2012年11月30日金曜日

第一回 ことばあそび大会

【結果発表】 もっともひどい、言葉はどれだッ!?

優勝  
・カタツムリ教団 7点!

なかなかの怪しさ (3点以上)
・スベスベマンジュウガニ 4,4点
・それはサイババの勝手なんですよ 4点
・世界の荒鷲 3,4点
・金の無い奴ぁ俺んとこへ来い 俺もないけど心配するな  3,2点
・話は聞かせてもらったぜ 3,2点
・ダイナマイト低気圧 3点
・お前はどうしたいんだ!? 3点

普通に使える (1点以上)
・つい勃発的症候群  2.2点
・奇声ラッシュ 2,2点
・よしんば  2点
・とりひろい そらあわせ 2点
・一度きりの魔球を投げ込む 1,6点
・優しくって少し ばか 1,2点
・この黒豚は紅の豚よりも美味しそうだね 1点

おやつ感覚 (0,2点以上)
・言葉の夕立 0,4点
・彷う 0,2点
・君は頭は良いが間が抜けているんだよ 0,2点
・胚 0,2点
・君と寝ました 他人のままで 0,2点
・ハロー  0,2点

売れ残り (0点)
・うまく説明出来ません
・何かいいね
・ウッキィーーーッ!!ウッキィーーーーーーッ!!!



○ネタ提供者

【渋谷知宏】
お前はどうしたいんだ!?
うまく説明出来ません
何かいいね

【白川玄齋】 
金の無い奴ぁ俺んとこへ来い 俺もないけど心配するな
君は頭は良いが間が抜けているんだよ
この黒豚は紅の豚よりも美味しそうだね

 【天坂寝覚】
彷う
ハロー

【中筋祖啓】
つい勃発的症候群
とりひろい そらあわせ
ウッキィーーーッ!!ウッキィーーーーーーッ!!!

【馬場古戸暢】
君と寝ました 他人のままで
一度きりの魔球を投げ込む
言葉の夕立

【藤井雪兎】
話は聞かせてもらったぜ
奇声ラッシュ
優しくって少し ばか

【本間鴨芹】
世界の荒鷲
ダイナマイト低気圧
カタツムリ教団

【松田畦道】
スベスベマンジュウガニ
それはサイババの勝手なんですよ
よしんば

※五十音順。


―――――予告編―――――


鉄塊は、とてもマジメな俳句結社ですが、時として、ハメをはずす事がある!?

エイプリルフールのような、バカげたイベントが、一年に一回くらいあったほうが、なんとなく、
違う意味でのバランスが取れて、ほっとするなあ、と、おもいまして、
中筋祖啓記者が編集当番をつとめる時には、「ことばあそび大会」なるものが、開催されます。


さて、皆さん、俳句を詠んでいる最中に、または、日常生活の何気ない会話の中で、

「この言葉は、俳句の枠組みからは、完全に脱線、逸脱しているのだけれど、なんか、捨てがたいなあ・・・もったいないなあ・・・」

という、言葉と出会った事がございませんか?


そういった、俳句からはすっかり脱線してしまった言葉をフルに活用できるように、煮ても焼いても食えないヘンテコな言葉を、あえて調理して食べてみる。ゲテモノ食いのようなイベントです。

まあ、ようは、ことば遊びです。




第1回 ことばあそび大会

***** 怪人トロピカル祖啓による、闇鍋パーティーの招待状 *****

『言葉の闇鍋ゲーム』 平成24年11月開催予定

ある日、鉄塊俳人のメールアドレスに、ある奇怪なパーティーの招待状が届きます。

怪人トロピカル祖啓という、怪しい人物からの招待状。なんだこりゃ???

「鉄塊衆の皆様、この度は、怪人の意のままに、言葉の闇鍋パーティーなるものを開催させていただく運びとなりました。各自、自分の気になる言葉を3つご用意して、トロピカル祖啓の館で開かれます、闇鍋パーティーにご参加ください   トロピカル祖啓より」


*以下、今回のルール

各自が、闇鍋のネタとして、気になっている言葉を3つ用意します。(他人の言葉でもOK)
気になる言葉を闇鍋に放り込むような感覚で、リストアップし、 特選、並選の要領で、
各自が、
『すごく気になる!!』という言葉を1人1つ、
『気になる』という言葉を、1人3つ、
『微妙に気になる』という言葉は、無制限に複数、選べます。

※開催例

闇鍋をイメージしつつ・・・・

・ チチ キトク スグ カエレ
・ こんなもの! こんなもの!!
・ さよならだけが人生だ
・ 軍人は忠節を尽くすを本分とすべし
・ いりません。
・ しぶい
・ にがい
・ ガハハハハ、ガハハハハハハハハと、昼寝
・ こたつ
・ アウー?
・ ラバウル航空隊
・ ひょっこりとしている
・ 腰を痛めるぞ!
・ 死にゴミ
・ うまい棒
・ トロピカル天皇
・ ボコスカウォーズ


言葉は、古今東西、俳句だろうと、なんだろうと、外国語だってかまいません。
とにかく、なんでも。単語でも、接続詞でも、感嘆詞でも、なんでもありです。

すごく気になる!! +2点
気になる      +1点
微妙に気になる   +0、2点

今回の場合、『気になる』という事が、採点の基準なので、逆選はございません

気になる言葉には、各自がどうして気になったのかコメント。
(コメントの名前は公表します。)

こうして、晴れて、一番気になる言葉をもってこられた方には、怪人トロピカル祖啓から、『ことばの闇鍋賞』なるものをプレゼントします。 プレゼントの景品は、私が用意して、ご自宅に郵送させていただきます(たぶん食べ物。トロピカルなものを・・・)

というルールの、パーティーゲームでございます

なにぶん、完全に番外編なゲテモノ行事ですので、気がむかない場合は、無理に参加をされなくてかまいません。



さて、今回の闇鍋のポイントは、その「ランダム性」


何しろ、食べ物でないものをも、放り込んでしまう闇鍋になぞらえまして、文章でないものをも放り込んでしまう闇鍋なのですから、むちゃくちゃです。でたらめすぎる!

これは、日本語として壊れている。バグっているのだけれども、何故か、珍味にして、妙!

という、奇妙な取り合わせをも、楽しむイベントでございます。
(もちろん、日本語として壊れていない文章も、投稿できます。壊れている文章と、壊れていない文章を同等に扱うのが今回のイベントの特徴なのです。)


さて、開催されれば当然、ひどい有様になることは、予約済みです。
まもなく、11月に開催される予定です。

怪人トロピカル祖啓は、その館で、首を長くして待っている様子です。

※ことばあそび大会は、諸々の事情により、第一回で連載うちきりとなりました。新たな企画をご期待ください!

第七回 鍛錬句会

(最高得点句)
 今朝夢でころしたひとと笑う 8点

(最低得点句)
弄ぶために作られたなんという小ささ  -2点
君子より軍師を慕って書を閉じる  -2点

【互選集計】
8点 今朝夢でころしたひとと笑う◎◎◎○○
5点 枯葉集まるここが新居です◎○○○
4点 何かしら言い訳しているイルミネーション◎○○
3点 おのずからミシン学んでゆき三十歳○○○
3点 靴擦れを隠して輪に入った ◎○○●
2点 みつけた携帯黙った◎○●
2点 ソフトクリームと書かれ寒風の幟◎
2点 寒空そびえる生足○○
2点 両手で林檎すくい上げて小さき手よ○○
1点 尖った靴で夜を企む○
1点 アンドロイドを夢見た少年は機械に生命を握られており ○
1点 ティッシュでいっぱい燃えるゴミ出す○
1点 いつからか川がきれいに見える橋○
1点 猫よこんなにあたたかいきみが先に逝ってしまう ○
0点 花びらを数えてから占う
0点 己の弱さに朝から氷浮かべた  
0点 まんざらでもない服の嵐  0点
0点 描かずに筆置く大樹の前●○
0点 ばらばら別れゆく冬になる雨
0点 夕闇に溶けて秋刀魚の煙る下町
0点 ベンチからみた空は雲一つ無い空0点 で靴は脱いでいます ●○
0点 これは恋なのか君の顔も見ずに終わる恋
ー2点 弄ぶために作られたなんという小ささ  ●●
ー2点 君子より軍師を慕って書を閉じる●●  



・作者発表

【渋谷知宏】
両手で林檎すくい上げて小さき手よ
夕闇に溶けて秋刀魚の煙る下町
ベンチからみた空は雲一つ無い空で靴は脱いでいます

【白川玄齋】 
アンドロイドを夢見た少年は機械に生命を握られており
これは恋なのか君の顔も見ずに終わる恋
君子より軍師を慕って書を閉じる

【天坂寝覚】
今朝夢でころしたひとと笑う
猫よこんなにあたたかいきみが先に逝ってしまう
ばらばら別れゆく冬になる雨

【中筋祖啓】
おのずからミシン学んでゆき三十歳
まんざらでもない服の嵐
いつからか川がきれいに見える橋

【馬場古戸暢】
寒空そびえる生足
みつけた携帯黙った
ティッシュでいっぱい燃えるゴミ出す

【藤井雪兎】
靴擦れを隠して輪に入った
描かずに筆置く大樹の前
花びらを数えてから占う

【松田畦道】
己の弱さに朝から氷浮かべた
尖った靴で夜を企む
弄ぶために作られたなんという小ささ

【本間鴨芹】
何かしら言い訳しているイルミネーション
ソフトクリームと書かれ寒風の幟
枯葉集まるここが新居です

第七回 研鑽句会

(最高得点句)
6点 病む父はかまきりのその眼 ◎◎◎

(最低得点句)
ー3点 からす遠く鳴いてひとり ●●●

【互選集計】
6点 病む父はかまきりのその眼◎◎◎
4点 連れあい亡くしたお隣の朝掃く音○○○○
4点 泣きやんでぺったりパパの胸○○○○
3点 老母と枕並べれば忘れかけていた海鳴り◎○
3点 関にヘルメット二つ子ら帰っている ○○○
2点 日に薄氷かざした子の笑顔◎
2点 そのやさしさめがねのおくの眼◎
2点 議論ぐるぐる居酒屋の美人ポスター ◎
2点 坐蒲団へおさまる老母の小さく◎
2点 鬱消えて雪 ◎
2点 憂さも幼児(おさなご)のかたこと ○○
1点 霧へ海哭く○
1点 ギター弾く二重窓の一つある部屋○○●
1点 人は風のよう吹きぬけてゆく ○
1点 明日の見えない空から雪、雪、雪、○
1点 誰を暗い玄関でひとり老母は ○
1点 スーパーのカート押せば元気な妻 ○
0点 霧笛呼んでは消え呼んでは消える海
0点 月明かり白々と吾が脛
0点 散髪の床に落ちた白髪の割合
0点 蜜蜂の潜るに小さな菜の花のふとん 
0点 狂わぬ時計で追い立てられている日々●○
0点 集いしずか墨する音も秋
0点 寒やわらぐ音の雨
0点 頑張った眼に泪卒業してゆく
0点 よちよちあんよの芽ぶくそら
ー1点 空爆の映像にない流された血の色●
ー2点 まっすぐ落ちてくる雨の音がかなしい●●
ー3点 からす遠く鳴いてひとり ●●●

※作者は、全て、ぎんなん俳人の佐瀬広隆様の句集「海鳴り」より選句させていただきました。

2012年11月27日火曜日

近作八句

近作八句。

短いのにこだわりました。

一部そうでない句もあります。



心配事あるまま眠る布団

夢が昨日の続きの悪夢

また起きて働きに行く

何ともいえない音だして鳴く蛇口

空の星の一つ急ぐ

電車に揺られ運ばれる人体

風がチラシ吹き飛ばすなんてありがちじゃないか

ゴキブリ鳴いたら愛されますか



以上、七句ではなく八句でした。

よろしくお願いします。


2012年11月24日土曜日

ごあいさつ

 このたび、鉄塊に参加させて頂くことになりました本間鴨芹と申します。
 入ったばかりでこのような話もアレなのですが、『鉄塊』に入会するには?によると、50歳で退会(卒業)とあります。このままですと自分が年齢による卒業第一号となります。そんな年齢制限ぎりぎりの時期に参加させて頂くことになったのは、縁というしかありません。

 鉄塊には「尖った」イメージを持っています。何が尖っているのか上手く説明はできないのですが、尖っているように感じます。ところが自分は全然尖っていない。お腹も年齢相応に弛んでいます。このままじゃいけない、鉄塊のイメージを壊してはいけないと、今は毎日ヒンズースクワットに取り組んでいます。取り組むポイントを間違えているような気もしますが、でも真剣です。もちろん句作も。

 今年の2月から句作を始め、5月からは「海紅」にお世話になっております。そして鉄塊。少しずつフィールドを広げ、自分を試し鍛えていきたいと考えておりますので、どうぞ皆様、厳しい目を注いでいただきますようよろしくお願いいたします。

2012年11月18日日曜日

鉄塊版ミニ歳時記『秋』『冬』

歳時記を作っている側の人間の立場を体験したい、と、ふと思いまして、
唐突ですが、鉄塊版ミニ歳時記を編集させていただきます。

もし、何か、鉄塊衆の皆様も、『秋』『冬』の歳時記で、何か書きたい項目がございましたら、
遠慮無しに、記事の後ろ、または、コメントでもかまわないので、
ご自分の好きな季語を、勝手気ままに付け足して書き込んでいってください。

(これをやろうと思ったきっかけは、写真家に梅千代さんって方がいて、この人の本を読んで「面白いなあ!!」って、マネしたくなったのがそもそもの本ネタです。 投稿者 祖啓)

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『こたつ』 冬  投稿者 祖啓
日本人の古き良き伝統を受け継ぐ、一家団欒の象徴。
こたつ + みかん + 猫 = 廃人
という方程式が生まれる、脱力的ブラックホール。

『雪』 冬   投稿者 祖啓
・いく度も雪の深さをたずねけり  子規
が、なんか良かった。
雪は「再会」をイメージさせる。

『やかん』 冬   投稿者 祖啓
カッコイイ!!
デザインも、存在も、利用価値も!
全てにおいて、パーフェクトな存在。

『紅葉(もみじ)』 秋  投稿者 祖啓 
「紅葉か・・・・、アイツかあ・・・・。」
と、必ず、哀愁を運んでくる、なんとなく悔しい存在。みんなにとっての旧友か?


『雪見だいふく』 冬  投稿者 祖啓
幼少期より、何かしら、センスの良い食べ物として評判が高い。
たかがアイスなれど、どうしてこういう姿、味、パッケージとなったのか極めて興味深い。

『柿』 秋  投稿者 祖啓
やたらと色が良い!!
あとは、種が魅力的なのも、曲者だ。

『モズ』 秋   投稿者 祖啓
「憎まれっ子世にはばかる」ということわざを、その奇声をもってリアルに体現してくれる、農村界のジャイアン、スネ夫。
何だかんだいっても、こいつの奇声が鳴り響くから、農村部の豊作が、より豊作として祝福されている事は否めない。モズこそが、稲穂の国、日本の豊作を、第一声に喜んでいる。狂喜してくれているのだ。


『讃岐うどん』 冬  投稿者 祖啓
冬になったら、讃岐うどん。他の追随を許さない!

『りんご』  秋  投稿者 祖啓
・私は真っ赤なリンゴです~♪   童謡(りんごのひとりごと)
と、童謡(りんごのひとりごと)にもあるように、それにしてもリンゴは可愛い。
うーん、可愛い。可愛いぞ!!


『はんてん』  冬  投稿者 祖啓
夫がはんてんを愛用していた場合、その妻は必ず、もんぺを着なければならない、というルールがあったら良いのだが・・・。


『スキー スケート スノーボード』   冬  投稿者 祖啓
運動神経の悪い若者の、社交性や、世間体適応能力を図るために設けられた公的免許資格機関。
1級 スノーボード 2級 スキー 3級 スケート
と、ランクが別れ、運動神経の悪い若者に、何年に一度か、様々な試練と葛藤を与えてくれる。

2012年11月8日木曜日

『黒猫』

猫を飼うと決めた秋の雲の下を急ぐ


両手で包める命が爪立てている


かげもくろねこ



 生き物の飼い方は、だいたい二種類に分かれる。第一に、生き物本来のガッツを最大限に引き出す法。必要最低限の食料と環境を与える他には、何もしない。要は放任主義である。第二には、必要と思えるものは全て与え、人間の創り出せる環境は全て創る、という飼い方。人間に喩えると、前者は子供を公立の学校へやり、後者は私立へ行かせる。前者は伸び伸びと育つままに育て、後者は最高の環境を与えるぶん、躾けにも厳しい。
 うちには八歳のリクガメ(甲長12センチ♂)と、生後三ヶ月の黒猫(体重1.6キロ♂)がいる。このリクガメを購入したペットショップの主は、あきらかに前者だったと思う。申し訳程度の紫外線灯と保温電球をつけた水槽に、同じ種のリクガメが数匹売られていた。最初その店を通りかかったとき、私は「リクガメは何を食べるんですか」と店主に聞いた。すると店主は、店の前の道路端からぶちっと無造作に雑草を引き抜き、リクガメの水槽に放り込んだのだった。なんでも食べるんですよ、とのことだった。
 私はこの店からリクガメ1匹と、飼育道具一式を購入した。後でよくよく調べてみると、飼育道具は最初買っただけでは全然足りず、その店主が与えた草のなかには、どうもリクガメが食べてはいけないものも交じっていたようだ。
 それでも、リクガメはどうにか生きていたのだ。それどころか、食べ物の選り好みをしないため、たいへんに飼いやすいのである。飼育書やカメ飼いの方のブログなど見ると、リクガメは環境の変化に弱く、飼い始めは何日も餌を食べなかったりするそうなのだ。その点、うちのカメは図太く、飼育初日から食欲も旺盛だった。それというのも、あんまり褒められたものではないが、ペット店の主によって生きるガッツを最大限、引き出されたお陰だと思う。
 そして先月から我が家の一員となった黒猫も、どちらかといえば『公立』の出である。先住猫が3匹いるところに5匹の子猫が生まれ、そのなかの1匹をもらってきたのである。こちらの猫も、食欲は旺盛だし、とても元気だ。
 猫に牛乳を与えてはいけない、とよく言われる。猫の腸には牛の乳を吸収する機能がなく、お腹を下してしまうというのだ。ところが黒猫の前飼い主は、大丈夫だという。親猫も牛乳で育っていて、母乳からその成分が出ている。なのでお腹を下すこともないのだという。と言われても試しに牛乳を飲ませてみる気は全くなかったが、そのぐらいでへこたれない根性、というのはこの前飼い主が育んでくれたと思うべきだろう。
 かく言う私も公立高校卒、ほぼほったらかしで育った。ガッツと呼べるものがどれだけ育っているかは疑問だが、とりあえず持ち前の業とでもいった、細々としたものだけを武器に、俳句なんぞひねっている。
 一方、幼稚園から私立で大学は文学部卒、でもって大きな会社に勤めながら「趣味は俳句でございます」などという人も、世の中にはゴマンといるのである。どっちがいいとか、どっちが正しいとかいうのではない。両方あって、世界は廻っているのだ。
 リクガメと黒猫は我が家の一員となった途端、私立の方に転入した趣である。生き物を育てるにあたって、私の妻は食料にも環境にも、最大限の配慮をする質なのだ。その割に私は相変わらずほったらかしなのであるが、雑草で育って四十ン年では、さすがの妻も手の施しようがない、というのが正直なところなのだろう。

2012年11月4日日曜日

七句

「take」

この前の記事のコメント欄にて、自由律俳句において「てく」という表現が適当かどうかという質問が挙がった。それに対する回答の一助になればと思い拙句を調べているうちに、その話は終わった感じになっていた。せっかくなので、ここに載せてみる。

なお、拙句に関して言えば、その句数は「て行く」>「ていく」>「てく」>「てゆく」の順となった。
「てく」を用いる背景には、口語性重視のほか、韻律の問題もある気がした。

夢が覚めてく朝のベル鳴る

夜空晴れてく明日は休日

葉桜へ吐く煙のぼっていく

水かさが増えていく小雨だ

飛行機雲が崩れて行く城を出る

幾重にも飛行機雲が伸びて行く

雲の逃げてゆく満月の鮮やか


※近作ではありません。

2012年11月3日土曜日

近作七句

「ここ最近の日常詠」



彼岸花が赤くけだるく歩いてる


蔦がのびてゆく壁もヒビ割れてく


足の裏が痛い


自然とそうなっただけだよ欅紅葉


熟れた柿が切れない木のまな板


秋刀魚の腸の苦味よけて食う


きれいな花です彼岸花土手に咲いて



※それぞれの句の時間は、まったくもって前後しております。

 時系列とはなっておりませんので、よろしくお願いします。


追記

この度、わが『鉄塊』に新メンバーが加入いたしました。

新たに9名となりました。

どうぞよろしくお願いいたします。