2012年9月5日水曜日

七句

「女」

自身が男だからだろうか、過去に拾った句を見ていると「女」がやけに目につくのである。自身が女であれば、「男」を詠むようになるのだろうか。とにもかくにも、「女」好きと呼ばれないことを切に願う。

存外に短いスカートだった

遠く女子高生は夏服

おごらせない女を誘う

女物の傘に寄り添う

しきりに振り返ってくる深夜の女だ

女の鬢も汗ばむ夕刻

風呂上がりの女が歩く夜だ


※当初は、タイトルを「近作七句」としていましたが、「近作」とは「新作」であるらしいので、「近作」を削りました。七句はいずれも、今夏の『草原』に発表済の句です。

8 件のコメント:

  1. 馬場様 

    御作拝読しました。

    ◎おごらせない女を誘う

    この一句に強く共感しました。
    もし誘いにのってきたら、私はこう思います。
    (おごりでなくとも飲みたいのだから、私は相当好かれているに違いない)
    たいへんな勘違いです(笑)。
    女にしてみればただ、借りをつくりたくないだけだったりするんですね。

    他の句も、『女』という謎めいた存在に対し、程よい距離から冷徹な観察の眼差しが注がれており、興味深かったです。

    今後も益々のご健吟を。
    では、次回句会にて、また。

    畦道拝

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    1. どうもありがとうございます。

      「『女』という謎めいた存在に対し、程よい距離から冷徹な観察の眼差し」との評、自分では気付くこともなかっただろうことで、とても興味深かったです。

      今後ともよろしくお願いいたします。

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  2. 私も「おごらせない女を誘う」が一番好きですね。
    こういう人が逆に好みなので(笑)

    次点で「しきりに振り返ってくる深夜の女だ」。
    こんな時はわざと遅く歩いてやり過ごすようにしています(;´∀`)

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    1. どうもありがとうございます。

      こういう女の方が、誘いやすくはあります。
      また、年々振り返られやすくなっている気がします。気のせいでしょうか。

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  3. 遠く女子高生は夏服

    この句をいただきます。
    僕にはもはや古いことなんですが、青春を思い出しました。

    次点で、女の鬢も汗ばむ夕刻

    この句に、軽くエロスを感じてしまいました(汗)

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    1. どうもありがとうございます。

      実は「遠く」の句は、最初は鉄塊に出そうと思っていました。凡ミスによって、逆になってしまったのでした。

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  4. どれも甲乙つけがたいのですが
    「遠く女子高生は夏服」
    が、一番好きです。
    思い出にしても実景にしても、うっすらかがやいて見えます。
    半透明な感じ、というか。

    次点となるとまた難しいですが
    「しきりに振り返ってくる深夜の女だ」
    が、今の気分では好きです。
    女との関係性によって意味合いが変わってくる所が、なんとも。

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    1. どうもありがとうございます。

      「遠く」の半透明さは、おじさんの域に達した者だけが気付く気がします。

      「しきり」の句は両方に読めるので、わかりにくいかと不安視していました。よかったです。

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