2013年11月29日金曜日

第十九回 鍛練句会


(最高得点句)

抱き寄せられて焼き芋の匂い(5点)
【タケウマ】
合わす手の隙間から風冬が来る(5点) 
【タケウマ】


(5点)抱き寄せられて焼き芋の匂い◎○○○△
(5点)合わす手の隙間から風冬が来る◎○○○△
(4点)雨で二軍に屋根がない◎○○△△
(3点)着ぐるみに儲け話ささやく◎○△△△△
(3点)おれだけの近道知らない犬が来た◎○△△△
(3点)洗濯日和となるがよい朝が近い◎○△
(2点)ほうきの先にある遠心○○△△
(2点)かかとを要点に反転◎△△△△
(2点)くしゃみの出るほど澄んだ夜空だ○○△△
(2点)ウルトラマンの尻ばかり見ている夜長○○○●△△
(2点)ロキソニン飲んで今日はまだ木曜○○△△
(2点)本買った日の晩飯はしっかりと噛む◎△△
(2点)濡れる路上の妻の待つ灯り○○△△
(1点)よごれた土地の売れない菜っ葉だ○△△△
(1点)河豚になったら敵も味方もないからな◎●△
(1点)抱いて寝たはずの犬がこちらに来ている○△△△
(1点)銀河だ穴掘る音音音○△△△
(1点)蚊がおる秋のテラスにおる○△
(1点)イヤフォン外させ道を尋ねる○○●△
(-1点)諦めず読む燃やされずにすんだ本●△△△
(-1点)しんしんと電気満ちゆく電気椅子●△△△△
(-1点)うなぎをマネすると素早い●△△△△
(-3点)白亜の土にやわらかくトリケラトプス光の素足●●●△△
(無点)犯された夜の続きの朝の挨拶△△
(無点)アフターファイブの面した女が香る△△△△
(無点)あけすけなおでんのたまごと真昼△△
(無点)干しもの取りこむサンダルの底冷たい△△△



(以上、27句)
※特選(◎)2点、並選(○)1点、逆選(●)-1点として集計。



◆招待者紹介

 【タケウマ氏】

 今回、初めての招待席制度利用で、タケウマ氏をお招きした。
 氏は、わたくし、働猫が敬愛する表現者の一人である。
 「自由律な会アぽろん」に所属されているが、自由律よりも定型句を得意とされている。
 自称俳句愛好家であるが、写真、音楽などその才能は多分野に及ぶ。



◆作者発表(投句順 編者除く)

【馬場古戸暢】
蚊がおる秋のテラスにおる
アフターファイブの面した女が香る
洗濯日和となるがよい朝が近い

【十月水名】
河豚になったら敵も味方もないからな
銀河だ穴掘る音音音
あけすけなおでんのたまごと真昼

【藤井雪兎】
本買った日の晩飯はしっかりと噛む
着ぐるみに儲け話ささやく
ウルトラマンの尻ばかり見ている夜長

【中筋祖啓】
うなぎをマネすると素早い
かかとを要点に反転
ほうきの先にある遠心

【小笠原玉虫】
抱いて寝たはずの犬がこちらに来ている
よごれた土地の売れない菜っ葉だ
ロキソニン飲んで今日はまだ木曜

【風呂山洋三】
濡れる路上の妻の待つ灯り
干しもの取りこむサンダルの底冷たい
くしゃみの出るほど澄んだ夜空だ

【地野獄美】
おれだけの近道知らない犬が来た
諦めず読む燃やされずにすんだ本
イヤフォン外させ道を尋ねる

【タケウマ】(招待)
抱き寄せられて焼き芋の匂い
合わす手の隙間から風冬が来る
しんしんと電気満ちゆく電気椅子

【畠働猫】(編者)
犯された夜の続きの朝の挨拶
白亜の土にやわらかくトリケラトプス光の素足
雨で二軍に屋根がない


以上9名

39 件のコメント:

  1. (5点)抱き寄せられて焼き芋の匂い◎○○○△

    ◎よいです。(古戸暢)
    ○煙草の匂いではなく“焼き芋”。食欲を誘う上手い作戦かもしれません。(洋三)
    ○急にではなくゆっくりと抱き寄せたに違いない。焼き芋には、正直なぬくもりがある。そしてそれは、人にも伝わる。(雪兎)
    ○不倫の香りがする。焼き芋は懐かしさの象徴だろうか。コートに抱き寄せられた瞬間、知らずに父の姿を求めていた自分に気づいてはっとする女性の姿が目に浮かぶ。ふだんは抱きよせる方の焼き芋に抱き寄せられるのもいい(地野獄美)
    △女は好きな男の腕の中でも漂ってくる焼き芋の匂いに思いを馳せずにいられない生き物なのです。ジュディオングもそんなような歌を歌っていました。(働猫)

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  2. (5点)合わす手の隙間から風冬が来る◎○○○△

    ◎この句の人物は、合わせた手の隙間からだけではなく、全身で風を受けているはずだが、敢えて「隙間から」と感じたのは、意識が「合わす手」に集中していたからであろう。人の意識の不完全さをうまく利用している句だと思う。(雪兎)
    ○これは美しいです。触覚と、聴覚で感じる冬ですね。(水名)
    ○とりました。いいですね。こういうふとした時に感じる季節の変遷。どことなく一人な感じも実に自由律らしくていい。私の中で理想の感じの自由律です。(小笠原玉虫)
    ○「合わす手」は二人の手と読んだ。春に出会い夏に関係が深まり秋を迎え二人の距離は離れていく。そんな心の機微を合わす手の隙間として表しているのだろう。握り直せばまだ間に合う。しかしそれに気付くのは冬が来てからなのですよね。(働猫)
    △お墓参りの句でしょうか。季節の巡りも感じます。(洋三)

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    1. 一人の手と二人の手の両方とれますね。「風冬」ってなんだろう、と考えてしまったのが、とっていない理由でした。

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  3. (4点)雨で二軍に屋根がない◎○○△△

    ◎応援したくなる情景。(祖啓)
    ○屋根ぐらいあるだろうとは思うのだが、残念ながら二軍の場合はない方がしっくりきてしまう。頑張ってください。(雪兎)
    ○勝っていようが負けていようが、二軍には屋根がない。彼らも、濡れることを、二軍であることとして引き受け、噛みしめる。いつか濡れずにすむように。そういう厳しさを耐え抜く連中に、一軍だけでなく、チーム全体の士気が高まる。チームの一員であることが、何を引き受け、何の力となるのかを考えさせる。外国では、二軍の試合でも人気のあるゲームがあるらしい(地野獄美)
    △うわー。この扱いの差がかなしい>< でも悔しかったら一軍に這い上がるしかないんですね。頑張れ青春。(小笠原玉虫)
    △一軍には屋内練習場が与えられているのであろう。雨があらためて一軍と二軍の待遇の差をあらわにしたのである。発見の句であろうか…(タケウマ)

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  4. (3点)着ぐるみに儲け話ささやく◎○△△△△

    ◎別に、あいつじゃなくたってよかったんです。今より楽に暮らしたいと思っていそうなやつなら誰でも。ただ、何となくあいつらなら、どうせ現実も真っ暗な気がして。ええ、あの着ぐるみの中みたいに。あの中からしか見えない世界ってのも、あるにはあるんでしょう。子供を肩車した家族連れとか、いかにも初デートのカップルだとかでごったがえす、なんでもない昼下がりの日曜の光景がね、酸欠ぎみの覗き穴には、いつも希望の光みたいに差し込んでくるわけです。だから、どんなにイカれた儲け話も、あっち側へ行く最後のチャンスかもと思ってしまうわけで。もし、あいつがヘマして消されちまっても、別に街角から着ぐるみが一匹いなくなるだけですから(地野獄美)
    ○ゆるキャラの人はプロらしいので、何だか、ゆるキャラを尊敬したくなる。(祖啓)
    △何してはるんですか(笑) シュールなんだけど何か好きな光景。囁いてるやつ、悪いやつだなぁ。ミッ●ー騙されないで!><(←千葉のネズミで妄想)(小笠原玉虫)
    △ねずみの国へのヘッドハンティングだったら面白い。(洋三)
    △やはり着ぐるみに囁くときは着ぐるみの耳に囁くのだろうか? それとも中の人の耳があると思われるところであろうか? 余計なことを考えてしまった(タケウマ)
    △ふなっしーでしょうね。あいつにはきっと黒幕がいるにちがいないのです。(働猫)

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    1. 働猫さんの指摘は全く正しいと思います。地野さんのストーリーもこの街のどこかで起こっているのでしょう。

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  5. (3点)おれだけの近道知らない犬が来た◎○△△△

    ◎近道って秘密めいているだけに、謎の存在が現れると怖いし、不気味だし、腹もたつ。自分も使いたかった題材なので、やられた、と思ってしまいました。(水名)
    ○とりました。あるある。あ、オレのひみつの道…だったのに…的ガッカリ感。でもそんなことはお構いなしに、ちょっと笑ったような顔した犬が来たのでしょう。しかしどうして「犬が来た」ってこうもとぼけた味わいになるのか。「何のお祭りかは関係のない犬が来た」もヤバかったですが、見た瞬間フハッと笑ってしまう何かがありますね。ちなみにどちらも柴犬系の犬で想像しています。(小笠原玉虫)
    △三読目で、「おれだけの近道」と「知らない~」とに分かれることに気付いた。(古戸暢)
    △自分だけの近道を嬉々として歩いていると、向こうから見知らぬ犬が来たのであろう。「おれだけの」と言っているのだから、なんとなくなわばりを荒らされた気になっているのかもしれない。「おれの近道…」であれば、思いがけない出会いがさらなる物語の展開へと続く気もしないではないのだが…(タケウマ)
    △犬と対等であるところにおかしみがありますね。(働猫)

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  6. (3点)洗濯日和となるがよい朝が近い◎○△

    ◎夜通し起きていたのであろうか、夜が明ける前に起きたのか、いずれにしてもこれから明けていく空はその日の快晴を予感させる色合いなのだろう。その晴れの一日を洗濯物を干すことによって享受しようというのだ。洗濯物がきれいに乾くとうれしい。実にうれしい。そして、洗濯物の乾き具合だけではなく、洗濯日和がもたらしくてくれる幸福感はもっとうれしい。そう、夜明けは近いのだ。心して待つこととしよう(タケウマ)
    ○とりました。なるがよいまでと朝が近いで切れていて、こう、タンタンと畳み掛けるリズムが好きだな。非常に若々しい感じがする。詠み人若いんじゃないかなと勝手に思っています。深夜に洗濯してる様子も自分の若い日々を思い出して懐かしい。ぐっときました。非常に好きな句です。(小笠原玉虫)
    △夜明けごろ洗濯して干してから眠るということが自分にもあります。眠ったあとに雨が降るかもしれない。そこは賭けですね。(働猫)

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  7. (2点)ほうきの先にある遠心○○△△

    ○確かにほうきを振り回すと遠心力を感じます。視点が素晴らしい。(洋三)
    ○掃除をしなければならないのに、素直に任務を遂行する気になれず、手にした箒を振り回しているのであろう。そして、振り回しているうちに箒の先に遠心力が発生していることに気づいたのである。素直に掃除をしていると気付かなかったことが、さぼることによって露わになるという詭弁を弄した句であるが、その真理に気づき永久運動のように箒を振り回し続ける姿は、たとえその真理が間違ったものであったとしても、美しいと思う(タケウマ)
    △いいですね。こういう、ふとした動作の中に「あ」ってちょっとしたことに気付く、みたいな瞬間を詠んだ句って非常に好きです。どこか他人事みたいな突き放した感じもいい。(小笠原玉虫)
    △ほうきを逆さにして掌の上で立てるやつですね。私の記録は53分です。(働猫)

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  8. (2点)かかとを要点に反転◎△△△△

    ◎よく見ているなあと思いました。まさに要点を衝いています。(洋三)
    △「要点」の用い方に疑問を覚えた。句を詠む上で言葉の使用法の検討は不要だが、読み手の頭に疑問符を生じさせては仕方がない。(古戸暢)
    △前出の「ほうきの先に~」と同じように、ふとした動作に何気なく思いを寄せてる感じがいい。同様に非常に短くきれいにまとまっているところも実に好みです。だから何なの?ってこの句に対して思うかたもいるかもしれない。でもいいんですよこれは。何気ない動作の瞬間を鮮やかに焼き付けました。(小笠原玉虫)
    △なるほど、反転をする際にはかかとは要点であろう。その真理をつかみ、きれいなターンができるようになったのであろう。めでたいことである(タケウマ)
    △つまさきじゃないかと思うのですが。(働猫)

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  9. (2点)くしゃみの出るほど澄んだ夜空だ○○△△

    ○とりました。冬の方が空気が澄んでいるので夏よりも星がよく見えるそうですね。冴え冴えと頭上に広がる寒い季節の夜空が目に見えるようです。ひとりでくしゃみをして急ぐ夜道なのでしょう。日常を詠みつつ宇宙を感じさせる句。好きです。(小笠原玉虫)
    ○まるで澄んだ夜空がくしゃみを出させたような転倒ぶりが面白い。この方法は色々応用が利きそうだ。(雪兎)
    △くしゃみをして下げた顔を上げると、澄んだ夜空が目の前にあったのであろう。その夜空の透明な空間に、先ほどしたくしゃみも、誘われて出たような気になったのではないだろうか。しかし、ボクには、くしゃみは身体的な反応以上のものには思えなかったが……(タケウマ)
    △くしゃみは光の刺激によっても出るらしいですね。だから出そうで出ないときには蛍光灯でもいいので光を見るといいらしいです。北海道では札幌から少し離れるだけで満天の星が見えます。特に冬は空気が澄んでいるのかとても美しい夜空です。そんな美しい情景を詠んだ句と思いますが、少し当たり前すぎるかと。散文的というやつでしょうか。(働猫)

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  10. (2点)ウルトラマンの尻ばかり見ている夜長○○○●△△

    ○置き人形だろう。そんな夜もあろう。(古戸暢)
    ○ウルトラマン特集でも見ているのでしょうか。エロチックなのかグロテスクなのか、楽しいのか寂しいのか、よくわからないところが絶妙です。(水名)
    ○テレビの見過ぎな感じがよく現れている。(祖啓)
    ●よくわからない。ウルトラマンは3分しか活動できないはずだ。3分ごとに交代で尻を見せに来るのか。異常な事態だ。逃げ出したい。しかし作者は夜通しその事態に向き合っている。恐ろしい。これは逆選にせざるを得ない。(働猫)
    △幼年期、ウルトラマンに性的興奮を感じた経験は、やがて覚醒する全身タイツ愛好やラバーフェチに通ずる偏愛性欲の萌芽である。それに類するアダルトビデオも数多く存在する。夜長、の使い方には一考の余地がある。特にウルトラマンなどは夕方や早朝に観る機会が多いだろう。茄子囓るウルトラマンの尻を見て など、このまま俳句にしても面白い気がした。それでも、性別とは無関係に質感にささやかに欲情してしまう気持ちには大いに共感できる(地野獄美)
    △尻フェチが「今宵はウルトラマンを眺め倒そう」と延々とウルトラマンの尻を鑑賞し続ける姿を想像した。個人的には、ウルトラマンよりもウルトラセブンの尻のほうが美しい気がするが……(タケウマ)

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    1. 自身の読み一択と考えておりました。皆さんの新たな一面を見た気がします。

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    2. 働猫さんの評が斜め上過ぎて僕はもう。

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  11. (2点)ロキソニン飲んで今日はまだ木曜○○△△

    ○ロキソニンはある意味、万能薬ですよね。でも週末の開放感には及びません。(水名)
    ○この“木曜”というのがニクい。これが火曜なら絶望的。金曜なら何とかなりそう。“木曜”って際どいですね。(洋三)
    △休日は土日なのであろうか。痛みを抱えつつ今日明日と頑張るつもりだが、やはり週末が待ち遠しいのだ。気だるい憂鬱な木曜日を乗り越えてください(タケウマ)
    △毎週似たようなことを思っています。(働猫)

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  12. (2点)本買った日の晩飯はしっかりと噛む◎△△

    ◎今回よい句が多くて選ぶのほんとに苦労しましが、こちらは初見一発で特選にとらせて頂きました。本を買っていそいそと帰って、もしくはどこかに寄って、夕飯食べながらもどかしく夢中で読む。覚えがある光景ですが「しっかりと噛む」に、地に足のついた感じというか、背骨が真っ直ぐというか、筋の通った生き方をなさってる感じがしてとても好感を持ちました。綺麗にまとまっているし実に美しい。質実剛健という言葉も浮かびます。大好きです。こんなふうに詠みたいものです。(小笠原玉虫)
    △なるほど、………………そうしたほうがいいですね(タケウマ)
    △読みながら食べているのでしょうね。自然、気持ちは本に集中し、噛む時間が長くなっている。しかしこれに気付くということはそうした自分を客観的に見ているセカンド自分がいるわけであり、ということは本に集中していないということでもある。そしてサード自分が句に詠んでいるという。食べるか読むかそんな自分を眺めるか詠むか、どれかにしなさい、とお母さんに怒られるといい。(働猫)

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    1. ほぼ玉虫さんの句評通りです。質実剛健。

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  13. (2点)濡れる路上の妻の待つ灯り○○△△

    ○小雨の日か、雨が止んで後か。楽しい帰り路となった。(古戸暢)
    ○美しい情景です。「灯り」という語から連想されるのか、双方の愛情が感じられます。雨上がりという希望に向かう形式も幸福を表しているのでしょう。愛と言わずに愛を表現する。お手本のような句です。(働猫)
    △雨降りよりも、雨が上がったばかりの濡れた道路を急ぎ足でいくイメージが浮かびました。濡れて光る道の先には奥様が待っている。いいですね。静かな幸せをかみしめる様子が伝わってきます。(小笠原玉虫)
    △雨上がりの夜、帰路自分の家の灯りを見ているのであろう。エロを志向しているような気がするが、そのためにはもうひとつ何かが必要な気もした。もしかしたら何かが過剰なのかもしれない。気がしただけでそれが何かはわからないけれど……(タケウマ)

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  14. (1点)よごれた土地の売れない菜っ葉だ○△△△

    ○故郷な気がする。(古戸暢)
    △基準値とされているものすら疑わしいから困ってしまいます。(洋三)
    △原子炉の爆発により放射能に汚染された土地のことであろうか。「よごれた土地」「売れない菜っ葉だ」の突き放した言い方が作者の怒りを表しているのであろう。多くの人が同様のやり場のない怒りを持っているものと思うが、その代弁の範中のもののような気がして取れなかった。この怒りの先に、なにかがあるような気がするのだが……(タケウマ)
    △放射線についてはいったい何が正しく何が間違っているのか、何を信じればいいのかわかりませんね。しかし私たちは生きていかなくてはならない。そこに生活する者の現実がよく表れています。「よごれた」とひらがなで表記したことで、現実に対する釈然としない感じ、未整理な感じが出ていると思います。関係ないですが、ベジータはドラゴンボールでナッパを生き返らせてやろうとは考えたことがないのでしょうか。冷たい。(働猫)

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  15. (1点)河豚になったら敵も味方もないからな◎●△

    ◎忘年会の料理ですね。たしかに河豚となれば、普段仲のいい同僚だろうと気に食わない相手だろうと、同じ卓になった以上は、一枚でも多くのてっさを奪い合う関係となるでしょう。まさに弱肉強食阿鼻叫喚地獄絵図が展開されるのです。でもいちばんおいしい食べ方はから揚げだと思います。(働猫)
    ●まず状況がつかめない。色々と想像はできるのだが、これという確信が持てないので、読み手としては戸惑うばかりである。言葉の持つイメージに頼り過ぎているのでは。(雪兎)
    △「河豚鍋をすることになったら、心して河豚を食い尽くそうというメッセージをとして読んだ。仲間が(例えばロサンゼルス・レイカーズのレギュラーメンバーとか鉄塊衆が)河豚となり、敵味方なく戦う姿も面白いと思ったが、そもそも河豚という魚が好戦的な魚かどうか気になってしまい、思考停止に陥った。面白くも悩ましい句である(タケウマ)

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    1. とれていませんでした。河豚に変身するものと。

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  16. (1点)抱いて寝たはずの犬がこちらに来ている○△△△

    ○仕事が終わるまで待たせてしまったのだから、寝るときくらいはせめてそばにいてやらないとさみしがるだろうからと、抱いていたはずなのに、目が覚めてみたら、ペットがまるで仕事のように戻ってくる。なんだ、温もりを求めていたのは自分の方だったか。ペットとは、人間たちのためにペットらしく振る舞うことを選んだ生き物たちの総称であることを自覚した飼い主だけが、動物たちと心を通わせることができる(地野獄美)
    △状況がわからない。(古戸暢)
    △犬を抱いて寝た作者はいつからこちらにいるのだろうか? ともに幽体離脱をしているのであればそれはそれで面白いのだが……(タケウマ)
    △相方が寝室に連れて行った犬がいつの間にか自分のところへ来ている。犬の愛情は自分に向いているのだという優越感ですね。(働猫)

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  17. (1点)銀河だ穴掘る音音音○△△△

    ○夜、道路工事をしているところを通りかかった折に空を見上げると満点の星空が輝いていたのであろう。ドリルがアスファルトを砕く音が星々の光と共鳴してるのである。美しい(タケウマ)
    △うちの田舎の方では、燃えるごみを燃やしたり、生ごみを埋めたりする穴を庭や畑の隅っこに掘るんですが、祖父が夜中の庭に出て、無言で穴を掘ってるのを見ていた子供時代を思い出しました。音音音の反復が、繰り返しシャベルで穴を掘っている感じをすごい出してると思います。いいですね。私も反復表現好きなんですが、うまく出来ないのでよく「繰り返す必要はないのでは?」なぁんて言われてますので、こんなふうに効果的に反復を使っておられるのを見るととても嬉しくなります。(小笠原玉虫)
    △不思議な取り合わせ。ただ少し遠いか。(雪兎)
    △リズムはよいが情景がつかめない。「音音音」と繰り返していることから、あちこちで穴を掘る音がしているようだが、みんなで穴を掘る状況がわからない。しかも夜に。(働猫)

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    1. あらためて読んでも、やはりつかめないです。田舎での景でしょうか。

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    2. > kotoさま。
      えっ、そうですか? 私これ以上ないってくらい鮮やかに光景が浮かびました。でも自分の過去の体験に重ねてるだけなので、その印象はまちがっているかもしれません。

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    3. 玉虫さんがお持ちのような思い出を、私は持ち合わせていなかったようです。ほどほどの田舎で生まれ育ったためか、「銀河」も「穴掘る音音音」も生活の中になかったので、何の景もみえてこなかったのです。

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  18. (1点)蚊がおる秋のテラスにおる○△

    ○最初の「おる」は蚊で、あとの「おる」は自分なのでしょう。「いる」でなく「おる」としたことでおっさんくさい感じがよく出た。秋なのに生きている蚊の儚さもテラスという語のなんだか上品な感じもうまく打ち消している。全体的に力の抜けたしょうもない感じに仕上げている。(働猫)
    △なるほど、そういうこともあるだろう。蚊と秋のテラスのミスマッチの妙であろうか。(タケウマ)

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  19. (1点)イヤフォン外させ道を尋ねる○○●△

    ○たぶん好意的な人物。(祖啓)
    ○イヤフォンをした人に道を尋ねたところ、イヤフォンを取って話を聞いてくれたのであろう。その人が正しい道を教えてくれたかどうかはわからないが、作者はイヤフォンを外させたことに満足しているのだろう。しかし、ただ道を尋ねるだけなのにいろいろ手順を踏まねばならないとは、なんともややこしい世の中になったものである。この閉塞感はイヤフォンを外すぐらいでは解消できるものではないが、作者の試みに点を投じたい」(タケウマ)
    ●今回逆選を選ぶのがほんとに難しくて、ほとんど言いがかりみたいなものです。ちょっとまんま過ぎるかなと思いました。外させ、って訊く立場なのにちょっと上から目線なのは面白いです。(小笠原玉虫)
    △ほかに誰かいなかったのか、と思う。外界との接触を極力避けようとしている人間、と自分は判断するのだが。道を尋ねるのは口実で、そうした輩に苦言を呈したいのだろうか。(働猫)

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    1. 景には面白みを感じた。

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  20. (-1点)諦めず読む燃やされずにすんだ本●△△△

    ●有名なSFそのままなのでは?視点を本ではなく、炎や焼く側にあてないと新しさを出すのは難しいとおもいます。(水名)
    △本、あんまし燃やすことはないだろうと思いましたが、買ったはいいが読まずに放置してある本ってもう後ろめたくてたまんないですよね。読まないなら捨てなよ、いや読むんだよ、みたいな押し問答もあったり。諦めず読む、って辺りに、そういう本を読むことの億劫さがにじみ出てる気がします。正直億劫だが一生懸命読む。この句の詠み手の実直さも伝わってきます。(小笠原玉虫)
    △よくわからなかった。ただ、どういう過程を経たかはともかくとして、読み続けることが困難な本は読まなくてもよい気がする。意欲は買いたいが……(タケウマ)
    △焚書坑儒でしょうか。知識を収集することをあきらめてはいけませんね。しかし燃やされる本にこそ読む価値があるのではないでしょうか。(働猫)

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  21. (-1点)しんしんと電気満ちゆく電気椅子●△△△△

    ●死刑を連想させられたが、まだ死にたくない。(祖啓)
    △電気椅子は電気をためるのかな? 瞬間的に電気が流れる印象があるのですが…(水名)
    △電気が満ちる音にしんしんを持ってきたのが静かで怖いですね。何か好きな句です。(小笠原玉虫)
    △「しんしん」を雪以外に使うならやはりこうでしょうか。(雪兎)
    △グリーンマイルを思い出しました。残酷な道具に美しさを見出す狂気を感じました。(働猫)

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    1. 水名さんと同じ疑問を抱きました。

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  22. (-1点)うなぎをマネすると素早い●△△△△

    ●「素早い」の表現に、なにか一周まわっているようなあざとさを感じて少し気になった。いずれにせよ、大人が子供のマネをするのはあまり好ましくない(地野獄美)
    △どういうことなのか分かんないんですが、何か好きなんですよね。素早く潜り込むのかな、お布団とかに。何かふふっと笑いたくなる感じがもう好きで好きで。(小笠原玉虫)
    △確かに早そう。ぬらぬらと、にょろにょろと。(洋三)
    △どういう経緯かわからないが、うなぎの真似をしたところ素早い動作を繰り出せたということだろうか。なるほど、うなぎであれば素早くなるだろう。納得するところであるが、それがなにを意味するのかうまくつかむことができなかった。まあ、うなぎだからつかみづらいのだ。許されよ(タケウマ)
    △人込みを駆け抜けるときですね。(働猫)

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  23. (-3点)白亜の土にやわらかくトリケラトプス光の素足●●●△△

    ●恐竜に不慣れなためか、意味をとれない。「光の素足」とは何か。あるいは「トリケラトプス光」というものがあるのか。(古戸暢)
    ●いまひとつ掴みきれませんでした。ピントがぼやけている感じ。(洋三)
    ●やわらかい韻律にうっとりした。トリケラトプスが四肢がゆっくり上下させながらと白亜紀の大地を踏み進んでいく姿を夢想しているのであろう。美しい光景であるが、修辞のための修辞のような気がして逆選とさせていただいた。許されよ(タケウマ)
    △静かに明るい句でとっても好き。トリケラトプスの足跡の化石を、静かに感動しながら眺めているのかな。光の素足、っていうのがいいですね。遠い白亜紀に思いを馳せつつ、ちょっとさみしい感じなのがいい。まさに詩って感じがしますね。(小笠原玉虫)
    △足跡が光っていたのでしょうか。(雪兎)

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  24. (無点)犯された夜の続きの朝の挨拶△△

    △いいですね。非常に好きです。激しい一夜のあとにも関係性が続いていきそうな予感がある。朝っていうことでちょっと希望みたいなものも垣間見え。激しいけれどウェットでない男女って感じで非常に好感を持ちました。大好きな句です。(小笠原玉虫)
    △とある夜にとある人物にてごめにされた。事後その人物とともに夜を明かし朝の挨拶を交わしたのだろう。その挨拶が「おはよう」なのか「最低!」なのかわからないが、そうしてまた一日がはじまるのである。このなんとも複雑な情景はなんとも複雑で出口の見出し難いいまの社会的状況の断面のようにも感じるし、その複雑さがたった13文字で表されていることも見事と思うが、その句に表出されている世界がボクの好むところではない故、今回は無点とした。以下、蛇足であるが、前回の鍛錬句会で「他人の性交がいくつか行われているこの夜にすべきことは何か」という句があったが、他人の性交には、揚句のような性交もあるのだろうなあとぼんやり思ったことを記しておきたい(タケウマ)

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  25. (無点)アフターファイブの面した女が香る△△△△

    △いいですね。17時過ぎたらもう彼女は会社にいる彼女とは別人です。香水をつけ直して颯爽と出てきたんでしょう。よしここからは自由、っていう切り替えが気持ちいい。(小笠原玉虫)
    △確かにそういう女性っていますよね。普段よりも髪もメイクもばっちり。そして香水の匂いを残して彼女は去っていくのです。(洋三)
    △部下をよく観察する上司と勝手に読んだ。終業後仕事中とは違ってウキウキwとした表情の女にほのかに欲情しているのであろう。「アフターファイブ」という少し古い言葉が似合う女であるとすれば、一部で大きな人気を得ている熟女に類する女かもしれない。まあ、そこらへんは好き好きであるから勝手に欲情すればよいのである(タケウマ)
    △職場では眼鏡なのにコンタクトしてきて化粧も違う、という。しかし眼鏡が好きだったことに気づいてしまったりしてね。(働猫)

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  26. (無点)あけすけなおでんのたまごと真昼△△

    △煮汁に染まった卵ではなく、これからおでんに入れられる白いゆで卵が昼の光のなかできらきら輝いている情景と読んだ。きっとそういうことではないのだろうが……(タケウマ)
    △おでんは玉子と大根があればよく、あとは出汁だと思います。リズムが気持ちよくないです。(働猫)

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  27. (無点)干しもの取りこむサンダルの底冷たい△△△

    △いいですね。こういう、ふっと季節を感じる句ってツボです。水道の水も急に冷たくなりますよね。あれって。秋はすとんとやってくる。(小笠原玉虫)
    △夕方の景であろう。洗濯物を取り込もうと物干し場に出て履いたサンダルの冷たさに季節が冬にむかっていることを感じたのである。もっとも助詞が省略されているので、サンダルの底で干し物を取り込んだら冷たいと感じたと読むことも可能である。それが効果的であるかどうかはわからないけれど(タケウマ)
    △これは美しい情景と思います。しかし北海道で暮らす身としては、夏でも夜はサンダル冷たいことも多いため、本当の意味で季節感を共有できないのだと思います。そんなことを確認しました。(働猫)

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    1. サンダルの底は地面に接している方のことを指すと思い込んでおりました。

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