので、このことがきっかけで『友人』になる事も有り得る。

    返信削除
    返信
    1. 会うはずのないところで職場の同僚などに会った情景と読みました。笑顔という仮面を瞬時にかぶる様子。日常にある緊迫の場面です。自嘲を読み取りました。

      削除
    2. 休日に会うと気まずいですよね。
      別に悪い事してないのに(笑)
      そう読むと、納得できる佳句ですね。

      削除
    3. どうもありがとうございます。

      まさしく自嘲句です。
      余計な心配をかけるわけにもいかないのでついこうなります。

      削除
  11. (二点)

    忙しいという時も過ぎて夕暮れ

    ◎なんとなくこの状況に憧れてしまう。夕暮れが少し寂しいのも。

    返信削除
    返信
    1. 句評に同感です。

      削除
    2. 特選で取りました。
      間違い無く憧れる世界。
      この世界の住人になりたいと思いましたよ。類句もありそうですが、シンプルで言葉もすんなりと入ってきました。

      削除
    3. こんばんは。作者です。句評をありがとうございます。
      入院中に易経を学んでいた時に、
      太陽を示す離の卦の部分を読んで、
      人生のたそがれ時について考え続けていました。
      ほっとした気持ちと寂しい気持ちが半ばする、
      そんな風になるのではないかと思っていました、

      削除
  12. (一点)

    また音痴を聞かされる梅が枝

    ○ジャイアンリサイタルみたいですね。「梅が枝」があることでひとつの物語になっていると感じます。毎年恒例なのでしょうか。昨年よりはましになっていると良いですね。

    返信削除
    返信
    1. とりませんでしたが、好きな句です。毎年恒例のようですが、いったい何の苦行なのでしょうか。

      削除
    2. ジャイアンリサイタルとはよく言ったもの。
      句評が面白い。実際は、観梅の話だろうな。暖かければいいのだが。
      余計な心配か。

      削除
    3. 作者です。句評をありがとうございます。
      渋谷さんのおっしゃる通り、梅が咲く頃の
      鶯は最初は上手く鳴くことが出来ないのですが、
      次第に練習する内に上手くなってくる、という所ですが、

      ジャイアンリサイタルという句評も嬉しいです。
      川沿いの公園(城北公園)が学生の頃の通学路だったころに、
      花が咲く頃には大きな音でカラオケを歌っているのです。
      毎年のことなのに全く上手くならないようです。
      そんなことも思い出していました。

      削除
    4. 並選で頂きました。
      「音痴」ということばって、どことなく愛を感じますね。

      削除
    5. 鶯の話でしたか。いいですね。春がもうすぐです。

      東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ

      削除
  13. (一点)

    五つずつ数を数える正しくなくとも正しくなくとも正しくなくとも

    ○呪術の訓練のようで、念が強い。うらまれている気がする。
    ○最初の五つずつと言う「つ」の繋がりと、なんの事か解らない句意、そして五と正の文字の形と、「正しくなくとも」の繰り返しを合わせてみれば、なんか良いのです。
    ●景が浮かばなかった。またそもそも「正しくなくとも」という単語を普段使わないためか、違和感を覚えた×3。

    返信削除
    返信
    1. 寝る時の事だったりして。
      並選で取りました。苦しみながら数を数えて居るのかな。もっとライトかと思いましたが今はちょっと感じが違う感じがします。

      削除
    2. 作者です。句評ありがとうございます。
      これは今回一番の自信作でした……。うらみます。
      集計の際に「正」の字を書いていく様子を詠みました。

      削除
    3. すでに自解が出ましたが、救命救急の現場とか、そんな緊迫した場面を想像しました。

      削除
    4. 逆選でいただきました。正の字のことだったのですね。
      鴨芹さんの読みで景を想像するのもよさそうです。

      削除
  14. (一点)

    家出したいと言う一人暮らしの女といる

    ○ここではないどこかへ、という考え方はある種の人間の心にとても優しく響く。社会を飛び出し家族からも逃げ出し、小さなアパートの一室に辿り着 いた女が、また家出をしたいという。ここでさえなければどこでもいい、という投げやりな態度がどことなく色っぽいと感じてしまう自分も、彼女と同類だ。

    返信削除
    返信
    1. 取りませんでした。
      家出したいのに一人暮らし。
      この感覚に共感が出来ませんでした。

      削除
    2. 渋谷さんと同じ意見でした。
      そこに面白味があるのかもしれませんが、ひねりすぎかなあと思いました。「一人暮らしのくせに」というのが中心なのか、「不思議なことをいう女だかわいい」が中心なのかよくわからなかったです。

      削除
    3. 並選に頂きました。
      一人暮らしなのに家出、となるともう失踪、蒸発ですよね。
      その捨て鉢な雰囲気に、妙な色香を感じました。

      削除
    4. 僕は高校生の頃から「帰りてぇ」が口癖で、家でもつぶやいてしまいます。なんとなく似ているのかな、この女と。

      削除
    5. どうもありがとうございます。

      最初は渋谷さんや雪兎さんと同じく思い、「一人暮らしやったよね?」と思わず突っ込んでしまいました。

      句の中心は、そんな「女といる」のところかもしれません。無駄話をした無駄な時間でした。

      畦道さんや鴨芹さんと似た感覚の女なのでしょう。かく言う私もそちら派な気がしてきています今日この頃です。

      削除
  15. (マイナス一点)

    ひどすぎるブログを更新

    ●ひどすぎるブログ「を」更新とあるのでそのブログの管理者なのでしょうが、どのように「ひどすぎる」と感じているのかが見えません。ひどすぎると思いながらも更新するのだから管理者はそのブログにこだわりを持っているはずで、おそらく「ひどすぎる」とこだわりは表裏一体なのでしょう。どのようなこだわりなのか、そしてどう「ひどすぎる」のかが見えたら深く共感できると思います。自分も以前「ひどすぎるブログ」を管理していたので。

    返信削除
  16. (マイナス一点)

    いいわけない助手席に長い髪の毛

    ●助手席の髪の毛はちょっとありがちかなと思った。掛詞を先に思いついてそこに寄せていったんじゃないかなあ。

    返信削除
    返信
    1. (このままで)いいわけない or 言い訳はない

      長い髪の毛が落ちている or 長い髪の毛の人が座っている

      と二か所でそれぞれ悩んだためとれませんでした。自解を願います。

      削除
    2. 逆選。
      鴨さんじゃないかなあという気がしていました。当たった。
      評の通り、掛詞のユーモアで作りましたね?という感じです。浮気や不倫の暗さは鴨さんには感じられないのだ。よほど巧妙に隠してるのかもしれないけど。
      髪の毛でなく「わざと置いて行った片耳だけのピアス」あたりだと生々しくなりますよね。それももう古いのかなあ。

      削除
    3. ありがとうございます。
      助手席に長い髪の毛があるのを見つけて、まあ、女性を乗せたからなのですが、別にやましくはないけれどこのままでいいわけないなぁという意味です。確かに「いいわけない」は言い訳も意識しました。
      ちなみにその長い髪の毛の女性、本日無事出産したそうです(職場の同僚です)。

      削除
    4. 自解ありがとうございます。

      そしてご出産おめでとうございます。どうぞよろしくお伝えください(?)

      削除
  17. (マイナス一点)

    時計屋さん正しい時刻はどれですか

    ○これはなかなかの盲点である。こう問われて即答できる時計屋さんはそういないだろう。逆に言えば、正しい時刻を知らなくても時計は売れるのである。我々がまだ気付いていない人と物の関係はまだまだありそうだ
    ●童謡のような、語りかけの口調が楽しい。いい句だと思うが、残念なことに類想があった。『時計屋の時計春の夜どれがほんと』(久保田万太郎)。 惜しい、という気持ちを逆選に変えさせて頂く。また、これは類想とはいえないのではという意見、こういった句会での類句類想の扱いについてのご意見もぜひ。
    ●このような句をいろんなところで見ることが多いのが気になる所です。

    返信削除
    返信
    1. 一番下の方の句評に同感です。ひとつの流行りかもしれませんが、いまいち口語として違和感をおぼえもします。私が共通語話者ではないからでしょうが。

      削除
    2. 逆選に頂きました。
      二番目の評です。
      たいへんに姿のよい句であると思います。
      類句の指摘は、参考までにということで。

      削除
    3. 並選にていただきました。類想ありましたか…
      己の不勉強さを露呈してしまい恥ずかしい限りですが、
      このような句は私のいる場ではあまり見ませんので、それも意外でした。

      削除
    4. こんばんは。一番下の逆選です。
      もしかすると間違いかもしれないのですが、鍛錬・研鑚句会の
      昨年のどこかで二回ほど出て来たような記憶がこびりついています。
      そこから類句という感覚になっていました。
      確かめていきます。

      削除
    5. 類想ありましたか。不勉強でした。ただ、今は電波時計がありますからこういう光景もだんだんなくなっていくのかもしれません。

      削除
  18. (マイナス一点)

    立春すでに燃えカス

    ●うーん?何があったのか??

    返信削除
    返信
    1. どんど焼きですよね。

      削除
    2. 僕ん家の近所に神社がありましてね。風で飛んできますよ。燃えカスが(笑)
      でも、これはちょっと格好つけすぎた句かも、これから春って時にくたびれてたんですよね。

      削除
  19. (マイナス二点)

    ふたりだけの星座を結んで帰ろう

    ●一言で言うと陳腐。そもそもこのように星座を結んだ所で何になるというのだろう。そんな暇があったら、今ここにあるぬくもりを確かなものにすべきだ。ちなみに決してこの二人に嫉妬しているわけではない
    ●ロマンティックではありますが、ラブレター的で俳句、自由律というようには、捉えられませんでした。

    返信削除
    返信
    1. オリオン座と北斗七星をつなげるという風に考えたため、よくわからなくなってしまいました。ふたりで独自に星座をつくったという景ですね。悪くはないと思います。

      削除
    2. 手をつないで夜の町を行くんですよね。

      削除
    3. 作者、畦道です。
      逆選王、頂きました!
      『鉄塊』的には少々、甘過ぎました。
      スゴつぶに出せばよかった(反省)。

      削除
    4. 逆選にていただきました。甘いのもありましたが、J-POPの歌詞にこのようなフレーズがあったような気がしたのです。
      個人的に、畦道さんは社会の暗部を追求した句に良句が多いと思います。以前読ませていただいた吾亦紅の句は最高でした。
      そういえば今回の句会で、私は畦道さんの句を特選と逆選で取ってるんですね。ある意味、真の畦道さんファンかもしれません。

      削除
    5. 取りませんでしたがこの句は好きです。星空の正しい楽しみ方だと思います。

      削除
  20. (無点)

    自分だけが知っている名前ばかりのアドレス帳

    返信削除
    返信
    1. ニックネームで入れているのでしょう。ただこれでは単なる事実の説明ではと思い、とりませんでした。

      削除
    2. 作者です。koto さん、句評をありがとうございます。
      普通のアドレス帳に連ねた名前を見て、
      この人たちは世の中ではあまり知られていないかもしれないが、
      私はきちんと知っているぞと、そういう気持ちを詠んだものです。

      削除
    3. 自解をありがとうございます。

      余談ですが、私はたいていフルネームで登録するため、自分だけが知っている名前がアドレス帳に見当たりません。

      削除
  21. (無点)

    雪に顔突っ込んで姑の悪口

    返信削除
    返信
    1. これは大分悩みました。雪国では、こういう習慣があるのでしょうか。寒いし冷たいと思うのですが。ぜひご教授を。

      削除
    2. そういう習慣はないです。
      ただ、雪は音を吸い込んでしまいますから悪口を言うにはもってこいかもしれませんね。

      削除
    3. >古戸暢さん
      作者です。私は雪国出身ですが、習慣というより、こういうこともあったんじゃないかな、と想像して作りました。
      嫁姑の問題はどこにでもありますし…

      >働猫さん
      まさにその通りです。怒りで火照った顔を冷ます効果もありそうですね。

      削除
    4. お二方ありがとうございます。北国出身者が周りに皆無なため、まじめにあり得るのではないかと考えてしまっていました。

      削除
  22. (無点)

    握手は全部トラウマだ

    返信削除
    返信
    1. 背景が見えず、よくわかりませんでした。私もあまり握手は好きではありません。

      削除
    2. アイドルの事かと思いましたよ。

      削除
    3. こういう人が、政治家やAKBのような「握手業」が勤まらないかと言えば、案外そんなこともないような気がします。

      削除
  23. (無点)

    おばあちゃんと歩く女はゴスロリ

    返信削除
    返信
    1. 面白そうな景色ではありますが…

      削除
    2. ある地方都市のほとんどが空き家となってしまった公営住宅街で、まさにこの句のとおりの光景を見たことがあります。これが都会での光景ならほほえましいのでしょうが、その時に見たのはちょっと怖かった。

      削除
    3. どうもありがとうございます。

      福岡に天神というところがありますが(スピッツの「さわって・変わって」の冒頭で歌われています)、そこでの景です。

      街中でみかけたため何も思いませんでしたが、確かに地方でみるとちょっと怖いですね。

      削除
  24. (無点)

    くしゃみしたら空が破れてね

    返信削除
    返信
    1. 安倍公房でありそうだなと思いました。

      削除
    2. これもくだらない句だな。安部公房とかそんな知的でもなんでもないです。すごいくしゃみをしただけ…

      削除
  25. 皆様、お待たせいたしました。
    鉄塊 第十回鍛練句会の結果です。

    今回も、選のない句を(無点)として表記しております。
    今回のブログの記事に訂正箇所等がございましたら、
    またご連絡下さい。

    返信削除
    返信
    1. 玄齋さん
      どうも、お疲れ様でした。
      初めての編集だったんですよね。
      まずは、余韻を噛み締めてください。

      じっくり鑑賞させていただきますね。

      削除
    2. 渋谷さん、ありがとうございます。
      同じレイアウトにするのに使うタグをテストしながら
      アップしていました。それがわかってからは作業がはかどりました。
      これからもよろしくお願いいたします。

      削除