2013年3月17日日曜日

第三回 VT句会(2013春)


最高得点句
もう生きているだけの爪を切る

鍵盤の血を拭けば低音

互選集計
(5点)もう生きているだけの爪を切る ○○○○○
(5点)鍵盤の血を拭けば低音 ○○○○○
(4点)根雪に膝突き先祖の話 ◎○○
(4点)吹雪の木々の手ざはり ◎○○
(4点)雪おろし知らないままにたぶん死ぬ ◎◎
(4点)春を待つ銀のエンゼルまだ独り ◎○○
(3点)くんくんと匂い嗅いで回る春だよ ◎○
(3点)俺の内側は別の色に塗ってある ◎○
(3点)取り皿の四角く冬の深みけり ◎○
(3点)窓拭いて月を尖らす ○○○
(3点)春暁や目覚めぬままに少し泣く ◎○
(3点)啼くことを許され春の犬である ○○○
(2点)切れぎれに眠る枕がたより ◎
(2点)件は冷たい鉄の門に入る ◎
(2点)半世紀置かれし春日傘 ◎
(2点)まつすぐなら疑ふ ○○
(2点)メニュー告ぐチョークの音も二月かな ◎
(2点)新しい方言覚え冬の果 ○○
(2点)たぶん七回忌でおしまいだと父は食後の茶を断った ○○
(2点)このかなしみにルビふる ○○
(2点)椿の蜜舐めよる肥えた蠅 ◎
(1点)救いの神がお年玉をねだりにやってくる ○
(1点)ペンですかいいえ馬です春隣 ○
(1点)蜜吸うや甘いの辛いの酸っぱいの ○
(1点)蜜壺に沈む羽虫の睡り ○
(1点)蜜の香りへ舌をさしだす ○
(0点)ママチャリのコンドル ○●
(0点)教会に空席 ○●
(0点)節分に仏頂面を外しけり ○●
(-1点)目の前にあと一人いる福笑い ●
(-1点)回転をしたかに見せる光沢だ ●
(-1点)蜂蜜をたつぷり塗つて蕪村の忌 ●
(-1点)佐保姫と名づけ野良猫にかまぼこ ●
(-2点)コマーシャルソングの事が好きすぎる ●●
(-2点)蜂蜜が妙に好き ●●
(-3点)醜女も蜜壷 ●●●


※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。

作者一覧

【青山茂根】
吹雪の木々の手ざはり
まつすぐなら疑ふ
小道いくつを如月の野にまどふ
啼くことを許され春の犬である
動かぬ泡抱いて蜜

【粟野賢太郎】
教会に空席
初雪処女の手袋
憂鬱はお前を守るカランコエ
淡雪のかかりし指と約束し
醜女も蜜壷

【五十嵐義知】
マスクする理由違へてゐた
件は冷たい鉄の門に入る
風邪声の聞こゆる青い水の中
取り皿の四角く冬の深みけり
幻燈という蜜の塊

【小川春休】
切れぎれに眠る枕がたより
窓拭いて月を尖らす
雲雀東風盆に徳利ころがれる
蜜月や艶見ゆるまで梅近く
春灯を消し字幕には蜜語かな

【榊倫代】
野茨の芽の矜持
春一番に耳羽搏くよ  
メニュー告ぐチョークの音も二月かな
春暁や目覚めぬままに少し泣く
蜜壺に沈む羽虫の睡り

【篠原識別子】
犬の目にしやぼん玉
半世紀置かれし春日傘
少年の帽子目深き春の雪
春時雨一升瓶を提げてゆく
蜂蜜をたつぷり塗つて蕪村の忌

【渋谷知宏】
くんくんと匂い嗅いで回る春だよ
わかめになりたい波が揺れてる
猟犬の末裔今はバター犬
真っ直ぐに雪は落ちない決闘だ
蜜吸うや甘いの辛いの酸っぱいの

【白川玄齋】
落椿のどこまでも紅い
救いの神がお年玉をねだりにやってくる
目の前にあと一人いる福笑い
初日の出いつも通りの酒に酔い
蜜蝋で封もされずに年賀状

【鈴木牛後】
怒声降り積もりホワイトボードは雪野
俺の内側は別の色に塗ってある
節分に仏頂面を外しけり
佐保姫と名づけ野良猫にかまぼこ
蜜蝋蝋燭たわわに雪の部屋を塗る

【中筋祖啓】
ママチャリのコンドル
坂をゆききった荒い息
回転をしたかに見せる光沢だ
コマーシャルソングの事が好きすぎる
蜂蜜が妙に好き

【畠働猫】
もう生きているだけの爪を切る
骨になって正体不明の動物となる
冬日向えふぶんのいち丸くなる
春を待つ銀のエンゼルまだ独り
水蜜の季節も待たず逝ってしまうという貴女

【馬場古戸暢】
夜の寒さもスクワット
かめはめ波放つ幼女ふたり
冬帝を迎え撃つなり手を握る
雪おろし知らないままにたぶん死ぬ
蜜の香りへ舌をさしだす

【藤井雪兎】
根雪に膝突き先祖の話
鍵盤の血を拭けば低音
新しい方言覚え冬の果
ただ見てたホットケーキを焼く背中
蜂蜜瓶抱いて陽だまりの昼寝

【松田畦道】
たぶん七回忌でおしまいだと父は食後の茶を断った
このかなしみにルビふる
ペンですかいいえ馬です春隣
早春の星巡りしてすぐ爆発
壇蜜のひかがみあたりまで二月

【矢野錆助】
凍えた両手がカップ酒掴む
冬霧のドブ川ちろちろ
老父母の背中の丸く白菜鍋
風花の空に残りし飛行機雲
椿の蜜舐めよる肥えた蠅

以上全15人。

※五十音順。句の並びは、自由律二句、定型二句、題詠一句の順。今回の題詠は「蜜」。

146 件のコメント:

  1. 以下、選評。

    ◎……特選
    ○……並選
    ●……逆選
    △……コメントのみ

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  2. もう生きているだけの爪を切る(5点)

    ○「寝たきりの方をお世話しているのでしょうか。『もう生きているだけ』という突き放した言い方の中に様々な感情がこめられているように思います」
    ○「植物状態となった人の爪を切っている場面を想像した。伸びてくる爪をときどき切ることがどれほど切ないことか。『爪』というものに焦点を当てることで浮かび上がるものがあるように思った」
    ○「類句はあると思う。こういう気持ちで爪を切ることがあったため、採った」
    ○「寝たきりになってしまった誰かの爪を切る景と読んだ。もう生きているだけ、と素っ気ない言い方から、その誰かに対する情が不思議とじんわり滲み出す。病室のなかで爪を切る、ぱちん、という音がまるで、二人の会話にかわるもののように響いてくる。語らずに語る、という立派な姿の句だと思う」
    ○「死んだ後でも爪は伸びますね。『もう生きているだけ』、本人は死んでいるのに、切ない情景ですね」

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    1. いただきました。私はてっきり自分の爪かと思っていましたが、ほかにも、寝たきりの誰かの爪、植物状態の誰かの爪、そして死んだ誰かの爪の可能性がありましたね。思い至りませんでした。

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    2. 並選に頂きました。四番目の句評です。死んだ後も伸び続ける爪、と読まれた方の評にはっとしました。

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    3. 作者です。選評ありがとうございます。
      脳梗塞の後遺症で不自由な母親を介護しています。
      ただこれは母のことばかりで詠んだわけでもないように思います。さまざまな解釈を見ることができて、なるほどなあと唸ったり喜んだりしています。

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  3. 鍵盤の血を拭けば低音(5点)

    ○「拭いた拍子に押された鍵盤が、かすかな音を立てたのでしょう。ピアノの白と黒。血の赤。静寂の中ふいに鳴るピアノの音。ただならぬ緊張感があります」
    ○「鍵盤につけてしまった血を拭き取るときに鳴らしてしまった音が低音だった、というだけのことだが、そこになぜか壮大なドラマの入口を感じてしまう。サスペンスドラマのイントロダクションに使われそうな音だからか」
    ○「怖いワンシーン。けど、これはこれで、嬉しい。なぜか安心する」
    ○「ピアノを頑張っているのか、熱心な方を詠んだのか。でも、いいところを捉えたなと思います。血で低音とくれば、重く捉えられるかもしれませんが、血を拭こうとして鍵盤を押すシーンはちょっと滑稽でもあります。その後、ぷっと笑ったりして」
    ○「句頭・句末の『鍵盤』『低音』の響きの対照が心地よい。非常に整った自由律句という印象」

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  4. 根雪に膝突き先祖の話(4点)

    ◎「もう何代も同じ土地で生きている作者かと読んだ。いつまでも溶けない雪と、いつまでも繋がりを断てない先祖の存在とが、絶妙に響き合う。膝突き、もいい。両足で大地を踏みしめるだけなら普通だが、作者は根雪に膝を突き、働いているのだ。人間と土地との結びつきを力強く詠んだ句だと思う(松田畦道)」
    ○「北の生活詠。北国とは縁がないため雪に膝を突くという状況がよくわからなかったが、佳句」
    ○「お墓参りでしょうか。お墓の前で先祖の話を父母、もしくは祖父祖母から聞く。根雪にこの一族の歴史を感じました」
    △「最後まで選に入れるか入れないかで悩んだ。少し前時代的な雰囲気があるものの好き句」
    △「正月に田舎に集まった親戚たちに向けて老人が話すフォークロア。あるいは墓参りか。正選が4つなら選びたかった。自分の背景にないものを詠んだ句には惹かれる」

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    1. 改めて読むと、やはりいい。時を超えて一族の物語が展開して行く。

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    2. △「正月に」の評を書きました。
      美しく心地よい光景ではありますが、根雪に膝ついたら寒いよな、落ち着いてじっくり話すことはできないよな、と思ってしまい、正選としませんでした。北国のリアルに生きている弊害です。

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  5. 吹雪の木々の手ざはり(4点)

    ◎「吹雪の中で木々の手触りを感じる心の余裕は普通ないはずだが、そこにあえてこだわるナンセンスさが非凡(篠原識別子)」
    ○「吹雪く中、なんとなく木に手を添えた。ただそれだけの句だが、その手ざはりを句として描いたところに面白みを感じた」
    ○「吹雪の中、風下にあたる部分だけ木の幹があらわになっている。吹雪の中に手ざわりを見出した発見がある」

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  6. 雪おろし知らないままにたぶん死ぬ(4点)

    ◎「人間はたいていのことは知らないままに死ぬんだろうと思う。雪下ろしは、私には馴染みだけど、大半の人は知らないまま死ぬんだよな、と改めて思った。人間は死ぬまでひとりひとり別々の個体なのだな、と(鈴木牛後)」
    ◎「こういう生き方も、これはこれでカッコイイと思いました。軍人精神だ!(中筋祖啓)」
    △「私もです」

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    1. 馬場さんが、もしも軍人だったら、壮烈なる戦死を遂げたのだろうと複雑な心境になりました

      これは、複雑な句です

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  7. 春を待つ銀のエンゼルまだ独り(4点)

    ◎「森永のチョコボールですね。あれをきちんと五つ集められた人はどのぐらいいるのでしょう。寒の中の、銀のエンゼルの輝きが可憐(小川春休)」
    ○「もう四十年来の疑問なのだが、銀のエンゼルを五枚集めて『おもちゃのカンヅメ』をもらった人というのはほんとうに居るのだろうか。まず、おもちゃのカンヅメの実物を見たことはないし、銀のエンゼルもおそらく一度か二度くらい、出ただけだ。本句のエンゼルもまだひとり。ずいぶんと待ち遠しい春だ」
    ○「おもちゃのカンヅメまではあと四枚(四人)必要なため、春は遠い。だが、突然来る春もあるだろう。金のエンゼルのように」
    △「『銀のエンゼル』という必殺フレーズを使いノスタルジアを巧みに利用した秀句」

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    1. だいたい、二つ目が出てくるころには一つ目がどこかへ行ってしまっていた気がします。

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    2. 並選に頂きました。二番目の句評です。おもちゃのカンヅメ、けっこうもらっている人がいるんですね。春を待つ、との相性が抜群の一句でした。

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    3. 作者です。選評ありがとうございます。
      これは過去作を定型に焼き直したものです。
      「必殺フレーズ」という評があるように、自分でもちょっとあざといかなあという気もしています。
      女の子にもらったチョコボールがたまたま銀のエンゼルで、そのままなんとなく職場の机のひきだしに入っています。自分では買わないので、銀のエンゼルがはばたく日はきっと来ないのです。かわいそうですね。

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  8. くんくんと匂い嗅いで回る春だよ(3点)

    ◎「今回は全体的にわかりにくい句が多かった。そんな中でこの句は一読してわかりやすく、かつ、誰もが経験しているがほとんどの人が忘れている事を上手く表現している(藤井雪兎)」
    ○「『くんくん』が春らしいです。春になると、動物っぽい振る舞いをしてみたくなりますね」
    △「春らしいなあ。でももう一つ何か欲しいなあ、と思う」

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  9. 俺の内側は別の色に塗ってある(3点)

    ◎「これは、防御なのか自我なのか。何物にも染まらないと言う意思と取りたい(渋谷知宏)」
    ○「少々観念的過ぎるきらいがあるものの、何やらドキリとする印象を受ける。きっと人間の本質的な何かを言い当てているのだろう」

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    1. 観念的で意味をとれなかった。

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  10. 取り皿の四角く冬の深みけり(3点)

    ◎「なんとなく冬だなと思ったので採った。いい点を説明することはできないが、なんとなくいい句だと思ったのだ(馬場古戸暢)」
    ○「白の清新なイメージが美しい。楽しい会食の中、料理を取り分けるために腰を浮かしたところで窓外の雪景色を見たのだろう。清らかで美しい句だと思った」

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    1. 特選でいただいたが、白い四角い取り皿を想像するだけの句である。それだけでなんか冬なのである

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    2. 最初はあまりピンと来なかったのですが、こうして選評を読んでいるといい句のような気がしてきました。

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    3. 並選です。「白の」の評を書きました。
      これは本当に美しいなと思いとりました。

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  11. 窓拭いて月を尖らす(3点)

    ○「くもっている窓を拭いて月が鮮明に見えた。月は三日月で、窓ガラスもちょうど三日月の形に水滴を拭ったと考えると、あたかも月によって窓ガラスがくりぬかれたような錯覚もあり、幻想的である」
    ○「冬の月の描写としてすぐれている。静かな情景」
    ○「原因→結果のパターンになる自由律の短律が多い。定型化している。そこに必然性がなければ採れる」

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    1. 上句と下句の因果関係がわからないため、いまいち想像できませんでした。

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    2. これはとらなかったことを後悔しました。窓の曇りを拭き取ると、月が鮮明になる、そういう景ですね。

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  12. 春暁や目覚めぬままに少し泣く(3点)

    ◎「実にセンチメンタルな句だが、どうしようもなく好きでたまらない句。きっと日本人の嗜好のド真ん中を撃ち抜く句なのだろう(矢野錆助)」
    ○「あえて定型を採る。子供の姿だろうが、未知なるものへの畏敬を含むようで」
    △「中七下五良いと思います。しかし目覚めと暁は近すぎる。上五次第でずっと良くなる句と思います」
    △「目覚めていないのはたいてい明け方なのだから、季語は春暁ではない方がよかったと思う」
    △「雰囲気は好きですが、少し余韻にしつこさが残ります。ですが、これはお酒の好みのようなものなのでお気になさらず」

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  13. 啼くことを許され春の犬である(3点)

    ○「意味は今一つ不明であるが、句としてできている」
    ○「春の持つ愁いと喜びの両面が少しユーモラスに描かれている」
    ○「この犬は冬も啼こうとすれば啼けたのだろうが、やはり春の方が思い切りよく啼けるだろう。そしてその啼き声に春の空気がふるわされ、より香り豊かになるだろう。春と犬は、互いに不可欠な存在である」
    △「動物にとっては当然の営みを『許す』、人間の傲慢さ。春の犬、の躍動感がいい」

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    1. 啼くことを禁止されていたのだろうか。どうやって禁止していたのだろうか。

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  14. 切れぎれに眠る枕がたより(2点)

    ◎「春眠の季感、春の愁いを、漂流するものの悲しみのように。水に浮かんだ木切れを想起させてせつなさと眠りから醒める苦しさ、覚めても苦しみの多い現世を表現して秀逸(青山茂根)」

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    1. 句評を読んで、いい句だと思うようになった句。それまではぴんときていなかった。

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  15. 件は冷たい鉄の門に入る(2点)

    ◎「『くだん』と読んだ。予言をして死ぬと言う人面牛身の妖怪。『鉄の門』は、入れば二度と出られぬ牢獄あるいは病棟であろう。『真実を語る者』はとかく都合が悪い。人目につかぬよう押し込められいずれは命を奪われる。『鉄の門』とは原発のことかもしれない。真実は門の中に隠され覆われ私達には届かないのだ。風刺とやりきれない思いが『冷たい鉄の門』という硬さに凝縮されている(畠働猫)」
    △「これも好きな句。物語の件は、いよいよ冷たい鉄の門へ。何かが起こるという期待を、これほどの短い言葉で表す巧さは光っていると思う」

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    1. これはまったくわからなかった。件のことは知っているが、だから何なのかつかめていなかった。句評を読んで納得した次第である。

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    2. とりませんでしたが印象的な一句ですね。内田百閒と、『くだんのはは』という小松左京の短編を思い出しました。

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    3. くだんといえば、真っ先にたぶんその小説を連想しました。

      ラジオ番組の朗読で聴いたのですが、あまりにも怖すぎて、すごいインパクトでした。

      くだん=ホラー

      というイメージがあります。

      この句も、やはりホラーだ。

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    4. 特選。
      しかし本当に「くだん」と読むのかは自信はないんですよ。ただそう読んだとき、私の好みにどんぴしゃりだったというだけです。へへ。

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  16. 半世紀置かれし春日傘(2点)

    ◎「半世紀という時間の流れと、春日傘のある景の響き合いが美しいです(榊倫代)」
    △「半世紀も置かれたら春日傘形がなくなっているような気がするが、その鷹揚さが春のたゆたう感覚を表現しているのだろう」
    △「物語のはじまりを予感させる。春日傘が動く感がする」

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    1. 博物館だったらありそうです。

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  17. まつすぐなら疑ふ(2点)

    ○「数学的な目線だ。もしくは、パソコンのバグ?」
    ○「悟ったと自称する奴からは遠ざかれ、と言いますね。疑った末にきちんと何かが見えてきたら、決して『悟った』等とは口に出さなくなると思います」

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    1. これ、良かったです
      結果的に毎回、茂根さんの句とってます
      パソコンとのコミュニケーションに使える感性だとおもいました

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  18. メニュー告ぐチョークの音も二月かな(2点)

    ◎「立春を過ぎても実際はまだ冬の寒さが続き、時ならぬ寒波が襲来することもある。店舗の外に設えられた小さな黒板にはその日のメニューが毎日書き換えられる。そのたたずまいや黒板に文字を記す時の小気味の良い音が春の訪れを予感させる(五十嵐義知)」

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  19. 新しい方言覚え冬の果(2点)

    ○「旅先でのことか、あるいは住み慣れた土地での出来事であろうか。下五の『果』が遠方や遠く離れた場所を想起させ、郷愁豊かな一句である」
    ○「結婚や仕事の都合などで、馴染みの少ない土地での生活を始める。恐らく初めて過ごした冬、新しい方言を覚える前向きさ、活力が好ましい。その土地の人たちとのつながりもほのかに窺わせる」

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    1. こうして根付いて行くのでしょうか。

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  20. たぶん七回忌でおしまいだと父は食後の茶を断った(2点)

    ○「リズムもスムーズだし、ストーリーも面白い。リアリズムを追求しようとすると、句は長くならざるを得ないのかもしれない」
    ○「連れ添った伴侶を亡くして7年目。自身もまた老境にあり、十三回忌までは生きていないだろう。断ったのは茶ではなく、寂しい余生か。きっとその背中の小ささを作者は寂しく見守ったのだろう。話し言葉が効果的だと思う」
    △「よくわからないがドラマを感じる。いろいろと想像できそう」

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    1. 最近では法事をやらない家が増えてきたとか。この句もそういうことかもしれません。

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    2. 一番上の選評が私です。五七五というある意味浮世離れしたリズムと違って、自由律のリズムは、普段我々が使い慣れているリズムに近いので、やっぱりどうしてもリアリズムを追求する方がしっくり来るんですよね。あくまでも私の場合ですけど。

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    3. 並選。「連れ添った」の評を書きました。
      「私」と「父」との距離感がいいですね。
      たぶん直接会話しているわけではない。だからこそこういった父の一連の仕種を客観視できる。

      五七五が浮世離れという雪兎さんの意見に同感です。
      五音・七音が自然にマッチングするのは文語(あるいは古語)なのだと思います。
      口語で句を作るならば、自由律に行き着くというのは自然な流れなのではないでしょうか。

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  21. このかなしみにルビふる(2点)

    ○「自分の悲しみを咀嚼する行為が実感としてよくわかる」
    ○「小学生向けに簡単な漢字にもルビをふったようなものではなく、漢詩などの、難解な漢字で記されたかなしみの言葉と読みました。クラシカルな趣きと、ひらがなカタカナのみの表記の句の佇まいが良かった」
    △「この句は魅力的。何てルビを振ったんだろう?」
    △「発想は悪くないですが、この路線は独りよがりになりやすいのでご注意を」

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    1. よくわかりませんでした。難解です。

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  22. 椿の蜜舐めよる肥えた蠅(2点)

    ◎「『蜜』の中では一番好きな一句です。堂々と蜜をなめる蠅のふてぶてしい様子を思い浮かべました(白川玄齋)」
    △「対象との距離感や視点がいいと思ったが、椿の季節に蝿がいるものなのか。もしいればもっと新鮮な驚きになるのではないのかなと思った」

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    1. △「対象との」の評を書きました。
      これも北国故の感覚のずれなのかもしれません。

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  23. 救いの神がお年玉をねだりにやってくる(1点)

    ○「『救いの神』は幼い子供だろうか。子供に救われたのは夫婦の危機か。それとも笑顔によって暗い世相を明るくしてくれているのか。ただし本人にはその自覚は無い。ただ無邪気な正月の笑顔でやってくるのだろう。危機を乗り越えたからこその明るさがある」

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    1. 「救いの神」にぴんときていなかった。何かに対して一方的にラベルを張っている感じが苦手でした。

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    2. 並選。「『救いの神』は」の評を書きました。
      いろいろな場面・ドラマが想像できて楽しいと思いました。

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  24. ペンですかいいえ馬です春隣(1点)

    ○「『Is this a pen? No,this is a desk』というのが教科書に載っていたとか載っていなかったとかいう話があったが、机ではなく馬であるところがいいし、そのバカバカしさがまさに春を待つ気分だ」
    △「文字通りに取ると奇怪な会話ですが、日本語教室であればありそうな例文です。語学教室の明るい雰囲気、春もすぐそこ。採りたかった句です」

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    1. 選評を読んでそういうことだったのか、と。気付きませんでした。「こんにちは、ナンシー」「こんにちは、タケオ」だったら気付いたんですけど。

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    2. 私もナンシーとタケオの教科書でした。なつかしい。

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  25. 蜜吸うや甘いの辛いの酸っぱいの(1点)

    ○「定型のリズムの気持ち良さに加え、笑ってしまうくらいに馬鹿馬鹿しい内容。しかしながら、深読みすればいくらでも深く読める秀句」

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  26. 蜜壺に沈む羽虫の睡り(1点)

    ○「食虫植物のウツボカズラを思い浮かべました。羽虫はそのまま遠い所へ旅立ちそうですね」

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  27. 蜜の香りへ舌をさしだす(1点)

    ○「どうしても舐めたかったんだろう。実際のシチュエーションと言うよりも、そういう心境かなと感じました。金的なもの、性的なもの、どちらにせよ誘惑に乗ってしまいそうな弱さ、いやむしろ、誘惑を待ち望んでるような感じ、そこに共感しました」

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  28. ママチャリのコンドル(0点)

    ○「私の知る限りママチャリを句材にする作者はたった一人で、本句もその方の作だと思う。それを分かった上で選ぶのは少々気が引けるのだが、ママチャリ俳句は本句をもって、ひとつの到達点をみたと思った。マフラーかマントをはためかせコンドルの如くママチャリを駆るなにものか。バカバカしくも美しい」
    ●「素材にすぎない。これを句とするなら『石』と書いて提出するだけで句になると思う」
    △「自転車に付けた名ということ?」

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    1. 並選に頂きました。ママチャリ俳句の今後に期待します。

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    2. コンドルの次は、

      宇宙か?タイムマシンか?

      うーん、さらなるママチャリの使い方を開発し直してみます

      代表になったみたいで緊張して来ました(^.^)

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  29. 教会に空席(0点)

    ○「座りたい。懺悔したい。エサのように誘われた」
    ●「当たり前のことを句にしてはいけない、ということはありませんが、この句はあまりにも当たり前なのではないでしょうか。それとも私が読み取れていない何かがあるのか」
    △「いろいろなドラマを想像させる。面白い」

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    1. もう一つ何か取材があったら取っていたかも。

      削除
    2. 結婚式に招いた見せつけたい元カレの席はやっぱり空席だという女の業のようなものでしょうか。(妄想)

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    3. エサのコメントが私です

      これは、迷わず入ってくる句でした

      削除
  30. 節分に仏頂面を外しけり(0点)

    ○「類想句のなさ、鬼の面を外すように、表情を変えるさまを詠んで面白い。描写としてもなかなか春が来る喜びを表しているように思う」
    ●「『節分』と『仏頂面』が付きすぎているように思います。もうちょっと飛躍が欲しいなと思いました」

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    1. おじいちゃんの様を詠んだ句とみれば、ほのぼのする。

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  31. 目の前にあと一人いる福笑い(-1点)

    ●「私には『あと一人いる』がどういう状況かよくわかりませんでした。意味がわかれば面白いのかもしれない、と思ったので逆選に」
    △「なにか面白そうな雰囲気は感じるが、何が面白いのかよくわからなかった」

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    1. 評と同じく、よくわからなかった。二人で福笑いを遊んでいるとして、いったい。

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  32. 回転をしたかに見せる光沢だ(-1点)

    ●「回転して光沢が出るのは、金属か皮革か。中七の部分が分かりにくかったか」
    △「一読、印象に残る句でしたが、個人的には何の光沢なのか読み取れる手がかりが欲しい。それと、もしかすると『見せる』は要らないかもしれないです」
    △「面白いが、表現がわかりにくいかも」

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    1. 発想はいいんだけどなぁ…いかんせん言葉が追い付いてない。

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    2. 新素材ですね。新体操とかフィギュアスケートの衣装に使えば点数が割り増しされるかも。

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    3. 作者です

      コメントを読みましたら、なぜか消える魔球の事ばかりが頭に浮かぶ事に気がつきました
      次回は、魔球ネタとかに発展できるよう頑張りたいと思います
      同時に魔球コトノブも、思い出しました

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  33. 蜂蜜をたつぷり塗つて蕪村の忌(-1点)

    ●「バターやジャム、そして蜂蜜をたっぷりつける句は、すでに多く詠まれているのではないか。蕪村の忌との取り合わせも、新鮮には思えなかった。あるいは蕪村に蜂蜜を詠んだ句があるのだろうか。どなたかご教示ください」

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  34. 佐保姫と名づけ野良猫にかまぼこ(-1点)

    ●「あえて佐保姫を持ってきた理由がどこにあるのか。『佐保姫』『野良猫』『かまぼこ』の言葉の散らかりようが見方によっては魅力的ではあるが」
    △「どうして『佐保姫』と名付けたのか。ちょっと物語が見えてこなかった。単に平和の使者として?よほど美しい猫だったのか?」

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    1. △「どうして」の評を書きました。
      必然性など必要ないのかもしれませんが、ちょっと物語が見えてこなかったのです。

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  35. コマーシャルソングの事が好きすぎる(-2点)

    ●「そうですかとしか言いようがない。作者の嗜好を述べただけで、作者の感動も伝わってこなければ、読者が共感できる要素もみられない」
    ●「はい、わかりました。で終わってしまう句でしょう」

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    1. この句は、私の日常生活そのものなので、句評を読むのがなおさら面白かったです

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  36. 蜂蜜が妙に好き(-2点)

    ●「ただごとそのままではないだろうか。俳句にする必要性は。いいおおせて何かあるか」
    ●「これだけでは俳句以前に詩にもなっていない。この後の事を書けば詩になるかもしれない」
    △「袁術公路かプーさんか。」

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    1. △「袁術」の評です。
      この後の事を書くなら血を吐いて死ぬか、ミツバチに追いかけられて下半身丸出しでにげるかですかね。

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  37. 醜女も蜜壷(-3点)

    ●「逆選狙いなのかもしれないが、自由律俳句ではこういうのもよくあるのか。表現方法はいろいろだろうが、これはちょっといただけないと感じた」
    ●「これはこれで嬉しいが、全員がこれになると困るので逆選」
    ●「どう読みとればいいのか。どう読んでもひどい(非道)。それ以外の解釈や評があるなら聞きたい」

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    1. 私はむしろとろうかと思ったほどでした。いただけない理由をぜひ。読み方については、ひどい読み方のほかないと思います。

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    2. >古戸暢さん

      私は逆選にはしなかったのですが、題詠が「蜜」なので誰かがこういうのを書くだろうなとは思ってました。なのでスルー。
      反社会的に書くんだったら、こういう誰でも思い付くような形じゃなくてもっと鮮やかにやってほしいですね。
      というか反社会的に書くということ自体がベタ句になりやすいのかもしれませんね。

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    4. 逆選。「どう読みとれば」の評。
      自分の場合、「これはひどい。ははは。逆選。」という感じですが、嫌悪感を抱く人もいるだろうとは思います。
      嫌悪感も一種の感動である以上、表現するという点では成功していると思います。
      絶対値が大きいので特選か逆選かのどちらかしかないのではないでしょうか。

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  38. マスクする理由違へてゐた(無点)

    △「学生時代、マスクしてデモに参加したことを思い出した。あれって、マスクの正しい使い方じゃないよね」

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    1. コメントを書かれた方の年代がわかりませんが、世代差を感じました。

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  39. 春一番に耳羽搏くよ(無点)

    △「ああ、春なら耳も羽ばたきそう。でも、類想あるかなあ」

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  40. 春灯を消し字幕には蜜語かな(無点)

    △「全体に漂うエロスの香りが魅力的」
    △「これも好き。灯りを消し、テレビの音声も消し、画面だけにして睦み合っている恋人たち。字幕を真似して言ってみたりして」

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  41. 骨になって正体不明の動物となる(無点)

    △「カンブリア紀のバージェス動物群を思わせる。」
    △「自由律のリズムというものが今一つ体感的に分かっていないのですが、この『なって』と『なる』との重複は締まりのない印象。リズムの緊密さが欲しいです」
    △「海岸に打ち上げられた謎の死骸。骨になって、のあたりにもう一工夫あるとよかった」

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    1. 個人的には、この句のリズムはわるくないと思います。ただリズムとは別に、「なって」と「なる」の重複にそのような印象をもたれる気持ちもわかります。

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    2. 作者です。句評ありがとうございます。
      「なって」と「なる」の指摘、なるほどなあと思いました。
      自分ではまったく気にしていませんでした。
      今後配慮してみます。

      これは小さいころ、川で遊んでいたときに、謎の白骨死体があって非常に恐れた思い出から作りました。犬か鹿だったのではないかと思います。

      あとは、ニューネッシーとか、UMA好きなところも出ていますか。

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  42. わかめになりたい波が揺れてる(無点)

    △「個人的には、句末の『てる』を除いた方がエッジの効いた句になるように感じましたが、自由律のオーソドックスな型(という言い方が正しいのかどうかはさておき)である七七に準じた形ということなのでしょうか」

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    1. 私は「てる」があった方が好みです。理由としては、書かれているようにリズムが合うこと、「てる」がないと締まりがない印象をもつこと、を挙げます。

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  43. 少年の帽子目深き春の雪(無点)

    △「よくできている有季定型句だと思うが、この詠草集の中に置かれるとつまらなく感じてしまう…」
    △「良い句なのですが、俳句としてまとまり過ぎかな」

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  44. 動かぬ泡抱いて蜜(無点)

    △「『動かない泡』とはどういうものか?『ゆく川の流れ』に見るような無常観に対するアンチテーゼなのか。よくわからなかった。ただ蜂蜜が冷えて粘性が高まったということではあるまい」

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    1. △「『動かない泡』とは」の評を書きました。
      そういえば、はちみつって冷えて固まると泡が閉じ込められますよね。その泡は過去の空気そのものなのですよね。
      やはりこれは無常観へのアンチテーゼなのでは。そう思うと特選にしたくなってきました。

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  45. 冬日向えふぶんのいち丸くなる(無点)

    △「1/fゆらぎのことでしょうか? にしても『丸くなる』がよく分からなかったです」
    △「『えふぶんのいち』を平仮名にしたところに工夫があって良いと思った」

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    1. 数学か物理か。わかりませんでした。

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    2. 作者です。句評ありがとうございました。
      これは過去作です。
      猫が陽だまりで丸くなって寝ている様子を詠みました。
      私にとっての1/fが丸くなっている、という。
      伝わりにくかったですね。

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  46. 小道いくつを如月の野にまどふ(無点)

    △「複雑な構造の定型句で、重層的な読み方ができるところが魅力的」

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    1. 好き句です。この世界へ入って行きたくなります。

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  47. 猟犬の末裔今はバター犬(無点)

    △「一読して笑いながら崩れ落ちました。無いとは言い切れませんね。どちらが犬にとって幸せなのでしょうか」
    △「ひどい。虐待ですね」

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    1. 好きです。幸せとはなにか、虐待とはなにか。

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    2. 上のコメントが私です。
      すごく面白いんですけど、果たして取っていいものかずいぶん葛藤しました。

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    3. △「ひどい」の評。
      他人の性向には無関心な方ですが、バター犬は虐待行為です。

      「犬」という種においては、猟犬であれバター犬であれ、主人に尽くすということが幸福につながるのかもしれません。

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  48. 蜜月や艶見ゆるまで梅近く(無点)

    △「『蜜月や』と切ったところがいい。梅の艶っぽさもいい感じ」

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  49. 蜜蝋蝋燭たわわに雪の部屋を塗る(無点)

    △「蝋燭が『たわわに』とはどういうことなのか?枝の形になっているのか?よくわからなかった」

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    1. △「蝋燭が」の評を書きました。
      状況がつかめませんでした。

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  50. 蜂蜜瓶抱いて陽だまりの昼寝(無点)

    △「優しい句と思ったが、蜂蜜、陽だまり、昼寝とややつきすぎか」

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  51. 壇蜜のひかがみあたりまで二月(無点)

    △「春を待つかんじが『ひかがみ』なのか。何となくわかるような気がする。面白い」
    △「三月も楽しみです」
    △「これ『蜜』が指定語でなければ選んだ。『ひかがみ』を見る視点も好き。しかし今回の『蜜』は壇蜜の蜜だと自分は解釈したので、どれだけ壇蜜から飛べるか、壇蜜に引っ張られてはいかんと思った。それをあえてするという思い切りの良さは好ましいし、句そのものの完成度も高い。ただ、上記の理由で今回は選べなかった」

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    1. 三月も楽しみなのが私です。壇蜜俳句はもっと出るかと思ったんですが、この一句だけとは意外でした。私も作れば良かったかなあ。壇蜜さんと出身地同じですし。

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    2. △「これ『蜜』が」の評を書きました。
      私の思い込みが悪いのです。
      「ひかがみ」に注目したところが、えろいなあ、いいなあと思いました。

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  52. 野茨の芽の矜持(無点)

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  53. 犬の目にしやぼん玉(無点)

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  54. 怒声降り積もりホワイトボードは雪野(無点)

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  55. 夜の寒さもスクワット(無点)

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  56. 凍えた両手がカップ酒掴む(無点)

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  57. 落椿のどこまでも紅い(無点)

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  58. 風邪声の聞こゆる青い水の中(無点)

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  59. 冬霧のドブ川ちろちろ(無点)

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  60. 初雪処女の手袋(無点)

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  61. かめはめ波放つ幼女ふたり(無点)

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  62. 坂をゆききった荒い息(無点)

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  63. 憂鬱はお前を守るカランコエ(無点)

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  64. 幻燈という蜜の塊(無点)

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  65. 春時雨一升瓶を提げてゆく(無点)

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    1. 酒飲みにはある意味グッとくる情景です。こんな感じで日々を過ごしてみたい。

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  66. 早春の星巡りしてすぐ爆発(無点)

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  67. 冬帝を迎え撃つなり手を握る(無点)

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  68. 老父母の背中の丸く白菜鍋(無点)

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  69. 雲雀東風盆に徳利ころがれる(無点)

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  70. 初日の出いつも通りの酒に酔い(無点)

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  71. ただ見てたホットケーキを焼く背中(無点)

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  72. 風花の空に残りし飛行機雲(無点)

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  73. 水蜜の季節も待たず逝ってしまうという貴女(無点)

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    1. 作者です。
      6月に亡くしてしまった大切な方を思って作りました。
      思いが強すぎると陳腐になってしまうのかもしれません。

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  74. 真っ直ぐに雪は落ちない決闘だ(無点)

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  75. 淡雪のかかりし指と約束し(無点)

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  76. 蜜蝋で封もされずに年賀状(無点)

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  77. <お寄せいただいた選後感など>

    「まとまりないですが選後の感想を少し。自由律の句と同じ土壌で選をするのはなかなかの困難事でした。
    自由律のリズムが非常に印象的でしたが、七と五というパーツの組み合わせで成り立っている句は案外抵抗無く、五七五のアレンジバージョンという感じで読めました。
    それと、選んだ句以外へのコメントの中でも述べましたが、自由律句においては、文をきちんと完結させる意識が強いのでしょうか(『となる』『○○だ』『揺れてる』など)。言い流した形も使い方によっては句の魅力を引き出すこともあろうかと思います」

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  78. 選評は以上です。
    コメント等ございましたらご自由にお書きください。
    参加者の皆様、誠にありがとうございました。
    またのご参加をお待ちしております。

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