2013年4月25日木曜日
第十二回放哉ジュニア賞を読む
過日、第十二回放哉ジュニア賞が開催された。小豆島の六つの小学校より、672名1055句の投句があったというから驚きである。HP上では、受賞するにいたった132句が掲載されている。以下では7句を選んで鑑賞したい。
すずがりんりんふゆ 一年生ひな
この「ふゆ」の取って付けた感がよい。心地よい調べに、寒さも忘れそうな気配がする。
はる一ばんのうめさいた 一年生ゆい
そのまますぎるかもしれないが、好みの句である。こういう句を詠みたい。
ゆきがつせんばらばらばらばらゆきがっせん 一年生きよたか
韻律を調整したところに少しひっかかったが、「ばらばらばらばら」の擬音語は面白いと思う。何の音だろうか。
ドーナツ夏の海で使いたい 四年生なお
浮き輪をドーナツと表現しているのか。だとすれば、何の必然性があるのだろうか。私はむしろ、食べるドーナツそのものだととりたい。それを夏の海で使いたいという。どこかシュールさを感じてならない。
青空に赤いほのおがともる 六先生りき
何のことを詠ったものかわからないが、青空と赤いほのおの対比に感動を覚えたのだろう。何かのお祭りだろうか。
たねをまくはるになったらはなばたけ 一年生まや
「たねをまく」時期が「はる」とも読めるため、少しわかりにくくあった。しかし、このポジティブさがいいと思う。
はっぱのしごときらきらたいようあぴること 一年生ほのか
赤ちゃんの仕事は寝ることだが、はっぱのしごとは確かにこうなのかもしれない。「きらきら」は「たいよう」へ直接かけて読みたい。
もみじ山のおくでころもがえ 三年生りょお
思考実験か何かで、誰も見ていないところで起こったことは本当に起こったことなのか、といったものがあった。さて、このもみじ、誰も見ていない山のおくで果たして存在しうるのだろうか。
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『すずがりんりんふゆ』
返信削除冬のしんとした空気のなかでは、鈴の音がよく響くと思えたのでしょう。季節の実感を、気温や景色ではなく音で表したのがよかったと思います。
「ゆきがつせんばらばらばらばらゆきがっせん」も面白いですね。「ばらばらばらばら」の擬音はかなり的確だと思います。
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